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2022年新作海外ドラマベスト10【作品賞・監督賞・演技賞】

 2022年は、史上最も多くの海外ドラマが公開された年だと言って良いでしょう。非常に多くの新作海外ドラマ・新シーズンが登場しました。その中で、私が今年観たのは計56シーズン。今回は、海外ドラママニアの筆者が選んだ2023年海外ドラマベスト10を紹介します。

 

 なお、今回のベスト10の対象となる作品、すなわち私が今年観た新作海外ドラマの一覧および部門賞などは、以下の記事にまとめてあります。

関連記事:2022年新作海外ドラマベスト10【クリエイティブアーツ部門】 - 海外ドラマパンチ

 

 

演技賞

 2023年に公開された海外ドラマの中で最も素晴らしいパフォーマンスを披露してくれた俳優たちにパンチ・アワード2022演技賞を贈ります。受賞者は、この8人。

 

レイ・シーホーン『ベター・コール・ソウル』

ボブ・オデンカーク『ベター・コール・ソウル』

アマンダ・サイフリッド『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』

ポール・ウォルター・ハウザー『ブラック・バード』

アイオウ・エディバリー『一流シェフのファミリーレストラン』

ジョン・バーンサル『WE OWN THIS CITY-不正と汚職が支配する街-』

パディ・コンシダイン『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』

新人賞:ミリー・オールコック『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』

 

 まずは、『ベター・コール・ソウル』の主演2人。6シーズンもの間、お疲れ様でした。この世に生きていて本当にありがとう。続いて、実在の人物を演じた2人。『ドロップアウト』エリザベス・ホームズを演じたアマンダ・サイフリッドは、これまでのイメージを完全に覆すような演技を披露してくれました。『ブラック・バード』で実在の凶悪犯罪容疑者を演じたポール・ウォルター・ハウザーは、可愛さと気持ち悪さが同居した独特な雰囲気が強烈。後者がどんどん増していくから怖い。

 

 アイオウ・エディバリーは、『一流シェフのファミリーレストラン』での演技が素晴らしかったのはもちろん、実は『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』シーズン4の脚本にも参加している二刀流。『WE OWN THIS CITY』のジョン・バーンサルは良いぞ。『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』で頼りない王でありながら、ドラマを力強く牽引するパフォーマンスを見せてくれたパディ・コンシダインに拍手。若き主人公レイニラを演じたミリー・オールコックには、すっかり恋に落ちてしまいました。アメイジング!

 

監督賞

 監督賞は1人に絞りたかったのですが、無理でした。パンチ・アワード2022監督賞を、こちらの3人に授与します。

 

クリストファー・ストアラー『一流シェフのファミリーレストラン』

ベン・スティラー『セヴェランス』

ダニー・ボイル『セックス・ピストルズ』

 

 『一流シェフのファミリーレストラン』の映像には、圧倒されました。本当に。頭が吹っ飛ぶ勢いでした。ベン・スティラーといえば俳優として有名ですが、『セヴェランス』には監督としてのみ参加。あのシュールで不思議な世界観を見事に作り出していました。映画界の名匠ダニー・ボイルは、ドラマ『セックス・ピストルズ』でも、独自のセンスを遺憾なく発揮していました。最高。

 

 

作品賞ランキング

10位『バリー』シーズン3

 役者をやっている元殺し屋が主人公の『バリー』シーズン3は、贖罪の物語。バリーがバリーなりの方法で過去の罪を償おうとします。そのために車のトランクに人を押し込んでいるので笑ってしまうのですが。ブラックコメディとハードボイルドが奇妙に融合した他では味わえない逸品です。

配信:U-NEXT

関連記事:海外ドラマ『バリー』シーズン3感想|そこに生きる目的はあるのか? - 海外ドラマパンチ

 

9位『デクスター:ニュー・ブラッド』

 表の顔は鑑識官、裏の顔はシリアルキラーのデクスター・モーガンが8年ぶりに帰ってきました。近年のハリウッドはリブート祭り状態なので、人気があった作品は安易に続編が作られますが、『デクスター:ニュー・ブラッド』は一味違います。8年前の最終回へのアンサーとして、作る意義のあった続編です。過去の過ちと向き合いながら、新たな敵にも立ち向かうストーリーは、あの『デクスター』の興奮と興奮をたっぷり感じさせてくれました。

配信:Hulu

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8位『絶叫パンクス レディパーツ!』シーズン1

 イギリスに住むムスリムの4人の女性たちがパンクバンドを始めるこのコメディドラマは、本当に面白い。「ヒジャブを被ったヴォルデモート」というフレーズだけで笑えてきます。決してイスラム教を批判する内容ではなく、現代のムスリムの人たちをユーモラスに描いたドラマであるのが新鮮。こういう作品はぜひとも観てみたいと思っていました。レディパーツのメンバーが、日々様々なことに悩みながらも、殻を破ってパンクで弾ける姿は爽快!

配信:スターチャンネルEX

関連記事:ドラマ『絶叫パンクス レディパーツ!』感想|ムスリム女性によるパンクバンドの爽快傑作コメディ! - 海外ドラマパンチ

 

7位『バッド・シスターズ』シーズン1

 ブラックコメディ好きとして、このドラマは外せません。仲の良い5人姉妹が次女のクズすぎる夫を殺そうとする『バッド・シスターズ』は、冒頭のクズ夫の葬式シーンから絶妙なブラックジョークをかましてきて、がっしり心を捕まれます。常にコメディを基調としながら、終盤では感動の嵐が訪れます。このドラマに泣かされるとは思っていませんでした。

配信:Apple TV+

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6位『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン1

 名作『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚には、世界中から大きな期待が集まっていました。その高いハードルを見事に越えてくれた『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は素晴らしい。本家よりもミニマルな物語になり、ターガリエン家周辺のドロドロの人間関係にフォーカスしたおかげで、よりキャラクターの深さが際立っています。特に、レイニラ・ターガリエンには、もうぞっこんです。

配信:U-NEXT

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5位『パチンコ』シーズン1

 在日韓国人の四世代を描いた大河ドラマ『パチンコ』は、韓国と日本の一筋縄ではいかない歴史を背景にしながら、主人公一家のパーソナルな物語でもあります。2つの時代を行き来する構成は非常に効果的に活かされています。韓国の米やキムチなど、シーズンを通したアイテムの使い方みたいなものも上手くて、どちらのシーンも感情移入してしまいグッと来るものがありました。

配信:Apple TV+

 

4位『セヴェランス』シーズン1

 まず、アイデアに脱帽。日常と職場の記憶を分離する。それだけのシンプルな設定なのに、こんなにも面白い。原作なしでこれほど斬新なストーリーを今も作れることに感動しましたし、ちょっと勇気づけられました。創造力って凄い。整然としているのに、どこか落ち着かない不気味な雰囲気を作り出した監督(主にベン・スティラー)と作曲家(セオドア・シャピロ)にも拍手。

配信:Apple TV+

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3位『ベター・コール・ソウル』シーズン6

 あの名作『ブレイキング・バッド』の前日譚として始まり、ついには本家を超えた伝説のドラマが完結しました。脚本、演技、演出、どこを取っても完璧です。『ブレイキング・バッド』『エル・カミーノ』と続いてきたアルバカーキ・サーガの本当の最終章として、数多くの伏線を回収し、様々なストーリーに決着を付けながらも、最終的にはあくまでもジミーとキムの物語として終わったところは非常に好感が持てます。美しいエンディングでした。

配信:Netflix

 

2位『メディア王~華麗なる一族~』シーズン3

 世界的メディア企業のCEO一家を主人公にしたブラックコメディドラマのシーズン3。ネタはさらに面白く、社会風刺はさらに鋭くなっています。そして脚本が上手い。ローガンが送ってきたドーナツだけで勢力図が変わり、モノポリーには各人の性格が露骨に表れています。イタリアの美しきトスカーナ地方を舞台にした最終話では、衝撃の展開が待っています。あのラストシーンは忘れられません。

配信:U-NEXT

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1位『一流シェフのファミリーレストラン』シーズン1

 このドラマの第1話を観たときは完全に圧倒されました。熱量が凄い。ランチタイムの厨房の鬼気迫る慌ただしさが完璧に映像に落とし込まれています。その後のエピソードでは、それぞれのキャラクターの置かれている状況や心情が深堀りされ、そして第7話です。ほぼ一話まるまるワンカット。あの狭い厨房で、しかもキャストがせわしなく動き回っている中での撮影なので、相当なものです。ドラマのストーリーもここでクライマックスを迎えます。キャラクターの描き方も上手く、この頃にはすっかり気持ちが入ってしまいます。シーズン1を観終わる頃には、完全にあの厨房の一員になったような気分で「YES, シェフ!」と叫ばずにはいられませんでした。

配信:ディズニープラス

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 ここまでで紹介したトップ10と11位~20位を合わせた作品賞トップ20を改めて発表します。

作品賞ベスト20

1位『一流シェフのファミリーレストラン』シーズン1 ディズニープラス

2位『メディア王~華麗なる一族~』シーズン3 U-NEXT

3位『ベター・コール・ソウル』シーズン6 Netflix

4位『セヴェランス』シーズン1 Apple TV+

5位『パチンコ』シーズン1 Apple TV+

6位『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン1 U-NEXT

7位『バッド・シスターズ』シーズン1 Apple TV+

8位『絶叫パンクス レディパーツ!』シーズン1 スターチャンネルEX

9位『デクスター:ニュー・ブラッド』Hulu

10位『バリー』シーズン3 U-NEXT

11位『神話クエスト』シーズン3 Apple TV+

12位『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』シーズン3~4 ディズニープラス

13位『ウエストワールド』シーズン4 U-NEXT

14位『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4 Netflix

15位『ザ・ボーイズ』シーズン3 Amazonプライムビデオ

16位『WE OWN THIS CITY-不正と汚職が支配する街-』U-NEXT

17位『KLEO/クレオ』シーズン1 Netflix

18位『リブート』シーズン1 ディズニープラス

19位『セックス・ピストルズ』ディズニープラス

20位『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』ディズニープラス

 

 

2022年海外ドラマ総括

 2022年の最も印象的な海外ドラマの一つとして『ベター・コール・ソウル』ファイナルシーズンを挙げても異論はないでしょう。前シーズンから2年。視聴者の期待は上がりまくり、史上最高のドラマと称されることも多い『ブレイキング・バッド』から始まった「アルバカーキ・サーガ」をいかに完結させてくれるか、世界中が注目していました。撮影中には、主演のボブ・オデンカークの心臓発作の一報も入り、さらにハラハラさせられましたが、完成した作品はこの通り、見事なフィナーレを迎えました。

 

 他にも、長年海外ドラマ人気を支えてきた人気作『ウォーミング・デッド』が完結しました。『デクスター』は本当の最終回を迎え、『アトランタ』『オザークへようこそ』も完結。『ウエストワールド』はシーズン4で悲運の打ち切りとなりました。DCコミックス原作の『レジェンド・オブ・トゥモロー』『BATWOMAN/バットウーマン』は打ち切られ、『THE FLASH/フラッシュ』も間もなくファイナルシーズンを迎えるため、アローバースは実質的に完結しつつあります。2022年は、海外ドラマ界にとって、一つの区切りの年にもなりそうです。

 

 一方、2022年は、SF・ファンタジードラマがこれまで以上に盛り上がった年でもありました。今や知らない人のいないSFドラマ『ストレンジャー・シングス』はシーズン4が公開され、Netflixの英語ドラマ史上最高のヒットを記録しました。「ストシン効果」で、ケイト・ブッシュのRunning Up That Hillも世界中で話題になりました。Amazonの『ザ・ボーイズ』も引き続き高い人気と評価を得ています。

 

 8~9月には、社会現象を巻き起こしたドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』と、ファンタジーの代名詞的存在である『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』が同時期に公開されました。ウェスタロスのドロドロの人間関係を描いた前者と中つ国の壮大な世界観を描いた後者は、ともに大きな話題を呼びました。11月には、ティム・バートンも監督を務めたNetflixの『ウェンズデー』がヒットしました。

 

 実話を基にしたリミテッドシリーズもたくさん作られました。詐欺事件を扱った『令嬢アンナの真実』と『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』、殺人事件を扱った『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』『ザ・ステアケース-偽りだらけの真実-』『ランドスケーパーズ 秘密の庭』、シリアルキラーを扱った『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』『ブラック・バード』などなど。実在の有名人を扱った『パム&トミー』『ジ・オファー~ゴッドファーザーに賭けた男~』『セックス・ピストルズ』もあります。数え切れません。

 

 最近は、時代の流れでコメディがやりにくい時代と言われたりもしますが、そんな意見など関係なく『アボット・エレメンタリー』『マーダーズ・イン・ビルディング』『神話クエスト』『リブート』など、面白いコメディはどんどん作られています。『一流シェフのファミリーレストラン』『メディア王~華麗なる一族~』『バリー』『アトランタ』は、コメディとシリアスを自在に行き来する、いずれも素晴らしいドラマでした。

 

 2023年には、どんな海外ドラマを観ることができるでしょう? 来年も面白い海外ドラマに出会えますように。よいお年を!

 

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