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Amazonドラマ『フォールアウト』ネタバレ感想&レビュー(書き起こし)

 ポッドキャスト版『海外ドラマパンチ』で新エピソード「ドラマ版『フォールアウト』ネタバレ感想&レビュー」の配信を始めました。以下、この記事には書き起こしを掲載しています。

 

 

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書き起こし

イントロ

さてここからは私サイモンが自腹で海外ドラマを鑑賞してレビューする「週刊TVミニッツメン」。今回は『フォールアウト』。

 

ということで週刊TVミニッツメン。一応4回目なんですが、毎週と言いながら全然毎週ではない週刊TVミニッツメン。不定期配信でやっておりますが、このミニッツメンというタイトルも今回のフォールアウトのための伏線だったということにしておきましょう。

 

フォールアウトの概要

フォールアウトです。アマゾンプライムビデオで絶賛配信中ということで、もうすでにシーズン2の制作が決まりました。素晴らしいですね。配信開始から1週間ぐらいでシーズン2が決まってということで、なんかもう配信が始まる前からシーズン2更新は確実みたいな雰囲気ではあったんで、別にそれはそうだろうなという感じではあるんですけれども、やはり今回かなり話題になっておりますし評価も高いということで、これは完全に納得のシーズン2更新だと思いますね。

 

フォールアウトは、原作はベセスダ社っていうところが出しているゲームで、フォールアウト1が90年代、フォールアウト2も90年代、2000年過ぎたあたりに出されて、そこからフォールアウト3、ニューベガス、フォールアウト4、フォールアウト76というシリーズがいろいろ出ていて。特にフォールアウト3とニューベガスとフォールアウト4あたりが名作なんて言われてたりするんですけども、そのくらいとても人気のある作品で。

 

私自身もフォールアウト4はやったことがあるんですが、本当にハマってやったゲームで。普段全然ゲームやらないんですけども、何を思ったかフォールアウト4、有名だからやってみようと思ってハマっちゃって。ハマりすぎて、ちょっとこれ以上やると生活に支障をきたすなと思ったのでもうやってないんですけど、そのくらいハマったゲームで。面白いんですよね。

 

このゲームの舞台設定としてはポストアポカリプスものです。核戦争が起きた後の世界、荒廃した世界があって、人間は基本的に、フォールアウトシリーズの主人公となる人たちは、ヴォルトと呼ばれる地下シェルターでずっと住んできた人たち。住んできた人類の子孫と言うのかな。

 

ヴォルトの人たちは青色と黄色のIKEAカラーのジャンプスーツを着ています。このヴォルトの住人が荒廃した地上の世界に出て あらゆる敵と戦ったり冒険をしたりするっていうのが大体いつものストーリーです。

 

いつもあんまりゲームの方は深いストーリーがあるってわけでもないんですけども。3とか4はそこそこあるんですけども。でも結構自由にできるゲームではあるんで。フォールアウト4しかやってないですけども。途中で3つぐらいチームが出てくるんですよね。さっき言ったミニッツメンとドラマに出てきたBOSと、あともう一個は何かのインスティチュートだったかな、これの中のどれをどの組織につくかっていうのは自分で選べたりするんで。そういう意味では別にストーリーが固まってるってわけじゃなかったりはします。

 

まず、ちょっとネタバレに入ります。何も知りたくないって人はここで止めてください。ドラマのネタバレ、ちょっとネタバレします。その後にものすごくネタバレします。

 

 

ルーシー・マクレーン

まず、ちょっとネタバレの話は、キャラクターの話をしていこうかなと思います。今回ドラマ版の主人公はルーシーですね。ルーシー・マクレーンという人が主人公で。このドラマのストーリーは完全にこのドラマオリジナルなので、基本的にこの登場人物とかっていうのはゲームの方には出てきてないです。時代が違います。

 

別にゲームやっててもやってなくてもある意味条件は同じというか。あとドラマ版で結構いろんなことが明かされましたけども、それはこれまでゲームの方でも明らかにされてこなかったことなので、もう普通にどっちも楽しめる。ドラマから入ってゲームやっても良いと思うし、 ゲームから入ってドラマ見るのも全然ありな感じにはなってますね。

 

主人公ルーシー・マクレーンは、ヴォルトの中に住んでいて、第1話で父親が地上の荒くれ者たち、レイダーと呼ばれる荒くれ者たちの集団に連れ去られてしまうんですね。そこから父親を救い出すために地上に冒険に出ていく。そういう主人公なんですが、面白い主人公ですね。面白いっていうか、なんか抜けたところがあるというか、要は能天気な主人公っていうのはすごい面白いですよね。ずっと底抜けな明るさというか。

 

あまりにも純粋すぎるルーシー・マクレーンっていうのが、最初はヴォルトの中で要は温室育ちなわけですよ。そういった主人公が地上の荒れ果てた世界で冒険をしていくにつれていろいろと本当の世界を知っていくというか、人間の残酷さを知るというか、そういったところがありますよね。

 

こういう冒険譚としては結構王道の感じではありますけども、でもちゃんと面白い。その振れ幅が大きいんで、最初のこの能天気な感じ、あそこまで能天気なとこから核戦争後の世界に放り出されるっていう。可愛い子には旅をさせろとは言いますけどね、こんな極端な旅はないわけで。そういう意味でそこの振れ幅が大きいっていうのは、やっぱり王道のあれにしてもね、面白いと思いますし、王道だからこそ面白いとも言えるわけです。良いなぁなんて思って。

 

主人公を演じているのはエラ・パーネルという女優さんでして。『イエロージャケッツ』っていうドラマのシーズン1に出てたり、『アーミー・オブ・ザ・デッド』っていうザックスナイダーのゾンビ映画だったり。あと『アーケイン』っていうネットフリックスのアニメで、これもゲームのアニメ化ですね、「リーグ・オブ・レジェンド」のアニメ版のアーケインっていうので、ジンクスっていう主人公のキャラクターを演じてたりするので、特に最近はそういうゲームっぽいというか、まぁザックスナイダーの映画はいかにも ゲームっぽいですし、『アーケイン』も『フォールアウト』とゲームが原作っていうことで、なんかそういったゲームに縁のある作品に出がちですね、最近は。

 

エラ・パーネルって人は、パッと見その明らかにアメリカ人だなって思いますよね。アメリカ南部の感じで、ネバダ州とかにいそうなカントリーガールというか、そういった雰囲気。見た目もそうですけど、話し方とかもなんかそんな雰囲気がちょっとあるんですけど、エラ・パーネル本人は生まれも育ちもロンドンっていう。すごいイギリスのロンドンっ娘なんですよね。っていうの最近それ知ってちょっと驚きましたね。

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マキシマス

2人目の主人公がマキシマス。これはブラザーフッド・オブ・スティール、BOSの人間なんですけども。この人がね、なかなか面白い。あのひねくれた主人公というか、みたいなところがあって。最初はそのかっこいいパワーアーマー着てる人がいるじゃないですか。その人のお付きの人として一緒に冒険をする。冒険というかね、ミッションに参加するんですよね。なので、ちょっと何かいじけてるようなところがあるんですよね。

 

で、そこでそのパワーアーマーの人がある苦境に陥った時にもそいつを見捨てるということをするんですね。ちゃっかりそのパワーアーマーを奪うという。そこはなかなか主人公らしくないというか、なんか小悪党な感じがしますよね。小悪党っていうか、なんかリアルなんですよね。その行動が、動機がすごいちっちゃい。でも、その小ささがなんか面白いですよね。小ささ、リアルさって言った方がいいな。

 

で、パワーアーマーには憧れる気持ちってのはすごいわかる。あれ見ればすごいかっこいいと思うし、でもあれを着るとマッチュな気分になれるだろうみたいなこと、最終話でグールが言ってたりしますけども。本当にね、ゲームやってる時もそうなんですが、パワーアーマー着てるとめっちゃ戦闘力高くなるんで、あれがないと全然ウェイストランドを探検しようという気にもならないほど。本当にパワーアーマー、魅力的なんですけども。なんかわかるんですよね。

 

でもまあ人を見殺しにしてそれを奪うっていうのは 、良いことではないわけです。それをずっとやり続けている、身分を詐称し続けているっていうのに、だから良い人とか悪い人とかそうすっきり割り切れないところがあって。そこが面白いんですけど。

 

最終話で、ネタバレになりますけど、最終話で実は仲間を怪我させた事件、あれは別にマキシマスがやったわけじゃなくて、そいつが自分で勝手にやっただけだということが明らかになるんですよね。でも、マキシマスは最初の頃そういったことをあんまり反論してなくて、罪を被ったんですよね。

 

そこが明らかになるというのが、また、ああじゃあやっぱすごい良いやつなのかもしれないな、っていうのがわかってくるっていうのがね。良いですよね。中盤の話も通じて、ルーシーを助けていくみたいなところがありますから。最初は見殺しですげぇ悪い奴に見せといて、だんだんもしかしたら良いやつかもしれないというのをどんどん見せていくっていうのが面白いですよね。

 

あと、マキシマス、ヴォルトの中にいた時に第6話か7話でボルトの中にいますけども、あのローブ着てるじゃないですか。なんか可愛かったですよね。ああいう風になんというかリラックスしている姿、それを普通に楽しんじゃってるっていうのがああいうシーン、良いなって思いますね。

 

 

グール

3人目の主人公が、グール、というかグールは全体のあれなんで、そのゾンビっぽいやつ全員グールっていうんであれなんですけど、主人公のグールです。ウォルトン・ゴキンスが演じているグールです。ウォトン・ゴギンズ、良い役者ですよね。アンチヒーロー的というか、悪役っぽいのが多いけども、本当に味のある役者さんで。

 

今回も本当にそんな感じで、ほぼ悪役みたいなものなんだけど、でも過去パートの話見てると、そっちは別にそんな悪役って感じでもないっていう。そっち両方演じてるっていうのはね、なかなかさすがだなって思うし、味があるなって思いますね。

 

この人もやっぱり、序盤の行動を見てる限りはすごい悪役だなって見えるけども、やっぱり過去のことを知ると、実は家族のことをすごい色々考えてたりするっていう、そういったことが分かってきて、 あ、良い奴だったんかもしれないみたいな。完全に良い奴ではないかもしれないけど、良いところもある奴なのかもしれないみたいな。 少なくともこう、仁義があるというか、そういった人だなっていうのはあるわけで、なかなかこれもかっこいいキャラクターでしたよね。

 

なので、この3人が全部良いんですよね。 そのルーシーとか、ただ頭が抜けてる脳天気だけじゃないし、もちろんね。マキシマスも、なんかそういう小ずるいだけじゃない。 グールも別にただの悪役ではないみたいな。そういったところをちゃんと描いていってるっていうのが、まず面白い。

 

ウェイストランドの黄金律

でね、面白かったセリフ紹介します。 第3話かな、ルーシーがグールによって湖に水攻めされたりされなかったりするやつね。 それが終わった後に、黄金律、ゴールデンルールっていうのをルーシーは言うんですよ。 このゴールデンルールは、要はキリスト教のゴールデンルールで、英語で言うと、Do unto others as you would have them do unto you。自分にしてきたことを他人にもなさい。そういう聖書の黄金律、ゴールデンルールっていうのがあって。 ただこれをそのまんま、地上の荒れた世界で言っちゃうっていうのが、またルーシーらしい純粋すぎるところだなって思うんですけど。

 

それに対してね、グールが言うんですよね。 ウェイストランドでのゴールデンルールはそうじゃないと。 ウィストランドでのゴールデンルールっていうのは、Thou shalt get sidetracked by bullshit every goddamn time。 ちょっとあまり言い慣れない英単語が多くてあれなんですけど。 訳すと、いつもクソみたいなことに邪魔をされるということを言ってるんですね。Thou shaltってなんかYou shallなんですけども。 聖書の中ではこういう風な昔の英語でこう言ったり言ってるらしいです。 これはそういった方面に興味があれば良いと思うんですが。 あのシーンとかね、良いですね。

 

あと言葉で言えばルーシーのオーキードーキー。 吹き替えでどうなってるかわかんないですけども、吹き替えでも言ってそうだなって言っててほしいな。 少なくとも元はオーキードーキーっていうのが、このルーシーが最初の方で言ってて。 要はオールアイトとオッケーみたいな、わかったよみたいな意味なんですけど。

 

最初はすごい明るい声で言うんですね。オーキードーキーってね。でも徐々にね、例えば2話の最後かな、1話の最後だったか。あの科学者の首を切る時にも、仕方ないなやるしかないな、オーキードーキーって言ってね。 あと最終話でもね、結局父親と決別して、グールについていくという決断をして、仕方ないそうするかということで、オーキードーキーって言うんですよね。 このオキドキのテンションがある意味その時々のルーシーっていうのを表しているわけで。これは見物ですよね。オーキードーキーであらゆる感情を伝えるっていうのが、それもまた面白い。オーキードーキーですよ。

 

 

明かされる謎

じゃあここからもっとバリバリネタバレしていきますね。つまり最終話のあそこらへんの話をしていきます。最終話で明かされるのが、核戦争を起こしたのが誰か、そしてヴォルトの目的とは何だったのか。 ヴォルトっていうのは、ヴォルトテック社が作った製品で、もしも核戦争が起きた時に逃げられるシェルターとして作られたものだったんですが、核シェルターっていうのは核戦争が起きなきゃ意味がないわけですよね。だからそういう危機がないと売れない会社として意味がない。

 

ヴォルトを富裕層向け、富裕層だけが生き残れるようなノアの方舟として作っておいて、他の人類は核戦争で滅ぼしてしまえばいいんだ。そうすればこの世界が独占できるんだというような思想に基づいて、ヴォルトテック社が核戦争を起こしたということになってるんですね。マジで真相が胸糞すぎるんですけども。

 

これの話はドラマ版で新しくできた設定で。このドラマ版は原作と同じくカノンになりますので、 言われたことはそのまんま。今後フォーアウトのゲームが作られるのであれば、この話をベースにしていく可能性もあったりするんですけども、それはともかく。

 

それ以上に僕が面白いと思ったのは、モルディーヴァーの正体およびルーシー・マクレーンの父親の正体、カイル・マクラクランが演じた男の正体みたいなのが面白い。 要は一種のミステリーとしてずっとあったわけじゃないですか。モルディーヴァーがなんでカイル・マクラクランを拉致したのかとかね。あるいはヴォルトというのは一体何のためなのかというのも、中盤から徐々に謎が盛り上がってきて、最終話にバーンと一気に明かされるという、ある種のカタルシスみたいなのがありますよね。

 

ミステリーとして巧いなって思ったのは、今のモルディーヴァーと核戦争前のモルディーヴァーが同じ顔だっていうことが、実は最終話の1個前の第7話で明かされるんですね。同じ顔、さらっと明かされるからあんまり深く考えないんですけども、同じ顔なのは何でだっていうことを、それが一つの伏線となって、最終話では実はそのコールドスリープというのが行われていた。その両親の父親もコールドスリープされてた人間の一人だということが明らかになっていくっていう。 その伏線の張り方、モルディーバーが同じ顔ですよという伏線というのが最終話に生きてくるというのが面白いなって思った。まぁ、母親のグールはなんか唐突に出てきたんで、それはなんかあるだろうなっていう感じで、食卓にいきなり出てきたんでちょっと気にはしましたけど。

 

あと、最終話で会議のシーンがありましたね。『博士の異常な愛情』みたいな会議室で会議をしてるんですけども。そうじゃなくても、ああいう会議室いくらでもありますけども。 そこで「最も強い武器は時間である」というセリフがありますよね。いかにもノーランだなって感じ、しますよね。

 

このドラマを作っているのはジョナサン・ノーラン、リサ・ジョイという方々なんですけども、ジョナサン・ノーランはクリストファー・ノーランの弟さんで、『インターステラー』までの映画の脚本は共同で書いていましたし、 ドラマだと『パーソン・オブ・インタレスト』と『ウエストワールド』も制作しています。ノーランといえば時間、時間ネタがお家芸みたいなところがあるわけですけども、ここで「最も強い武器は時間である」と言わずにはいられなかったんだな、というのが可愛らしいところでもあるわけです。

 

 

資本主義への風刺

ジョナサン・ノーランが前回作ったのが『ウエストワールド』なんですけども、結構似てるんですよね。最終話まで見てみると。構造というかテーマとかっていうのは。すごい資本主義が行き過ぎた結末としての大企業が成すことへの皮肉みたいな。風刺か、皮肉というよりは。風刺、批判みたいなのが最終的にあるっていうが。

 

ちょっと面白いのが『ウエストワールド』の時もそうでしたけど、ものすごい壮大な話をやるんです、ウエストワールド。で今回のフォールアウトもすごい壮大な話をやって。今回のフォールアウトの場合最終的に行き着くのが、「マネジメント」って言葉なんですよね。それがなんか、いきなり現実的な言葉が出てくるっていう。そこのジョナサン・ノーランの感覚。これだけ壮大なSFの話をやってきて、最終的にマネジメントこそが一番大事なんだっていうのを皮肉として言うっていう。それが面白いなと思って。

 

ウエストワールドの時はシーズン2の最終話で、ウエストワールドがなんで作られたのかみたいなことが明かされたりするんですけども。ほぼネタバレですけども、あんまりネタバレじゃないふうに言うと、「 マーケティング」であると。マーケティングっていう言葉が、その言葉自体が出てきたかどうかは忘れましたけど、そういう話にシーズン2の最終話でたどり着くっていうのが、やっぱなんかその資本主義の結末として出来上がった、その巨大企業のそこへの風刺なんですよね。たぶんジョナサン・ノーランというのはそういうところへの意識があるのかなぁなんて思ったりはするんですけども。

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もうちょっと広い視点、海外ドラマ、ハリウッドドラマ全体で見てみると、本当に資本主義への批判風刺みたいなのは、 すごいここ数年トレンドというか盛り上がってきているテーマで、特に『サクセッション』がそうだった、そういう作品だった。資本主義がものすごく行き詰まる極地まで行って、世界的なメディア企業がどれだけ陳腐なものになるかっていうのが、サクセッションというドラマだったわけですよね。

 

あるいは『ビリオンズ』というドラマは、投資ファンドで大金持ちになる男が主人公で、でもその男は別に結構私利私欲のために動くようなところもあるみたいな。そういうのがビリオンズという話だったりするし、あと『セヴェランス』という、これApple TV+のドラマがありますけども、これはすごい管理主義社会みたいな会社、ディストピアみたいな会社で働く人たちで、ブーブー言ってはいるので。そういったところっていうのはまあやっぱり最近の海外ドラマの一つのトレンドとしてはあって。『ウエストワールド』も結局最終的にはそういう話だったりするんですよね。

 

昔の、昔って言っても一昔前ですけど、海外ドラマ、ハリウッドドラマって、別にそんな 資本主義批判とかはなかったと思うんです。会社をテーマにしててもね。代表的なのは『ジ・オフィス』で、ジ・オフィスっていうドラマは、会社員たちの和気あいあいとしたコメディ みたいなものですから。まあ、ああいうものが受けてた時代だし『マッドメン』っていうのもね、同じ時代にヒットしたドラマですけども、あれも会社員たちの 話で、一応なんか合併とかいろいろあるわけですけども、だからといって別に資本主義への風刺だとかそういう方向にはあまり持って行かれてはいなかったんですよね。

 

ってことを考えるとやっぱり『サクセッション』『ビリオンズ』『セヴェランス』、そして今回の『フォールアウト』っていうのは一つの軸、資本主義への風刺みたいなテーマが一つあるんですね。まあそもそもフォールアウトっていうゲームシリーズ自体すごい皮肉っぽいユーモアが散りばめられた作品で。でも別にそこには資本主義へのうんたらどうかっていう話はないんですけど。今回ドラマ版では全体的なシニカルなユーモアっていうのを最終的にはヴォルトテックという資本主義の会社に向けて鋭く、これ以上ないほど鋭い形で突きつけるっていうのがあって。

 

そういう風にやったのが、そういう意味ではゲームとドラマ、テレビドラマの融合ということは、やっぱりそこで成し遂げられているんですよ。ゲーム的なユーモア、その元の原作にあったユーモアも使いながら、でもテレビドラマ的な現代的なテーマに対して切り込んでいくっていうのが。

 

このドラマの構成自体も、前半は結構ルーシーの冒険譚というか、ルーシーがヴォルトから出て地上で冒険をしていくっていう。そこら辺はかなりゲームっぽいというか、ゲームにはないストーリーですけども、こういうゲームの中でいかにもありそうなストーリーだったんですが、そこから後半に向けて ヴォルトが何のためのものだったのかというミステリーに転向していくっていうのが。後半というのは、ゲームよりはむしろそれはドラマの方が向いてるんですよね。こういうミステリーっていうのは、ハリウッドのドラマと非常に相性が良いところでもあるので。特にジョナサン・ノーランが得意としているところでもありますから。『ウエストワールド』でやってたように。

 

そういった方に向かっていくっていうところがスムーズだし、そういう意味でちゃんとゲームの良いところとドラマの良いところ、そこを本当に合わせている。そういったところで成し遂げられているっていうのは、やっぱり今回の作品一番凄いところだし、誰にとっても面白いって思える作品に仕上がっているのはそのおかげだと思います。

 

ということで、シーズン2もあるので、シーズン2ではまさに続きが描かれるということで、これはものすごく楽しみで。ゲームの方のアイコニックなリクーチャーとかって、まだ全然出てきてなくって。例えば、デスクローっていうウェイストランド最強の生物がいるんですけども、こいつはまだ出てきてない。ミニッツメンもインスティチュートも出てきてない。インスティチュートって、別にヴォルトテックのことじゃないですよね。だと思うんで、そこら辺が出てきてない。全然ネタはあると。

 

これはあえてやってることだみたいなことをインタビューで言ってましたけども。別にシーズン1に詰め込むんじゃなくて、シーズン2以降でもそういったアイテムを少しずつ適切なタイミングで出していければ良いなみたいなことを言ってたんで。これから見ていくことはできるのかなと思いますね。

 

『ウエストワールド』は、打ち切られちゃいましたけど。シーズン4で。この調子でシーズン5も作ってほしいなって、ちょっと思ったりしますけどね アマゾンが買い取って、シーズン4まで、シーズン5作ってほしいですけど。できないもんですかね。ということで今回はこのくらいで。

 

 

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