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海外ドラマ『バリー』シーズン3感想|そこに生きる目的はあるのか?

Yep, that’s what I thought you were doing, didn’t want to be rude.

- NoHo Hank, Barry season 3

 

 イラク戦争への従軍経験あり、前職は殺し屋、今は俳優をやっているバリー・バークマンの物語の第3幕は、これまで以上に笑いあり、アクションあり、さらに笑いあり、ドラマあり、もっと笑いあり。海外ドラマ『バリー』シーズン3のネタバレあり感想をまとめていきます。

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基本データ

  • 原題:Barry
  • 放送局:HBO
  • 放送日:2022年4月24日~6月12日
  • 話数:8
  • 脚本・監督:ビル・ヘイダー、アレック・バーグ
  • 主演:ビル・ヘイダー

予告編

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 海外ドラマ『バリー』シーズン1~3はU-NEXTで独占見放題配信中。すでにシーズン4の撮影も始まっています。

 

バリー・バークマンの物語

 バリー・バークマンは、生きる目的を探しています。昔からの友人であるフュークスには、前シーズンで裏切られました。チェチェンとボリビアのギャングは皆殺しにしてしまいました。演技講師ジーン・クジノーは、ジャニス・モス刑事がバリーによって殺されたことをフュークスから聞かされ、それ以来、2人の交流は途絶えています。バリーは、ヒットマンとしても役者としてもメンターを失ってしまいました。

 

 バリーは、適当な殺しの仕事を自分で請け負うなどして日々を過ごしていましたが、生きる目的を見失っているのには変わりありません。そこで、昔の知り合いたちを無理やり引き戻そうとします。この考え方がバリーらしい。もの凄く思考が狭い。殺し屋業はともかく、役者としてのメンターなら、探せば見つかりそうなものです。殺しに関しては、シーズン1の頃にはやめたくて仕方がない様子でしたが、今では殺しをしないと生きていけない人間なんだと開き直っています。

 

 バリーは、ジーン・クジノーのもとに行きます。ジーンがバリーの正体を知っていると分かり、一度はジーンの頭に銃を突きつけましたが、考え直して償いをすることにします。そのために、ジーンを車のトランクに押し込み、ロサンゼルス中を走り回って仕事を探します。無事に役は見つかり、撮影現場ではひと悶着あったものの、結果的にジーンは成功を手に入れ、バリーとの縁をすっかり断ち切ります。

 

 フュークスによるバリーへの復讐計画はまだ終わっていません。フュークスは、バリーの殺しによる遺族たちに声を掛け、バリーを殺すようそそのかします。ある親子は、バリーの家の前まで行ったものの、銃の扱いになれていないために自爆してしまいます。可哀そうに。2人はフュークスとバリーの確執に巻き込まれただけです。

 

 次にバリーを襲う刺客は、モトクロス集団です。建物の屋根にバイクで登って、そこから狙撃するのはヤバいなと思いましたね。そんなのアリ!? ただし『バリー』では、そのような超絶アクションをさらっと扱い、ちょっとした笑いにさえしてしまいます。例えば、駐車場でチェチェン人の園芸店が爆破されたときにしても、もっと近くで撮影すれば迫力は出たと思いますが、あえて遠回しに撮っているので、コミカルな雰囲気さえ出てきます。アクションの使い方が贅沢。

 

 モトクロス集団からも逃れたバリーですが、やっと到着した家でクリス(シーズン1第7話の被害者)の妻に毒を盛られます。泡を吹き倒れてしまいましたが、翌朝にはなんとか起き出して外に出ています。そこで出会ったのは、ライアン(シーズン1第1話の被害者)の父親でした。彼は、バリーを車に乗せてドライブをしますが、ついにバリーを殺すことはできず、病院まで行って自殺してしまいます。バリーの周囲では、いつも人が死にまくります。このことはバリー自身もようやく自覚したようです。

 

 その後、戦争でバリーが命を救ったアルバートに出会います。アルバートは、バリーの正体に気づいていました。そして、バリーに今この瞬間からこんなことは辞めろと助言します。このときのアルバートのStarting now!というセリフは、シーズン1第6話でバリー自身が言っていたセリフと同じです。

 

 普段とは逆に、銃口の向こう側にひざまずかされたバリーは、死にたくないと命乞いをします。皮肉ですよね。これだけ色んな人を平気で殺しておきながら、自分の命だけはどうしても失いたくないそうです。他者への共感性を欠いているバリーは、殺しのターゲットの気持ちになって考えることなどできないのでしょう。

 

 この窮地を脱したバリーは、ジーンに呼ばれて、ジャニス刑事の父親の家の前に行きます。ジャニスの父親がバリーの正体を知っていると聞かされ、バリーは銃を持って家の中へ入っていきます。しかし、それは罠であり、バリーは逮捕されてしまいました。ジーンは、バリーを裏切ったのです。

 

サリー・リードの物語

 サリーは、シーズンを追うごとにどんどん嫌な奴になっていませんか? シーズン3では、自分が脚本・主演を担当するドラマ「ジョプリン」の仕事で忙しくしています。夫からDVを受ける妻とその娘の話だというこのドラマは、サリー自身の物語だと自分では言っています。しかし、実際にはサリーはミズーリ州ジョプリンの出身ではありませんし、娘もいません。

 

 調子に乗っているサリーは、部下をこき使いますし、このドラマのすべての功績は自分のものだと考えています。ハリウッドで成功するためにはガッツが必要だみたいなことも言っていましたし、それをまさに実行しているようです。ただし、バリーに対しては、時々控えめになることがあります。現場にいきなりやってきたバリーに怒られたときには、バリーの機嫌を取ろうと家で待っていました。

 

 そんなサリーの態度に疑問を持ったのが、サリーのドラマに出演しているケイティでした。演じているのは、2018年の映画『エイス・グレード』のエルシー・フィッシャーです。4年も前なので見た目はだいぶ変わっていますが、良い役者だなというのは今回も感じました。

 

 さて、ケイティから「バリーが怖い」と言われたサリーは、バリーと即座に別れる決心をします。その一つの理由は、サリー自身もどこかでバリーを恐れていたからでしょう。もう一つは、ドラマが成功したサリーにとってバリーはもはや不要だったからではないかと思います。俳優仲間としてバリーとは支え合ってきましたが、もういなくたって構わないと判断したのかもしれません。

 

 しかし、サリーのドラマは、その12時間後に打ち切りが決定します。理由は、アルゴリズムがそう決めたからでした。ハリウッドへの皮肉っぽくて、笑っちゃいましたね。評価が高くても打ち切られてしまうドラマは実際に多々あるわけですが、その理由が打ち切りを決めた人にも分からず、アルゴリズムにしか分からないというのです。

 

 サリーは他のドラマの脚本家チームに入ったのですが、その裏で元アシスタントのナタリーが自分のドラマを作っていることを知ります。これにサリーは激怒。エレベーターの中でナタリーに向かって怒鳴りますが、自分勝手でほとんど因縁を付けているだけのトンデモナイ主張でした。このときの様子は録画されており、流出して炎上してしまいます。さすがにサリーにも頭を冷やす時間が必要だと思いましたし、ちょっと安心しました。

 

 ところが、サリーは言い訳動画を上げてさらに事態を悪化させ、しまいにはバリーにナタリーへの復讐を依頼します。バリーはバリーなりにサリーのことを大事にしているので、サリーを悪の道に引き込みたくはありません。ということで断ったのですが、その直後にバリーを殺したい男が乱入。サリーも殺されかけますが、形勢は逆転して、サリーが見事に男をやっつけます。同時に、溜まっていたイライラも発散することができたようです。

 

 強いショックを受けたサリーを、バリーはすぐに介抱します。サリーが男を殴り殺す様子を見たバリーは、サリーがそのまま悪の世界に入り込んでしまうのではないかと心配したのでしょう。これは、すべて自分がやったことだと言い、死体を処理しました。サリーはその後、ジョプリンへ旅立ちます。バリーとサリーは、結局、元の関係に戻ることはありませんでした。

 

ノホ・ハンクの物語

 ノホ・ハンクは、宿敵だったはずのボリビア人のクリストバルと同棲しています! そこがくっつくとは、さすがに予想外でした。とはいえ、ノホ・ハンクがロマンチストであることは想像に難くなく、2人はなかなか熱々のカップル。クリストバルにとっては不倫ですが。

 

 ただし、楽しい日々はそう長く続かず、ボリビアからクリストバルの援軍が来てしまいます。ノホ・ハンクは、バリーに依頼して爆弾を仕掛けます。「これは爆弾です。離れてください」とかなんとか、日本語を喋る爆弾です。この作戦は成功します。

 

 しかし、ボリビアからさらに援軍が来てしまい、チェチェン人たちとクリストバルは拉致されます。それを救いに行ったノホ・ハンクは、礼儀正しさのあまり、吹き矢で拉致されてしまいます。目の前の相手が吹き矢を準備してたら、普通は逃げても良いんですよ。マナー講師はダメですが。

 

 ノホ・ハンクは、壁の向こう側で恐ろしげなことが行われている音を聞き、火事場のバカ力で脱出します。そして、電気椅子の上でゲイの矯正治療を受けていたクリストバルを救出。めでたしめでたし……?

 

まとめ

 コメディとアクションと人間ドラマがこんなにもぐちゃぐちゃにミックスされて面白いドラマは『バリー』以外にありませんよ。観始めたら止まりません。シーズン4は現在撮影中なので、2023年中には観られると期待して良いでしょう。バリーはついに警察に捕まってしまいましたが、この危機を抜け出すことはできるのでしょうか?

 

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