アメリカ時間2023年1月10日に授賞式が行われる予定のゴールデングローブ賞のテレビ部門のノミネート一覧と予想をまとめました。なお、今年からテレビドラマ部門はリミテッドシリーズ部門の助演男優/女優賞が新設されたため、カテゴリー数が11から13に増えています。
*各タイトルの横に現在その作品が配信されている動画配信サービスを記しています。
追記:受賞者・受賞作品は太字で大きく記しています。
作品賞
ドラマ部門
『ベター・コール・ソウル』シーズン6 Netflix
『ザ・クラウン』シーズン5 Netflix
『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン1 U-NEXT
『オザークへようこそ』シーズン4 Netflix
『セヴェランス』シーズン1 Apple TV+
ミュージカル・コメディ部門
『アボット・エレメンタリー』シーズン1 Disney+
『一流シェフのファミリーレストラン』シーズン1 Disney+
『Hacks』シーズン2 未上陸
『マーダーズ・イン・ビルディング』シーズン2 Disney+
『ウェンズデー』シーズン1 Netflix
リミテッドシリーズ部門
『ブラック・バード』Apple TV+
『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』Netflix
『パム&トミー』Disney+
『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』Disney+
『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』シーズン2 U-NEXT
備考:リミテッドシリーズ部門は、正確にはリミテッドシリーズ・アンソロジーシリーズ・テレビ映画部門。リミテッドシリーズは1シーズンで完結するドラマのこと、アンソロジーシリーズはシーズンごとに全く異なる内容になるドラマのことを言う。
主演賞
ドラマ部門
主演男優賞
ジェフ・ブリッジス『ザ・オールドマン~元CIAの葛藤』Disney+
ケビン・コスナー『イエローストーン』配信なし
ディエゴ・ルナ『キャシアン・アンドー』Disney+
ボブ・オデンカーク『ベター・コール・ソウル』Netflix
アダム・スコット『セヴェランス』Apple TV+
主演女優賞
エマ・ダーシー『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』U-NEXT
ローラ・リニー『オザークへようこそ』Netflix
イメルダ・スタウントン『ザ・クラウン』Netflix
ヒラリー・スワンク『アラスカ・デイリー』Disney+
ゼンデイヤ『ユーフォリア/EUPHORIA』U-NEXT
ミュージカル・コメディ部門
主演男優賞
ドナルド・グローバー『アトランタ』Disney+
ビル・ヘイダー『バリー』U-NEXT
スティーヴ・マーティン『マーダーズ・イン・ビルディング』Disney+
マーティン・ショート『マーダーズ・イン・ビルディング』Disney+
ジェレミー・アレン・ホワイト『一流シェフのファミリーレストラン』Disney+
主演女優賞
クインタ・ブランソン『アボット・エレメンタリー』Disney+
ケイリー・クオコ『フライト・アテンダント』U-NEXT
セレーナ・ゴメス『マーダーズ・イン・ビルディング』Disney+
ジェナ・オルテガ『ウェンズデー』Netflix
ジーン・スマート『Hacks』未上陸
リミテッドシリーズ部門
主演男優賞
タロン・エジャトン『ブラック・バード』Apple TV+
コリン・ファース『ザ・ステアケースー偽りだらけの真実ー』U-NEXT
アンドリュー・ガーフィールド『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』Disney+
エヴァン・ピーターズ『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』Netflix
セバスチャン・スタン『パム&トミー』Disney+
主演女優賞
ジェシカ・チャスティン『George and Tammy』未上陸
ジュリア・ガーナー『令嬢アンナの真実』Netflix
リリー・ジェームズ『パム&トミー』Disney+
ジュリア・ロバーツ『ガスリット 陰謀と真実』LIONSGATE+
アマンダ・サイフリッド『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』Disney+
助演賞
コメディ・ドラマ部門
助演男優賞
ジョン・リスゴー『ザ・オールドマン~元CIAの葛藤』Disney+
ジョナサン・プライス『ザ・クラウン』Netflix
ジョン・タトゥーロ『セヴェランス』Apple TV+
タイラー・ジェームズ・ウィリアムズ『アボット・エレメンタリー』Disney+
ヘンリー・ウィンクラー『バリー』U-NEXT
助演女優賞
エリザベス・デビッキ『ザ・クラウン』Netflix
ハンナ・アインビンデル『Hacks』未上陸
ジュリア・ガーナー『オザークへようこそ』Netflix
ジャネル・ジェームズ『アボット・エレメンタリー』Disney+
シェリル・リー・ラルフ『アボット・エレメンタリー』Disney+
リミテッドシリーズ部門
助演男優賞
F・マーレイ・エイブラムス『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』U-NEXT
ドーナル・グリーソン『その患者、シリアルキラー』Disney+
セス・ローゲン『パム&トミー』Disney+
ポール・ウォルター・ハウザー『ブラック・バード』Apple TV+
リチャード・ジェンキンス『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』Netflix
助演女優賞
ジェニファー・クーリッジ『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』U-NEXT
オーブリー・プラザ『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』U-NEXT
クレア・デインズ『Fleishman in Trouble』未上陸
デイジー・エドガー=ジョーンズ『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』Disney+
ニーシー・ナッシュ=ベッツ『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』Netflix
備考:昨年まで、助演賞はドラマもコメディもリミテッドシリーズも一つにまとめられていたが、今年からリミテッドシリーズだけ別カテゴリーになった。
予想
近年の賞レースでは、ドラマ部門で『メディア王~華麗なる一族~』、コメディ部門で『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』が圧倒的な強さを見せていましたが、今年は両者とも不在です。そのため、予想が難しめ。特に、今年のドラマ部門は混戦になりそうな予感がします。
ドラマ部門
ドラマ部門の筆頭候補は、過去に2回の作品賞受賞歴がある『ザ・クラウン』です。演技部門にも計3人がノミネートされています。受賞確実かと思いきや、実は今年はちょっと危うい。今回の対象になっているのは2022年秋に配信されたシーズン5なのですが、これまでと比べるとやや賛否両論の評価を得ています。加えて『ザ・クラウン』は次のシーズン6で完結することが発表されているため、ファイナルシーズンへの期待を込めて今回はスルーする可能性もあるでしょう。
『ベター・コール・ソウル』は視聴者から愛され、評価も非常に高いシリーズなのですが、なぜか賞レースでは弱い。エミー賞では、これまで計46部門にノミネートされ0受賞という驚きの記録を作っています。ゴールデングローブ賞でも、作品賞ノミネートは今回が初めてです。レイ・シーホーンが演技賞にノミネートされていないことも踏まえると、やはり今年も厳しいか。
ということで、私ならApple TV+の新ドラマ『セヴェランス』を受賞最有力候補に挙げます。評価が高いのはもちろん、ゴールデングローブ賞は新ドラマが受賞しやすい(過去20年間で11回)傾向があり、SF要素を含む作品でも受賞することが少なくないので、かなり可能性は高いんじゃないのかなと思います。
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『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は、『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚として素晴らしいスタートを切りましたが、どうなんでしょう。『ベター・コール・ソウル』と同様に、前日譚であることがネックになりそうな気もします。『オザークへようこそ』は、あんなファイナルシーズンでよくノミネートされましたね。
ミュージカル・コメディ部門
前回作品賞を受賞した『Hacks』は、シーズン2でも好調です。主演女優賞のジーン・スマートも強い。こんなに評価が高いドラマなら、私だって早く観たいのですが、未だに日本上陸を果たしていないので見れていません。誰か見せて。
対抗馬も強い。新ドラマ『アボット・エレメンタリー』は、公立小学校の日常をユーモラスに描き、視聴者からも批評からも絶賛されています。クリエイターを務めるクインタ・ブランソンが主演しているという点からも『アボット・エレメンタリー』が作品賞および主演女優賞の最有力候補だと言って良いでしょう。
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ダークホースは『一流シェフのファミリーレストラン』。配信されるや否や話題を呼びました。私自身にとっても大好きなドラマです。ただ、好む人を選びそうな作風ではあるので、万人受けする『アボット・エレメンタリー』の方が有力でしょう。
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『マーダーズ・イン・ビルディング』は、シーズン1で受賞しませんでしたし、シーズン2でわざわざ受賞することもないでしょう。面白いんですけどね。Netflixの『ウェンズデー』は、配信から1ヶ月ちょっとしか経っていませんが、世界的に大ヒットしています。私は未見なので、勝手に言うだけですが、上記3作品ほど強くはない気がします。
リミテッドシリーズ部門
まず言いたいのは『ホワイト・ロータス』がこの部門にあるのはズルい。アンソロジーシリーズとは、前シーズンと全く繋がりがないドラマのことを言いますが、ジェニファー・クーリッジは前回と同じ役で出て、しかも2年連続でノミネートされています。受賞しちゃいそうな雰囲気すらあります。
物議を醸したNetflixの『ダーマー』ですが、かなりたくさんノミネートされていますね。ただし、『ダーマー』が実際に受賞するとしたら、かなり攻めた結果になりますが、今のゴールデングローブにそんなことは出来なさそう。猟奇犯罪ものでもApple TV+の『ブラック・バード』なら安全です。タロン・エジャトンとポール・ウォルター・ハウザーの演技も素晴らしかったですし、特に後者は助演賞を獲りそうです。
『ドロップアウト』は作品賞は獲らないと思いますが、アマンダ・サイフリッドの演技はこの1年間ずっと賞賛されています。ジェシカ・チャスティン、ジュリア・ロバーツら強敵を倒す可能性は高いでしょう。『パム&トミー』は、あぁそうですかということで。
予想まとめ
作品賞
ドラマ部門『セヴェランス』
コメディ部門『アボット・エレメンタリー』
リミテッド部門『ブラック・バード』
主演賞
ドラマ男優賞 ボブ・オデンカーク『ベター・コール・ソウル』
ドラマ女優賞 ゼンデイヤ『ユーフォリア/EUPHORIA』
コメディ男優賞 マーティン・ショート『マーダーズ・イン・ビルディング』
コメディ女優賞 クインタ・ブランソン『アボット・エレメンタリー』
リミテッド男優賞 エヴァン・ピーターズ『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』
リミテッド女優賞 アマンダ・サイフリッド『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』
助演賞
ドラマ・コメディ男優賞 ジョン・タトゥーロ『セヴェランス』
ドラマ・コメディ女優賞 ジャネル・ジェームズ『アボット・エレメンタリー』
リミテッド男優賞 ポール・ウォルター・ハウザー『ブラック・バード』
リミテッド女優賞 ジェニファー・クーリッジ『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』
第80回ゴールデングローブ賞は、アメリカ時間2023年1月10日に授賞式が行われます。