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海外ドラマ『ブレイキング・バッド』感想~私の名はハイゼンベルク~

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My name is Walter Hartwell White. I live at 308 Negra Aroya Lane, Albuquerque, New Mexico, 87104.

- Walter White in Breaking Bad season 1 episode 1

 

 日本でも人気のある海外ドラマ『ブレイキング・バッド』をついに観て参りました。今回は、そのネタバレあり感想です。本編を未見の方はご注意ください。

 

 

 

 

ドラマ『ブレイキング・バッド』基本データ

・原題:Breaking Bad

・放送局:AMC

・放送期間:2008~2013年

・クリエイター:ヴィンス・ギリガン(『X-ファイル』)

・キャスト:ブライアン・クランストン、アーロン・ポール、アンナ・ガン

・あらすじ:

 ガンにより余命宣告をされた高校の化学教師が、家族に遺産を遺すために、昔の教え子とともに麻薬作りを始める。

・予告編:

www.youtube.com

※ドラマ『ブレイキング・バッド』全エピソードは、現在Netflixで配信中。

 

シーズン別感想(ネタバレあり)

 シーズンごとのネタバレ感想です。各シーズンを観終わり次第書いたので、後の展開とは異なることが書いてある場合もありますが、あえて当時の感想としてそのままにしてあります。

 

シーズン1

 ウォルター・ホワイト登場、そしてメスを作り始める。高校の化学教師が麻薬作りを始めるというのは、やっぱり破天荒。化学用語がいくつか出てくるので、自分が高校の時にやった知識もちょくちょく出てくるのが楽しい(自分自身も理系で、化学はそこそこちゃんとやってた)。テルミット反応とか、強酸とケイ素化合物の組み合わせは良くないとかやったなぁ。学校の勉強がどこで生きてくるかはわからない。まさか、麻薬作りをする高校教師のドラマで役に立つとは思いもよらなかった。

 

シーズン2

 ウォルターと妻の関係が悪くなる一方、ジェシーの恋人や弁護士ソウル・グッドマンが登場する。家族のために麻薬作りを始めたのに、家族に疎まれてしまうウォルターの苦悩が描かれます。余命わずかだと思って悪事に手を染め始めたのに、ガンが良くなっちゃうというのは、良いのやら悪いのやら。

 

 ジェシーの恋人が、『ジェシカ・ジョーンズ』のクリステン・リッターなんですね。あまり見かけてこなかったけど可愛いな。現在スピンオフドラマ『ベター・コール・ソウル』で主人公となるソウル・グッドマンが初登場するのもこのシーズン2。CMに出てくる胡散臭い弁護士として登場しながらも、独特のノリでまともなことを言うクセの強いこの男。意外と頼りになるのではないかと私は見ています。

 

 

 

シーズン3

 ガン腫瘍を摘出したウォルターは、ある人物と組んで事業を大きく拡大させていく。ウォルターと組むことになるガス・フリングは、非常に論理的でありながら冷淡な人ですね。ウォルターという独自の麻薬供給源を確保し、メキシコのカルテルを潰すあたりは頭良いなぁなんて思いました。おそらく、ロスポジョスも麻薬の供給ルートの隠れ蓑に使うためのチェーン店だと思うのですが、そこまで先を見通す力がが凄い!それほど頭の良いガスだからこそ、あの地位にいるんでしょうね。

 

 シーズン3では、スカイラーがウォルターの悪だくみに気づいてしまいます。そもそもウォルターの計画は、自分の余命がわずかならばどんな罪を背負っても構わないだろうという考えがあったと思うのですが、これではほとんど本末転倒です。スカイラーに知られてしまっては、ウォルターが死んだ後も罪が残ってしまいます。どうするんだよ~!

 

シーズン4

 化学者のゲイルを殺し、ガスにとって不可欠な存在になったウォルターとジェシーは再びメスを作り始める。しかし、ガスは何とかしてウォルターを殺す機会を狙っており、ウォルターも自分の身を守るためにはガスを殺すしかないことがわかっていた。ウォルターとガスは2人とも非常に頭が良く、この2人の策略合戦がとてつもなく面白い。特に終盤の怒涛のサスペンスからは目が離せませんでした。

 

 中盤のジェシーの苦悩も良かった。まだまだ若いジェシーは自分自身の命のことをあまり深く考えてこなかったかもしれませんが、ゲイルを殺し、目の前でヴィクターが殺されたことで、自分の命も風前の灯火状態であることに気づくんですよね。そのため、今生きているうちやれることはやってしまおうと、ずっとパーティーを開き、金のことは気にも留めません(金があっても死んだら使えないから)。金が欲しくて始めたことであるにも関わらず、金に関して無頓着になってしまうのは皮肉なものです。

 

シーズン5

 ガスを倒したウォルターは、独立してメスの生産していく。しかし、義弟のハンクもハイゼンベルクの正体に近づきつつあった。前半は、新たにビジネスを構築していくウォルターたちの話。こうなってくると、ウォルターは本当に麻薬王のようになってきます。一方で、ジェシーは子供を殺したトッドを絶対に許すことは出来ないので、そういう意味では、まだ良心が残っているようです。

 

 後半は、ハンク vs ウォルターの闘い。騙し騙されの攻防、そして避けることの出来なかった結末まで見応え十分。もはや引き返せないところまで来てしまったウォルターには、数少ない選択肢しか残っていません。そこには「ハンクを生かす」や「家族とともに過ごす」という選択肢は、もはやありません。その中でも、家族にとっての最適解を導き出した第14話「オジマンディアス」の電話のシーンは圧巻。

 

 そして最終話では、これまで「家族のため」と言い続けてきたウォルターが、「自分のため」であったことを初めて告白します。家族のためというのは一つの動機に過ぎず、自らの欲望やプライドのためにここまでの悪事を為してきたことを認めた瞬間でした。

 

勝手にブレイキング・バッド・アワード

 前に『ゲーム・オブ・スローンズ』の感想を書いたときもこんなことやりました。『ブレイキング・バッド』に関しても、私より詳しい人がたくさんいらっしゃるでしょう。そこで、ここでは気楽に「あれが良かったなぁ」と言っていきます。

 

ベストエピソード:シーズン5第14話「オジマンディアス」

 次点:シーズン4第13話「フェイス・オフ」

 次々点:シーズン1第6話「最凶のワル」

ベストキャラクター:ウォルター・ホワイト

 次点:ガス・フリング

 次々点:ソウル・グッドマン

ベストアイテム:ウォルターお手製ハエ叩き

 次点:屋根の上のピザ

バカ:テッド・ベネキー

名言:Tight, tight, tight!

 次点:You're goddamn right.

 次々点:Bitch.

 

 「オジマンディアス」は一般にもの凄く評価が高いですし、実際に観て確かにそうだなと納得しました。シーズン4は、後半3話の盛り上がりが特に凄いのですが、その中でもシーズンファイナルの「フェイス・オフ」。シーズン1の「最凶のワル」は、ウォルターが本物のワルに変貌するエピソード。ここで、悪行に快感を感じてしまったウォルターは、その後の行為もやめられなくなってしまったのかなとも思います。

 

 ベストキャラクターがウォルターなのは当たり前で、次点はガス。狡猾なキャラクターというのが自分は好き。口達者でありながらも、ちょくちょく自分もトラブルに巻き込まれてしまうソウル・グッドマンも好き。

 

 ウォルターお手製ハエ叩きは、シーズン3第10話「かなわぬ最期」で登場したアイテム。金属で作ってあるように見えたので、あれで思いっきり殴られたら痛くてかなわないだろうなと。あと、自分も屋根にピザを投げてみたいよね。

 

 『ブレイキング・バッド』でイライラさせられる人物といえばスカイラーが定番らしいのですが、自分はそれ以上にテッド・ベネキーにイライラさせられました。特にシーズン4のテッドは、バカすぎて辛かった。こういう、何を言っても通じないバカにはストレスが溜まります。

 

 名言部門の栄えある第1位は、シーズン1のラストでブルーメスを吸ったトゥコが放った「Tight, tight, tight!」面白すぎました。 シーズン5第5話「私の名は…」冒頭でウォルターが放つ「Say my name.」と「You goddamn right.」はカッコ良すぎた。もちろんジェシーの「Bitch.」も名言。ジェシーの言い方だと、どっちかというと「Biatch」にも聞こえます。

 

 

 

全体感想

 文句なしの面白さ。特にシーズン4,5の面白さは尋常じゃないですね。緊迫のサスペンス、悪の道にどっぷり浸っていくウォルターの変化が特に見応えがあって面白い。全体を通しても、所々にコメディ要素があったり、音楽や映像がカッコよかったりして、飽きることがない。ソウル・グッドマン、ガス・フリングなど魅力的なキャラクターも、とても良かったです。

 

 加えて、やはり脚本が素晴らしい。何が凄いかというと、普通の男が悪の帝王になるという一見すると荒唐無稽なプロットでありながら、その過程を丁寧に描き切っているところでしょう。最初の時点でのウォルター・ホワイトは、本当に普通の中年男性なのですが、最後には悪の帝王ことハイゼンベルクになるのです。他にも、数々の伏線やシーズンファイナルでの怒涛の展開など、どこを取っても非常にレベルが高い。どのエピソードにも取って付けたような不自然な部分はほとんどなく、ここまで整合性の取れた脚本もなかなかないのではないかと思います。

 

 それに、何と言っても主演のブライアン・クランストンの演技が凄まじい。まさに迫真の演技と言えるもので、観ている者を否応なく惹き付けるものでした。ジェシー役のアーロン・ポールやスカイラー役のアンナ・ガンらも、もちろん素晴らしい。どの役どころも非常に難しいものだったことは想像に難くありません。役者陣の素晴らしい演技あってこそ、映画やドラマといった映像作品は面白くなるのだということもを改めて感じさせられました。

 

 と、この感想記事にジェシーのこと全然書いてないな。『エル・カミーノ』を観たらジェシー・ピンクマンのこともたっぷり語りましょう。とりあえず、今回はここまで。

 

↓どちらも「史上最高のテレビドラマ」と称される『ブレイキング・バッド』と『THE WIRE/ザ・ワイヤー』を徹底比較!

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