個人的に、知られざる面白いドラマNo.1に挙げたいぐらいお気に入りの『エクスパンス~巨獣めざめる~』。というのも、『エクスパンス』って日本だけじゃなくてアメリカでもいまいち知名度が低いそうなんですよね。でも、ドラマ自体のクオリティは凄く高くて、SFドラマとしては抜群の完成度を誇っていると思うんです。そんなわけで、今回は『エクスパンス~巨獣めざめる~』シーズン4のあらすじ&感想です。
これまでのシーズンの感想↓
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『エクスパンス~巨獣めざめる~』シーズン4基本データ
・原題:The Expanse
・製作:Amazon Studio
・配信日:2019年12月13日
・話数:10
・一話あたりの長さ:43~52分
・あらすじ:
リングの向こう側に、新たな移住可能惑星を大量に見つけた人類は、その惑星の調査を始める。そこで、人類は未知の脅威に立ち向かうことになる。
・予告編:
※海外ドラマ『エクスパンス~巨獣めざめる~』シーズン1~4は、現在Amazonプライムビデオで独占配信中。
あらすじ(ネタバレあり)
シーズン3で、人類はリングを越えた向こう側に無数の惑星を見つけた。そこでは、人類が移住できそうな惑星も多く見つかった。しかし、ホールデンのヴィジョンによると、いずれの惑星でも過去にはプロト分子を作ったエイリアンが住んでいたものの、すでに絶滅したとされている。
リングの向こう側は地球・火星・OPI(小惑星に住むベルタ―の組織)の合意により立ち入り禁止とされていた。しかし、ベルタ―たちの中には無許可に立ち入り禁止区域に入る者もおり、惑星イーロスに住みついていた。国連の許可を得てイーロスに向かったRCEの宇宙船は、着陸直前に彼らに攻撃され、多くの犠牲者を出す。
イーロスにプロト分子があると知った国連事務総長のアヴァサララは、ロシナンテ号をイーロスに送る。そこでは、ベルタ―たちとRCEは緊張状態にあった。ある日、RCEのリーダーであるマートリーがベルタ―を撃ったことで、さらに危険な状態になる。
そんな中、イーロスがプロト分子により様々な災害を引き起こす。大地震が起きて、津波が居住地にまで来るとわかった彼らは、全員で過去にエイリアンが建造したと思われる地下の施設に逃れる。しかし、今度は目にイーロス固有の微生物が寄生する感染症が蔓延し、ホールデン以外は失明する。また、地下施設には神経毒を持つナメクジが大量に住みついており、犠牲者が相次ぐ。
しばらくして、ホールデンのガン治療薬が感染症に効くとわかり、全員視力を取り戻す。一方、ホールデンはミラーに促され、さらに地下深くに通じる穴に入っていく。ミラーはプロト分子からの抵抗を何とか阻止し、命と引き換えにイーロスをプロト粒子から守る。
地球では、国連事務総長の選挙が近づいていた。現職のアヴァサララは再選を狙うも、リングの向こう側を積極的に開拓していくべきだと主張するナンシー・ガオに敗れる。
火星に戻り、労働者として働いていたボビー(元ドレーパー軍曹)は、仲間と協力して盗みをするようになる。だが、彼女は徐々に火星が以前の火星とは変わっており、何かがおかしいと気づく。
ボビーは、彼氏から「無数の移住可能惑星が見つかった今、火星をわざわざテラフォーミング(地球化)するようなことはしない。だから、火星の高官たちはOPIと手を組んで、リングの向こう側へ行くときのための準備を進めている」と聞く。
その火星の高官たちが組んでいると目されるOPIのメンバーというのが、ナオミの元恋人であるマルコだ。彼は、いくつものテロ行為を仕掛けていた。マルコを止めようとしたアシュフォードだったが、最後にマルコにより捕らえられエアロックから宇宙空間に放り出される。
感想
①映像がさらに美しく
『エクスパンス』シーズン4は、放送するのがSyfyからAmazonに変わってせいか、これまでのシーズンとは少しだけ変化が見られます。特に、映像。これまでも映像はとても美しかったのですが、シーズン4ではさらに近年のSF映画っぽい雰囲気になっていてカッコ良くなっています。
その一因は、画面がやや暗くなったこともありますが、アスペクト比が変わったこともあるでしょう。シーズン3までのアスペクト比は、通常のテレビドラマと同様に16:9だったのですが、シーズン4からは映画などで使われる2.39:1になりました(現在の映画は2.35:1が主流らしい)。そのため、『エクスパンス』シーズン4を観ていると上下に黒い帯が出てきてしまいます。映画館で観るわけでもないのに、アスペクト比を変える必要があったのかな?なんてことは思いますが、映像がよくなったので良し。
また、シーズン4からAmazonオリジナル作品になったため、4K UHDでも『エクスパンス』を観ることが出来るようになりました。これは素晴らしい。自分は4Kテレビを持っていないので、まだ体感できていないのですが、4Kテレビをお持ちの方はぜひテレビで観てみてください。
②舞台は新地球(ニュー・テラ)に
『エクスパンス』シーズン4のメインの舞台は、リングの向こう側に見つかった惑星の一つ、イーロスになります。どうやら、イーロスの大気や重力は人間が住むのに適しているようです。でも、過去にも固有の生物がいて、プロト分子を開発したエイリアンたちと戦いになり、今はどちらも絶滅したそう。映画『エイリアン:コヴェナント』みたい(原作のある『エクスパンス』の方がアイデアは先なんだと思いますが)。
これまで、ホールデンらはロシナンテ号に乗って、宇宙空間で冒険をすることが多かったのですが、シーズン4では基本的にずっと惑星イーロスにいますよね。なので、空中戦は少なくなりますが、そのぶん人間たちの衝突がより明確になっていますね。
『エクスパンス』では、地球・火星・ベルタ―の3集団に分裂した人間たちが、平和のために共存できるか、そして未知の脅威に協力して立ち向かうことが出来るのかといったテーマが一貫して扱われています。SFというのは、架空の状況を導入して現実の問題を提起するところに、その面白さの一つがあると思っています。その点で、『エクスパンス』はSFとして満点!
③理系視点でも面白い!
自分が『エクスパンス』を好きなもう一つの理由が、科学的にそれなりの正しさが保障されているというのがあります。プロト分子に関しては、物理法則を変えることができるという特徴があるので例外ですが、それ以外の点については大体正しいように思います。
特に、重力ネタは頻繁に出てきますよね。SF作品で、『エクスパンス』ほど重力に気を配っているものは少ないでしょう。シーズン4でも、小惑星帯出身のナオミがイーロスの重力に苦労するという描写があります。小惑星は、地球と比べると重力がはるかに小さいですから、そこで生まれ育った人は惑星の重力に耐えられるほど丈夫な骨や筋肉がないと考えられます。
理系的にもう一つ面白いなと思ったのが、新地球が無数に見つかったことにより、火星がもういらなくなるという主張です。火星に人類が住むためには、火星をテラフォーミング(地球化)する必要があります。ですが、地球そっくりの惑星があるなら、わざわざテラフォーミングをする必要もないので、そっちに移住することになるでしょう。この主張はとても妥当なもので、なるほど!と思わされました。
まとめ
以上、Amazonドラマ『エクスパンス』シーズン4のあらすじと感想を書いてきました。シーズン4もこれまで同様とても面白かったですし、今後の展開も期待できるものでした。シーズン5以降も、ぜひとも見続けていきたいと思います。
↓シーズン4は『秘密情報部トーチウッド』のオーウェンが出てたね。