I just ... hate ... space!
- Miller in The Expanse season 2
『ランペイジ 巨獣大乱闘』とお間違えになった方には、申し訳ありませんw『エクスパンス~巨獣めざめる~』には巨獣は登場しません。大乱闘もしません。でも、本格SFドラマとして超絶に面白いです。なお、この記事は『エクスパンス~巨獣めざめる~』シーズン1のネタバレを含みます。
『エクスパンス~巨獣めざめる~』シーズン2基本データ
・原題:The Expanse
・放送局:SyFy
・放送日:2017年2月1日~4月19日
・話数:13
・一話あたりの長さ:43分
・あらすじ:
物語はシーズン1のエロス脱出直後から始まる。生物兵器「プロト分子」の謎を巡り、ホールデンらは旅を続ける。
・予告編:
シーズン1は序章に過ぎない
シーズン2は、シーズン1と比べると、かなりストーリーがわかりやすくなった印象です。SFという性質上、シーズン1では世界観の説明が必要なため、少し難しく感じたというのはあるかもしれません。加えて、シーズン1ではホールデン、ミラー、アヴァサララの3つの視点で別々のストーリーが展開したのですが、シーズン2ではそれらのストーリーが一緒に進んでいくというのもポイントです。
シーズン1はその後の物語の序章に過ぎなかったといっても良いでしょう。シーズンで世界観やキャラクターを把握した後、シーズン2から本格的に物語が動き出していきます。特に、国連副次官のアヴァサララが関わる政治方面の話は、シーズン2からやっと意味がわかってきます。
巨獣?の正体(ネタバレ)
巨獣……じゃないですね。プロト分子で生み出された怪物を「巨獣」と言いたいのかもしれませんが、獣じゃないからなぁ。このサブタイトルは海外ドラマの邦題の中でも特に酷い。
ただ、プロト分子自体は魅力的な怪物です。シーズン2では、どうやらプロト分子は太陽系外からやってきた未知の生命体であるらしいということが明らかになります。プロト分子は、放射線をエサにしており、人間に寄生します。その力は凄まじく、小惑星エロスを動かすほどです。
このプロト分子は、なんでもアリという感じもありますが、それだけにどうなるか怖ろしいところです。シーズン2終盤では、子供たちにプロト分子を寄生させて殺人兵器にしていましたから、かなり闇が深そうです。
ビジュアルもパワーアップ(ネタバレ)
『エクスパンス』の一番の売りが、その圧巻の映像だと思うのですが、シーズン2でもそんな映像を生かしたシーンが多数見られます。第2話のステーション急襲攻撃やガニメデ上空での戦闘は、さすがのクオリティ。特に、第5話のミラーとジュリー・マオのシーンはとても美しかったですね。物語上の感動もあって、この第5話はシーズン2のベスト・エピソードなのではないかと思います。
シーズン後半のプロト分子による怪物のビジュアルも良い。最終話で、怪物が核爆弾のボールを追いかけて、宇宙空間に飛んでいくところは、怪物なのに子供らしさもあって印象的でした。プロト分子にはもっと色んなことができそうなので、今後も期待したいところです。
『エクスパンス』シーズン2感想まとめ
全体的に、エンターテインメント性が上がったように感じた『エクスパンス』シーズン2でした。SFは、哲学性かエンターテインメント性のどちらでも掘り下げることが出来るのですが、『エクスパンス』はエンタメ性をさらに高める感じなのかな?
別に、エンタメ性を追うことは悪いことじゃなくって、むしろ良いことです。なにしろ、『エクスパンス』では非常にハイレベルな映像を見ることができるので、こちらを最大限生かした展開の方が面白いです。
そうは言っても、ストーリーを置き去りにしているというわけではありません。アヴァサララを中心とする、政治的な駆け引きがシーズン2の一つの見所にもなっています。火星軍のドレーパーが、戦闘ではなく政治の方で活躍しているのも面白いところですね。
そんな風に『エクスパンス』シーズン2は、全体的にシーズン1からパワーアップしています。でも、まだまだプロト分子についてはわからないことだらけです。こりゃシーズン3も観ないとな(笑)