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- Torchwood
ドクター・フー』シリーズ1~7を観たので、今度はスピンオフドラマ『秘密情報部トーチウッド』を観始めました。今回は、イギリスの大人気SFドラマ『ドクター・フー』のスピンオフドラマ『秘密情報部トーチウッド』シーズン1の紹介・解説&感想をしていきます。
『秘密情報部トーチウッド』シーズン1基本データ
・原題:Torchwood
・放送局:BBC
・放送日:2006年10月22日~2007年1月1日
・話数:13
・一話あたりの長さ:50分
・あらすじ:
女性警察官のグウェン・クーパーは、謎の組織「トーチウッド」の存在を知る。彼らの正体を知るためにグウェンは調査を続ける。
・予告編:
『秘密情報部トーチウッド』とは
ドラマ『秘密情報部トーチウッド』は、『ドクター・フー』のスピンオフに当たる作品になります。『ドクター・フー』には、しばしばキャプテン・ジャック・ハークネスというハンサムな男が登場するのですが、『トーチウッド』は彼が率いるトーチウッドという組織をメインにしたドラマです。
たまに『ドクター・フー』への言及もあるのですが、特に『ドクター・フー』を観ていなくても支障はないでしょう。ただ、一応『トーチウッド』シーズン1は『ドクター・フー』シリーズ2と3の間に放送されたので、キャプテン・ジャックも色々経験した後ではあります(詳しくはネタバレになるので言いません)。
『秘密情報部トーチウッド』が『ドクター・フー』と決定的に異なるのが、大人向けである点です。『ドクター・フー』は元々子供向け番組だったという由来もあるため、全年齢の人が楽しめるように配慮されています。しかし、『トーチウッド』にその配慮はないので、ラブシーンやヴァイオレンス描写もあります。HBOやAMCといった米ケーブル局ほどではないですけどね。
シーズン1各話解説&感想(ネタバレあり)
第1話「すべては変わる」
謎の組織トーチウッドが、殺人現場にやってきたことから幕を開ける第1話。この段階では、トーチウッドはかなり怖い印象を与えますね。最終的に、殺人事件の犯人は、エイリアンでなく、人間だったことが明らかになりますが、その動機はなかなか常人には理解できないものでした。このエピソードで、キャプテン・ジャックはどうやら不死身らしいことが明らかになります。
第2話「新メンバー」
新しくトーチウッドに参加したグウェンでしたが、最初から大きなミスをしてしまい、セックスを求めて地球にやってきた寄生型エイリアンが放たれてしまいます。設定がエロ系のB級SF映画みたいですが、きちんと寄生された女性のことが考えられているのはちゃんとしている証。
第3話「亡霊たちの街」
過去や未来を見ることが出来る装置を巡る物語。この装置を持っていると、タイムロードと同様の能力を得ることができますが、それには重荷も伴うこともこのエピソードでは示されています。それは、タイムロードであるドクターについても例外ではないでしょう。
第4話「戦いの傷跡」
ここまで、いるのかいないのかわからないぐらいだったイアントに、今回は焦点が当たります。実は、彼女の恋人リサは、カナリー・ワーフの戦いで体の6割がサイバーマンに変えられてしまっていました。カナリー・ワーフの戦いとは、『ドクター・フー』シリーズ2最終話で行われた、人類対サイバーマンらによる戦いです。イアントの痛いほどの切なさが印象的でした。
第5話「妖精の森」
キャプテン・ジャックの過去と妖精伝説を扱ったエピソードです。妖精は、花びらを口に詰めたりすることで人を窒息死させるのですが、これが結構怖い。最終的に、ジャックは恋人を救うこともできず、選ばれし子供もさらわれてしまいます。かなり苦い展開のエピソードになっています。
第6話「恐ろしき村」
怖い怖い怖い怖い怖い。そして、グロい。まだ観てないけど『ミッドサマー』とかもこんな感じなのでしょうか。犯人がエイリアンのときよりも人間のときの方が理解不能で怖い。
第7話「ピロクテテスからの贈り物」
トシコが主人公のエピソードです。人の心が読めるペンダントが登場して、トシコはそれを使って人々の心を読みます。すると、皆スケベなことしか考えてしないんですよね。さすがに、そんなわけはないだろ(笑)
第8話「スージーの思惑」
第1話で死亡したはずのスージーが復活。トーチウッドは、生前にスージーが仕組んでいた罠にはまっていたのです。スージーはグウェンの方がずっと優秀だと言っていましたが、これほどの計画を立てられるスージーの方が優秀だと私は思いますよ。
第9話「エイリアンの目玉」
エイリアンの目玉を持つ青年が車に轢かれる話。ただ、それが実際にエイリアンのものなのかどうかは、このエピソードだけではわかりません。本物のエイリアンの目玉をずっと持っていたのか、それともただのプラスチック玉を大事にしていただけなのかと考えると面白くなってきます。
第10話「過去からの訪問者」
突然、1950年代から3人の男女がやってきます。この3人が、結構すんなりと状況を飲み込むのが意外。キャプテン・ジャックが自分の思いを初めて吐露するエピソードでもありました。
第11話「闘志」
これまでも何度か登場してきたウィーヴィルというエイリアンが、謎の人物に捕らわれます。その捕らえた目的は、ウィーヴィルと人間をファイトクラブで戦わせるためでした。ウィーヴィルを捕まえていた男もそうですが、やさぐれ気味なオーウェンと自己中なグウェンも、なかなかクズなところあるのでは?
第12話「キャプテン・ジャック・ハークネス」
キャプテン・ジャック・ハークネスとトシコは、突如1941年にタイムスリップしてしまいます。そこで、ジャックは本物のキャプテン・ジャック・ハークネスに出会います。『ドクター・フー』にしても『トーチウッド』にしても、タイムトラベルが絡んでくる話の方が断然面白くて、これもそう。キャプテン・ジャックのことも徐々に明らかになってきました。
第13話「世界の終わり」
前話でオーウェンが時空の裂け目を開いてしまったため、過去や未来のものが続々とやってきてしまいます。そして、ジャックは無限の命を差し出して怪物から世界を救うことにします。まあ、死なないんですけどね。 このエピソードの最後でジャックはターディスに乗り、このことが『ドクター・フー』シリーズ3第11話に繋がることになります。
『秘密情報部トーチウッド』シーズン1感想
ということで、『秘密情報部トーチウッド』シーズン1を観てきました。ファンがそれなりに多い作品であるのは知っているのですが、ここは正直に言いましょう。自分はあまりトーチウッドにハマれませんでした。
そう思ってしまった一番の理由が、登場人物のことが誰一人として好きになれなかったことにあります。主人公のグウェンはオーウェンと浮気をし、オーウェンはトシコに対する当たりがキツイし、トシコは何を考えているのかよくわかりません。イアントは良い奴かもしれなませんが、存在感が薄い。そもそもトーチウッドという組織がブラックすぎて苦手なんですよね。
ただ、キャプテン・ジャックの話は全体的に面白いです。第5話「妖精の森」、第10話「過去からの訪問者」、第12話「キャプテン・ジャック・ハークネス」がそうですね。この3話は、ジャックの不死身性やタイムトラベルが絡んでいたりして面白いです。個人的には、第12話が一番好き。
『トーチウッド』シーズン1には、確かに面白いエピソードもあります。しかし、キャラクターが全然好きになれないのがキツい。いくつかレビューを見た様子だと、同じように思っている人も少なくないようです。ですが、シーズン2からはそこが解消されて面白くなってくるとのコメントもあります。でも、自分はしばらくトーチウッドから離れることになるかな。