事件捜査ものは、海外ドラマの定番ジャンルです。『クリミナル・マインド』『NCIS』『CSI』『LAW & ORDER』等々、挙げ始めたらキリがありません。また、ゾンビものも、近年は非常に人気があります。『ウォーキング・デッド』がスピンオフも含めて、世界的なヒットをしています。
それなら、この2つの人気ジャンルを合体させてしまえば良いではないか、とどこかの誰かが考え始めました。それは、コミックとして出版され、ついにはドラマになりました。今回は、海外ドラマ『iゾンビ』シーズン1全13話のネタバレあり感想です。
海外ドラマ『iゾンビ』シーズン1基本データ
・原題:iZombie
・放送局:The CW
・放送年:2015年
・話数:13
・原作:Chris Roberson & Michael Allred『iZombie』
・主演:ローズ・マクアイヴァー
・予告編:
海外ドラマ『iゾンビ』全5シーズンはNetflixで見放題配信中。
シーズン1全話感想(ネタバレあり)
第1話「すべての始まり」
ゾンビガール誕生!とんでもない災難に襲われ、青白い肌になって髪も真っ白になってしまいました。しかし、家族や友人はリヴの異変に気付いていません!毎日会っている人がいきなり死人のような顔色になっていたら心配ぐらいするんじゃないかと思いますが、そこを認めないと話が進みません。ファッションスタイルとしてはクールだと思いますよ。体温もクールすぎるのですが……。
第2話「脳ミソを分けてくれ」
画家の脳を食べたことで、絵の才能に目覚めるリヴ。ゾンビにはなりたくありませんが、その能力には憧れます。スティーヴ・ジョブズの脳を食べれば、プレゼンがめちゃくちゃ上手くなって、リチャード・ファインマンの脳を食べれば、物理学の天才になれます。
第3話「消された殺し屋」
リヴの昔の友人が、ゾンビになって朽ちていました。相棒が襲われてしまったので、リヴはフルゾンビモードを発動し、友人ゾンビを殺します。朽ち果てたゾンビなので感情は残っていなさそうに見えましたが、そうは言っても元は自分の友人。知り合いがゾンビになったときにすぐに殺すことが出来るのか、というのはゾンビ作品の永遠のテーマです。
第4話「クライヴの過去」
刑事のクライヴが過去に関わっていた、中国系ギャングの事件に巻き込まれるリヴ。アジア系ならばもちろん全員カンフーが出来ますから、その脳ミソを食べた彼女だってカンフーが出来るようになります。カンフーがなくても、フルゾンビモードを発動すれば勝てそうではありますが。
第5話「スカイダイバーの死」
この世界には意外とゾンビが多いのかもしれません。リヴは、事件関係者の中にいたイケメンゾンビと交際を始めます。激辛ソースから始まる恋愛とは、さぞかしホットな関係になりそうではないですか。
第6話「仮想現実の代償」
リヴは、生前から腐ったような性格だったネット廃人の腐った脳ミソを食べます。サブストーリーとして、ブレインが脳ミソ料理の宅配ビジネスで稼ぐ話がしばらく描かれています。殺害したばかりの人間から切り出した内蔵を使って料理をしているなんて、ハンニバル・レクター博士なら大喜びですよ。
第7話「母性本能をくすぐられて」
そういえば警部?もゾンビでした。意外とゾンビが多いこの世界。もしかして、全員ゾンビでした!というエンディングもあり!? 『猿の惑星』みたいだ。
第8話「オンエア中の殺人」
Great Morning SexのラジオDJが殺されてしまいました。ゾンビはセックスが出来ないものだと思っていたんですが、出来るんですね。『ウォーム・ボディーズ』のゾンビはセックスをしてそうで、してなかったんだったかな? 忘れてしまった。ゾンビの性生活が気になります。
第9話「兵士の傷跡」
ブレインが、子供たちを殺して、その脳をゾンビたちに売っていたことが明らかになります。子供たちの脳を食べるなんてのは人間の論理からすれば言語道断のむごい行為ですが、人間だって子羊の肉は食べますからね。ゾンビは、人間を殺して食べることでしか生きられませんし。ゾンビの論理としては、そんなに残酷な行動でもないと思います。
第10話「危険なエネルギー飲料」
前話のラストで、リヴの彼氏がブレインに殺されてしまいました。しかし、事件は自殺という方向性で解決されようとしています。リヴからすれば、殺人事件として捜査されてブレインが逮捕されてほしいのですが、ゾンビが犯人であることが判明したら何が起こるか分かりません。もし、ゾンビが刑務所に行ったら……?と考えると、地獄が見えてきます。囚人が全員ゾンビになってしまうかもしれません。ここは一旦、自殺として処理しておいて、ブレインはリヴの私刑で片づけるしかないでしょう。
第11話「ゾンビ御用達の精肉店」
華氏63度、摂氏17度の涼しい日が続いています。リブは、ムカつく話し方をする気象予報士とともに捜査を進めています。リヴがゾンビであることを告げられた元カレのメイジャーは、まさに頭に雷が落ちたような衝撃を受けています。ところが、実は2人ともドラッグ中毒者の脳ミソがリヴに見せた幻覚だったと判明。雷は、視聴者の頭に落ちてきました。
第12話「死んだラットと蘇った男」
第13話「ブレインの世界」
かつてリヴが船上で殺したはずの男がゾンビとなって復活!陸に上がったらすぐに車に轢かれてしまいましたが、お返しにチアリーダーの女子を殺害。その後も、車に乗っていたバンドのメンバーはどんどん殺されていきました。でも、その犯人はゾンビではありません。バンドの生き残りのメンバーでした。
リヴの元カレのメイジャーは、ついにブレインのもとに乗り込むも、冷凍庫に閉じこめられてしまいます。が、機転を利かせて脱出し、大型の拳銃を持ってゾンビたちを殺しに戻ってきます。あんなに屈強そうにみえたブレインの部下たちも、メイジャーの銃には一発で倒れてしまいます。しかし、メイジャーもブレインから一発食らい、瀕死の重傷に。リヴは、彼をゾンビにすることで救おうとします。
でも、世の中には(文字通り)死んでもゾンビにはなりたくない人がいます。メイジャーもその一人でした。リヴは、一つだけ残っていたゾンビを人間に戻す特効薬を彼に使ってしまうのでした。12話の最後には、リヴの正体がルームメイトにもバレてしまいます。リヴの今後はどうなってしまうのでしょう?
まとめ
『iゾンビ』のメッセージは『ゾンビランド』に近いものがあります。大変な状況だけど、すぐに好転しないならば、とりあえず今を楽しんでもいいんじゃない、と。ジェシー・アイゼンバーグが言っていました。彼は、ゾンビを殺す側の人間だったのですが。
ゾンビにとっても、同じことが言えます。一生ゾンビのままなのか、いずれ人間に戻れるのかわからない。でも、今の生活を楽しんでみたって良いよね、と。死んでいるにも関わらず、生きている頃とほとんど同じことが出来るなら、それはもの凄い幸運ですから。第二の人生を楽しんでみたって良いではありませんか。
もちろん、生きている人間が第一の人生を楽しんだって良いんですよ。たとえ、世界が未曾有のパンデミックに襲われているとしても。日常の中にも小さな楽しみはあるはずです。
|