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海外ドラマ『ヴェロニカ・マーズ』シーズン1感想

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Earth to Mars.

- Veronica Mars season 1 

 

 『ヴェロニカ・マーズ』は以前から観たいと思っていました。先月アマプラの見放題対象にやってきたので、念願かなってついに見始めました。各エピソードごとネタバレありで感想を書いています。そのため、その後の展開に合わないことを書いているかもしれませんが、それも含めて観たときの感想なので、そのままにしています。

追記:2021年12月現在、Amazonプライムビデオでの見放題配信は終了しています。

 

 

 

『ヴェロニカ・マーズ』シーズン1基本データ

・原題:Veronica Mars

・放送局:The CW

・放送日:2008年7月7日~12月1日

・話数:22

・一話あたりの長さ:42分

・主演:クリステン・ベル

・あらすじ:

 富裕層と労働階層の人々が住むネプチューンの街で、ヴェロニカ・マーズは高校生探偵として様々な事件に挑む。

・予告編:

www.youtube.com

 

各話感想(ネタバレあり) 

第1話「高校生探偵ヴェロニカ」

 ヴェロニカ・マーズ初登場エピソードです。第1話なので、説明が多いのはどうしても仕方ないですかね。ネプチューン高校はなかなかに闇が深そうな雰囲気がします。ここから、ヴェロニカがどういった活躍をするのか楽しみに見ていきたいところです。

 

第2話「クレジットカード詐欺事件」

 第2話にして、扱っている事件が渋い!この調子で学校の生徒ばかりが逮捕されたら、ネプチューン高校やっていけないんじゃないかを勝手に心配し始めています笑

 

第3話「ジョン・スミスを探して」

 ジョン・スミスというあまりにもありきたりな名前の男を探す無理ゲーに挑む。トリックは衝撃で、切れ味も良い。好きなエピソード。『マトリックス リローデット』のステマをしてるね(笑)

 

第4話「詐欺師をやっつけろ!」

 序盤でさらっと流しちゃったけど、売れない役者がドッキリ番組だと思って詐欺をしちゃう話が面白い。ここの話を広げるだけでも映画かドラマが作れそう。フェルマーの最終定理とポワンカレ予想は対立する仮説じゃないから、どっちを支持するとかいう話ではないとは思った(どうでも良い笑)。

 

第5話「追跡!消えた車」

 ヴェロニカの新しい彼氏が、今回のエピソードで退場です。まだ数話しか出ていないのに、なかなか大胆な展開ですね。

 

第6話「ハイスクール選挙騒動」

 ダンカン・ケインがなりたくもないのに生徒会長になっちゃう話です。これまでは、ただの嫌な奴だったローガンにも暗い面があることが明らかになります。それにしても、ポイントが高い人はデリバリーを頼めるって、なかなか独特な制度ですね。

 

第7話「サラの日記」

 ヴェロニカの隣人のサラが失踪してしまいます。このサラを演じているのが、なんとジェシカ・チャスティンなのです。まだ駆け出しだった頃の彼女が見られるエピソードです。この中で車をポールに突き刺すというイタズラが登場するのですが、どうやってやったんでしょう?

 

 第8話「ピュアテストで大混乱」

 高校生って、こういう心理テストみたいなもの好きですよね。今回のエピソードでは、ヴェロニカのお父ちゃんが脅しをやって人助けをしています。見た目は優しいんですが、やるときはやる父ちゃんです。

 

第9話「彼の居場所」

 ヴェロニカがカルト集団に潜入。そしたら、なんと純粋に平和を求める集団でした。たぶん、実際にこういうパターンもあるんでしょうね。カルト集団というと悪役の典型みたいなものというイメージがありますが、そうではない例を示した点が斬新です。ヴェロニカの父親を巡る話も面白い。

 

第10話「キースの復活」

 ヴェロニカのお父ちゃんキースが保安官とともに少女殺害事件に挑む話。直接には殺害現場などが出てこないものの、題材としては珍しくハードな刑事ものを扱っています。一方で、ヴェロニカは友人の出生の秘密を知ることになります。

 

 第11話「消えた5000ドル」

 ポーカーをしている最中に密室から消えた5000ドルを巡る話。いかにもミステリーの謎に挑むが、トリック自体はそれほど大したことはない。第9話あたりから、一話あたりに占めるリリー殺害事件捜査へかける時間に短くなって見やすくなった。ラストが衝撃。

 

第12話「トリトンズを追え」

 偽造ID作成の容疑を掛けられたヴェロニカ。この高校には、個人的な恨みのあるなしに関わらず、とりあえずヴェロニカに罪をなすりつける文化があるようです。その背景には、秘密結社が!と思いきや!という話。秘密結社のトリックはベタと言えばベタだけど、ちゃんとミステリーっぽさがあって良かった。

 

第13話「誘拐事件と苦い過去」

 どんどんミステリー的な面白さが増していってるのが良い。ヴェロニカの「We used to be friends a long time ago.」からオープニング曲の「We Used to Be Friends」に入るのが粋。

 

第14話「キースVSキース」

 世界史の先生のセクハラ疑惑にまつわる事件。二転三転する展開が面白い。真相がヴェロニカの思った通りではないところも良い。名探偵ならば、最初から事件の全体像が見えているはずだが、ヴェロニカはどの事件においても多少の先入観があったりするので、状況を見誤ることが多い。

 

第15話「運命の男」

 依頼人の元カレを探し、友人のメグの隠れファンを探し、ローガンの母親を探す話。やっぱりローガンのお母ちゃんはいないかぁ。

 

第16話「マスコット救出作戦」

 ネプチューン高校のオウムが盗まれます。アメリカの高校って、学校対抗戦の前には、絶対にそれぞれイタズラを仕掛けるイメージがありますよね。オウムを盗むぐらいなら、まだ可愛いものです。HBOの『バイス・プリンシパルズ』というドラマを観てみなさい。本当にゲスいイタズラとはこういうものです。

 

第17話「奨学金獲得レース」

 ちょっとむかつく優等生が嫌がらせに遭っているというので、ヴェロニカは調査に当たります。一方で、リリー事件の捜査に遂にお父ちゃんも参加。いよいよ真相に近づくか?

 

第18話「学園爆破予告」

 ネプチューン高校に爆破予告が来ます。その背景には過去のイジメがあり、それは解決されず…。まあ、残念ながらそういうものですよね。そして、ローガンとなの!?

 

第19話「犬泥棒を追え」

 ネプチューンの街で懸賞金目的の犬泥棒が横行。でもさ、100ドルのためにわざわざ犬泥棒をするものかねぇ?

 

第20話「最後の切り札」

 友人の彼氏が別れたらエロ動画をアップするぞと脅してきたので、ヴェロニカが救済に入ります。でも、問題の動画は流出してしまいます。なんかローガンが、ここに来てどんどん良い奴になってる。

 

第21話「明かされた真相」

 パーティーでヴェロニカがレイプされたときの真相が明らかになります。その結果、あのパーティーに参加していた人のほとんどがクズだったとわかりました。

 

第22話「秘密の隠し場所」

 ついにリリー殺害事件が解決されます。簡単に整理すると、リリーはアーロン・エコールスと性行為に及んでおり、それがバレたら困ることになるアーロンはリリーを殺します。その後、リリーの死体を見つけたダンカンは、一時的な発作により記憶を失います。そのため、両親はダンカンが殺したものと思い込み、隠蔽工作を図りました。このプロットはミステリーとしてもよく出来ていて、とても面白かったです。

 

 

名探偵ではないヴェロニカ

 第11話の感想でも少し書きましたが、『ヴェロニカ・マーズ』の面白さはヴェロニカが名探偵ではないところにあると思っています。小説でもドラマでも、主人公の探偵は名探偵です。大抵の場合、探偵だけは物語が6割ぐらい進んだぐらいのところで犯人が大体わかっていることが多いです。探偵が間違えるとしても、それは犯人が仕掛けた罠だったりするわけで、名探偵であるがゆえのミスであることもあります。

 

 一方、ヴェロニカ・マーズは名探偵ではありません。思考レベルは視聴者とさほど変わらず、間違った推理をよくしています。それは、ヴェロニカ自身の思い込みであったり、早とちりであることもあります。これって、完全に「ワトソン役」(ミステリー作品において名探偵の相棒的な立場の人)のすることなんですよね。

 

 ただ、視聴者(読者)は往々にして、名探偵よりもワトソンの方に親近感を抱きます。超人的な思考や能力を持つ名探偵より、私たちの視点に近いワトソンに親しみを感じるのはある意味当然なのかもしれません。

 

 『ヴェロニカ・マーズ』が画期的なのは、このワトソンを主役に据え、名探偵を登場させなかったことかもしれません。これにより、ヴェロニカがネプチューン高校随一の嫌われ者であるのに反し、視聴者はヴェロニカのことがどんどん好きになってしまいます。

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