海外ドラマパンチ

海外ドラマ最新情報・紹介・感想

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

エミー賞2023受賞結果一覧&完全解説

 2023年のエミー賞の結果が発表されました。アメリカのテレビ界で最も重要な賞であるエミー賞は、今一番面白い海外ドラマを知る一つの指標になります。本来は、毎年9月に授賞式が行われますが、2023年は脚本家組合と俳優組合のストライキがあったため延期になり、2024年1月15日に授賞式が行われました。

 

 この記事では、2022年6月~2023年5月の作品を対象とする第75回エミー賞の受賞結果を一覧で紹介します。なお、ノミネート一覧は以下の記事からご覧になれます。

関連記事:エミー賞2023ノミネート一覧&徹底予想|主要22部門全部予想します! - 海外ドラマパンチ

 

↓ ポッドキャストでも受賞結果や授賞式の感想を配信中!各ポッドキャスト配信サービスやYouTubeで聴けます。

 

 

 

エミー賞2023の概要

 エミー賞は、毎年アメリカのテレビジョン・アカデミーが開催している授賞式です。今回で節目の第75回を迎えます。エミー賞には、デイタイム・エミー賞などいくつかの種類がありますが、通常エミー賞と言ったらプライムタイム・エミー賞のことを言います。プライムタイム・エミー賞は、1年間で最も優れたテレビドラマを決める賞であり、ドラマを対象にした賞の中では最も権威があります。

関連記事:歴代エミー賞受賞ドラマ一覧&どの動画配信サービスで観れる? - 海外ドラマパンチ

 

 2023年のエミー賞の対象となるのは、2022年6月1日~2023年5月31日までにアメリカで放送・配信されたアメリカの番組です。授賞式は、現地時間9月18日に行われる予定でしたが、現在行われている全米脚本家組合(WGA)のストライキにより延期されて2024年1月15日に行われました。日本では、U-NEXTを独占生中継をしました(見逃し配信あり)。

 

 

ドラマ部門

作品賞

『メディア王~華麗なる一族~』シーズン4 U-NEXT

主演男優賞

キーラン・カルキン『メディア王~華麗なる一族~』U-NEXT

主演女優賞

サラ・スヌーク『メディア王~華麗なる一族~』U-NEXT

助演男優賞

マシュー・マクファディン『メディア王~華麗なる一族~』U-NEXT

助演女優賞

ジェニファー・クーリッジ『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』U-NEXT

脚本賞

ジェシー・アームストリング『メディア王~華麗なる一族~』U-NEXT

監督賞

マーク・マイロッド『メディア王~華麗なる一族~』U-NEXT

ゲスト男優賞

ニック・オファーマン『THE LAST OF US』U-NEXT

ゲスト女優賞

ストーム・リード『THE LAST OF US』U-NEXT

 

 

コメディ部門

作品賞

『一流シェフのファミリーレストラン』シーズン1 Disney+

主演男優賞

ジェレミー・アレン・ホワイト『一流シェフのファミリーレストラン』Disney+

主演女優賞

クインタ・ブランソン『アボット・エレメンタリー』Disney+

助演男優賞

エボン・モス=バクラック『一流シェフのファミリーレストラン』Disney+

助演女優賞

アイオウ・エディバリー『一流シェフのファミリーレストラン』Disney+

脚本賞

クリストファー・ストアラー『一流シェフのファミリーレストラン』Disney+

監督賞

クリストファー・ストアラー『一流シェフのファミリーレストラン』Disney+

ゲスト男優賞

サム・リチャードソン『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』Apple TV+

ゲスト女優賞

ジュディス・ライト『ポーカー・フェイス』U-NEXTで配信予定

 

 

リミテッドシリーズ部門

作品賞

『BEEF/ビーフ』Netflix

主演男優賞

スティーヴン・ユアン『BEEF/ビーフ』Netflix

主演女優賞

アリ・ウォン『BEEF/ビーフ』Netflix

助演男優賞

ポール・ウォルター・ハウザー『ブラック・バード』Apple TV+

助演女優賞

ニーシー・ナッシュ=ベッツ『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』Netflix

脚本賞

イ・ソンジン『BEEF/ビーフ』Netflix

監督賞

イ・ソンジン『BEEF/ビーフ』Netflix

 

 

その他(一部抜粋)

作品賞(トークショー)

『The Daily Show with Trevor Noah』未上陸

作品賞(脚本のあるバラエティ番組)

『Last Week Tonight with John Oliver』公式YouTubeで一部視聴可能

*作品賞と脚本賞を8年連続受賞中

作品賞(コンペティション番組)

『ル・ポールのドラァグレース』Netflix

作品賞(特番)

『エルトン・ジョン・ライヴ:Farewell from Dodger Stadium』Disney+

*これでエルトン・ジョンは、エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞のすべてを獲得するEGOTを達成。

作品賞(テレビ映画)

『Weird: The Al Yankovic Story』未上陸

作品賞(アニメ)

『ザ・シンプソンズ』Disney+

作品賞(構成のあるリアリティ番組)

『クィア・アイ』シーズン7 Netflix

作品賞(構成のないリアリティ番組)

『レクサムへようこそ』シーズン1 Disney+

Disney+で配信中の『レクサムへようこそ』は、俳優のライアン・レイノルズとロブ・マケルヘニーが買収したウェールズのサッカーチーム「レクサムFC」を描いた番組。

作品賞(ドキュメンタリーシリーズ)

『1619プロジェクト アメリカ奴隷制度の歴史』Disney+

作品賞(ドキュメンタリー映画)

『STILL: マイケル・J・フォックス ストーリー』Apple TV+

作品賞(ショートドラマ)

『ティム・ロビンソンのコントシリーズ』Netflix

作品賞(ショートリアリティ番組)

『Succession: Controlling the Narrative』YouTubeで視聴可能

ドラマ『メディア王~華麗なる一族~』の舞台裏を語るこの番組で、主演のジェレミー・ストロングはシーズン4第3話の某展開について「ドラマツルギー的に納得できた」と述べた。この“ドラマツルギー的に”(dramaturgically)という単語が難解すぎて、SNS上でバズった。

最優秀声優賞

マヤ・ルドルフ『ビッグ・マウス』Netflix

最優秀ナレーター賞

バラク・オバマ『ワーキング 〜社会を創る、"働く"の景色〜』Netflix

*バラク・オバマは昨年も同部門を受賞

最優秀タイトルデザイン賞

『THE LAST OF US』U-NEXT

youtu.be

最優秀作曲賞(ドラマ)

『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』U-NEXT

最優秀歌曲賞

『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』"A Beautiful Game"(Vo. エド・シーラン)Apple TV+

youtu.be

最優秀テーマ曲賞

『ウェンズデー』Netflix

youtu.be

最優秀VFX賞(シーズン)

『THE LAST OF US』U-NEXT

最優秀スタントコーディネート賞(コメディ)

『バリー』U-NEXT

最優秀スタントコーディネート賞(ドラマ)

『ザ・ボーイズ』Amazon

最優秀スタントパフォーマンス賞

『マンダロリアン』S3E8「チャプター24:帰還」Disney+

 

感想

 2024年1月15日にピーコック・シアターで行われた第75回エミー賞授賞式。ホストを務めたのは、ドラマ『ブラッキッシュ』に主演した俳優兼コメディアンのアンソニー・アンダーソン。記念すべき第75回ということで、過去の人気ドラマの出演者たちが集まったり、番組を模したセットが多く登場したりしました。

 

 受賞結果は、先週行われたゴールデングローブ賞とほとんど同じ。特に『メディア王~華麗なる一族~』の圧勝は誰もが予想していたことであり、予想外の展開はあまりありませんでした。

関連記事:ゴールデングローブ賞2024【テレビドラマ部門】受賞結果一覧 - 海外ドラマパンチ

 

 ドラマ部門で作品賞を含む6部門受賞(作品、主演男優、主演女優、助演男優、脚本、監督)を果たした『メディア王』こと『サクセッション』。これまでも2回作品賞を受賞しており、今回がファイナルシーズンでした。結果は明白だったとは言え、最有力候補と言われながら受賞を逃し続けたキーラン・カルキンとサラ・スヌークにとっては初の受賞。おめでとうございます。

 

 コメディ部門で10部門(作品、主演男優、助演男優、助演女優、脚本、監督、キャスティング、映像編集、音響編集、サウンドミキシング)を受賞した『一流シェフのファミリーレストラン』こと『The Bear』。あまりにもシリアスな内容ゆえにコメディ部門ではないと巷では言われ続けていますが、作品としては申し分ない傑作で、最多受賞も納得です。

 

 リミテッドシリーズ部門は、Netflixの『BEEF/ビーフ』が8部門(作品、主演男優、主演女優、脚本、監督、キャスティング、衣装、編集)を受賞して圧倒しました。アジア系のキャストと製作陣が中心となった作品であり、昨年のアカデミー賞の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に続き、新時代らしい快挙となりました。ちなみに、どちらもA24製作の作品でもあります。

 

 最多受賞は『The Bear』の10部門。次に、8部門受賞でリミテッドシリーズ部門を圧倒した『BEEF/ビーフ』と、技術系部門で強かった『THE LAST OF US』が続きます。放送局別では『サクセッション』および『THE LAST OF US』『ホワイト・ロータス』を擁するHBOが31部門受賞でトップ。Netflixの22部門、FXの16部門が続きます。

 

 なお、『ベター・コール・ソウル』は今年がラストチャンスでしたが、ついに受賞することは叶いませんでした。7年間で計53ノミネートを果たしたものの、技術系部門を含めて受賞はゼロ。だからといって、この作品が素晴らしいことに変わりはないのですが、何かしらの形で評価してほしかったですね。

 

 そういえば、私は昨年8月の時点で主要22部門の受賞予想をしていました。そのうち当たったのは14部門。『The Bear』と『BEEF/ビーフ』の評価の高さを当時は十分に把握できなかったのが悔しいですね。今回の結果により、次回のエミー賞では、コメディ部門で『The Bear』が無双することが決まったのですが、ドラマ部門はポスト『サクセッション』の時代が訪れるため予想が難しくなります。また頑張ります。

関連記事:エミー賞2023ノミネート一覧&徹底予想|主要22部門全部予想します! - 海外ドラマパンチ

 

 授賞式のハイライトは、ドラマ部門の主演男優賞を受賞したキーラン・カルキンにブライアン・コックスが熱い抱擁とキスを交わすシーン。そして、コメディ部門作品賞を受賞した『The Bear』の受賞スピーチで、エボン・モス=バクラックがマティ・マシソンに濃厚なキスをするシーン。授賞式でしか見られないものですね。

 

psbr.hatenablog.com

psbr.hatenablog.com

psbr.hatenablog.com