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『バビロン・ベルリン』シーズン1感想~怪しさと華やかさが織りなす世界へ~

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 近年のテレビドラマは驚くほどにクオリティが上がってきているのですが、それはアメリカだけの話ではありませんでした。ドイツ製のドラマ『バビロン・ベルリン』には、完膚なきまでに圧倒されます。名作はドイツにありました。

 

 

『バビロン・ベルリン』シーズン1基本データ

・原題:Babylon Berlin

・放送局:Sky 1, Das Erste

・放送日:2017年10月13日~11月3日

・話数:8

・キャスト:フォルカー・ブルッフ、リヴ・リサ・フリース、レオニー・ベネシュ

・予告編みたいなもの: 

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↑第2話のこのミュージカル場面めっちゃ好き。怪しさと華やかさが入り交じった雰囲気が面白い。歌も良くて、ちょっと『スター・トレック』のテーマ曲っぽさを感じるから、エンドロールで流れると凄く気分が上がる。

 

↓シーズン1のネタバレあらすじ&キーワード解説

『バビロン・ベルリン』シーズン1ネタバレあらすじ【復習用】 - 海外ドラマパンチ

 

ドイツ風俗の描写がリアル 

 『バビロン・ベルリン』には、たくさんの見所があります。暗い場面だけではなく、ダンスシーンや水浴の場面もあります。緩急のバランスが良いので、常に飽きずに観ていくことが出来ます。

 

 そんなきらびやかな場面だけでなく、汚い場面もたくさん映ります。第1話からして、ポルノ撮影の現場から始まっています。他にも、性風俗の場面や、シャルロッテの非常に貧しい暮らしも描かれます。

 

 つまるところ、汚い部分を映すとグッと現実感が増すと思うのです。私たちは、日常生活においてはできるだけ汚い面は隠し、綺麗な面だけを見せようと努めています。しかし、実際には誰もが汚い部分を持ちます。汚い部分をきちんと映す作品は、たとえ私たちが全く知らない世界でも入り込むことが出来ます。

 

 例えば、『THE WIRE/ザ・ワイヤー』はその代表例に挙げられます。『THE WIRE』には、薬物中毒者や貧困層の生活など、言ってしまえば"汚い”描写が数多くあります。でも、これらのおかげで、『THE WIRE』の舞台となるボルティモアの街は、私たちの世界と変わらないのだと理解できます。

関連記事:なぜ『THE WIRE/ザ・ワイヤー』は史上最高のテレビドラマと言われるのか? - 海外ドラマパンチ

 

 今回の『バビロン・ベルリン』についても、私は1920年代のドイツのことなど全く知りませんでした。それでも、性風俗やゴミだらけの街角などが次々と映しだされるにつけ、当時のドイツの空気や臭いがじわじわと伝わってきました。

 

戦後、そして戦前

 『バビロン・ベルリン』シーズン1の舞台は、1929年のドイツ・ベルリンです。この年は、第一次大戦が終わってから10年後になります。そして、第二次大戦のきっかけとなるポーランド侵攻の10年前です。このドラマを観ていると、当時のドイツ社会がどれほど不安定な状態であったかを窺うことが出来ます。

 

 ドラマの中の描写から、当時のドイツでは社会主義運動がかなり活発であったことがわかります。私は、この運動が後のナチ党(国家社会主義ドイツ労働党)の興隆に繋がるのかなと思っていたのですが、調べてみたら歴史的には違うのかも……?私自身、世界史には疎いので、『バビロン・ベルリン』を観ながら学ばせて頂きたいと思います。

 

 それでも、ゲレオンが第一次大戦従事者であったり、退役軍人たちが戦争のことを誇らしげに話しているのも見ると、胸騒ぎがしてきてしまいます。事実として、この後に第二次大戦が起こることを、私たちは知っています。そこに至る過程を観ていけるのは、とても興味深い体験です。それも、敗戦国であるドイツの視点なので、なおさらです。

 

まとめ

 正直に言うと、私は『バビロン・ベルリン』シーズン1の話の内容は60%ぐらいしか理解できていないと思います。ドイツ人の名前に全然慣れていないですし、ストーリーも当時の社会情勢が盛り込まれていて、難しい。

 

 でも、私はこのドラマが大好きになってしまいました。これまで全く知らなかった1930年前後のドイツについて、当時の風俗も交えて知ることが出来るのですから。そして、その怪しさあふれる雰囲気にも、完全に心を持っていかれました。否応なしに続きが楽しみになってきます。

 

 現在、ドイツではシーズン3までが放送され、シーズン4への更新も決まっています。今後も楽しみ。

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