ドイツの名物といえば、ビール、ソーセージ、BMW、メルセデス・ベンツ……、だけではありません。ドラマも面白いんです。生真面目と言われるドイツの国民性からか、脚本がよく練られ、映像にも凝った素晴らしい作品がいくつかあります。今回は、ドイツで制作されたおすすめ海外ドラマ3本を紹介します。
『ダーク』
あらすじ
ドイツのある田舎町で、少年少女の失踪事件が相次いで起こっていた。これらの事件をきっかけに、4つの家族の3世代に渡る秘密が徐々に明らかになっていくSFミステリー。
ポイント
『ダーク』は、アメリカの批評サイトRotten Tomatoesの視聴者投票で、最も面白いNetflixオリジナルドラマに選ばれたこともある人気の作品です。ストーリーがかなり入り組んでいるので、登場人物などをメモしながら観ていくと、理解が深まって面白さ倍増。最終的に全3シーズンで完結するミステリーはあまりにも壮大で、とてつもなく緻密に組み立てられたストーリーには圧倒されます。
それだけでなく、映像やファッション、音楽のセンスも光っています。毎エピソードの終盤には、曲に合わせてストーリーが展開する場面があるのですが、これがどれも素晴らしい。とてもエモーショナルな気分になります。シーズン3にもなると、毎回感極まってしまいました。
配信:Netflix
『バビロン・ベルリン』
あらすじ
1930年頃、ベルリンに赴任してきた刑事のゲレオン・ラートは、好奇心旺盛なシャルロッテ・リッターとともに事件を捜査していく。そのうちに2人は、ドイツの政界を巻き込む壮大な陰謀に巻き込まれていく。
ポイント
ドイツのテレビドラマ史上最高の制作費で作られた『バビロン・ベルリン』は、1930年頃のドイツを完璧に再現した歴史サスペンスです。2つの世界大戦の間のこの時期、ドイツでは芸術運動がとても盛んでした。例えば、『カリガリ博士』や『メトロポリス』といった画期的な映画は、1920年代のドイツで制作されました。
『バビロン・ベルリン』は、そんな時代のベルリンの空気をたっぷり感じさせてくれます。怪しくも煌びやかな芸術や社交場の雰囲気は、一度知ってしまうと病みつきになる魅力があります。また、この時期のドイツはちょうどナチス・ドイツが台頭してくるぐらいの時期であり、ドラマではそのような政治面の背景も描かれています。
ストーリーはやや複雑ですが、雰囲気をまずは十分に味わってほしいです。1930年代のドイツのことをほとんど知らなくても問題ありません。私も知りませんでしたが、『バビロン・ベルリン』にはドハマりしましたし、それからドイツのこの時代について色々調べてみたりするようになりました。
配信:Hulu, U-NEXT
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『ビリオンダラー・コード』
あらすじ
現代社会において欠かせない重要ツールになっているグーグルアース。しかし、その裏には、誰にも知られることのない真の開発者がいた。グーグルアースよりも先に全地球地理システム「テラビジョン」を開発したART+COMの物語と、その後のグーグルとの特許裁判の行方が描かれる。実話を基にした全4話のリミテッドシリーズ。
ポイント
このドラマには、グーグルで検索しても知ることのできない歴史が描かれています。ドラマの前半は、大学生や地下ハッカーのような若者たちが「テラビジョン」のアイデアを実現しようと奮闘する物語です。1990年代のドイツの若者文化も描きながら、新製品が成功するか失敗するかの展開にハラハラさせられます。
後半は、その15年後ぐらいに行われたグーグルとの裁判の模様を描いています。グーグルによってアイデアを盗まれたという彼らの主張は、果たして裁判では認められるのか。こちらもスリリングな展開から目が離せません。
Netflixでは『ビリオンダラー・コード:制作の舞台裏』というドキュメンタリー番組も配信されており、こちらでは実際のART+COMの関係者の発言を聞くことができます。ドラマを観た後は、こちらも必見です。
配信:Netflix
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まとめ
以上、ドイツ製作の海外ドラマ『ダーク』『バビロン・ベルリン』『ビリオンダラー・コード』を紹介してきました。いずれもダークな雰囲気で大人向けの作品になっています。かなり見応えがありますし、その分とても面白いです。おすすめです。