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ドラマ『バビロン・ベルリン』シーズン3感想:ナチス前夜に突入

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 『バビロン・ベルリン』シーズン3は、1929年になります。徐々にナチス・ドイツの影が見え始めます。また、1929年といえば世界経済に大きな変化が起こる年でもあります。そんな時代背景の中で、ゲレオンとシャルロッテは映画撮影所で起きた謎の殺人事件に挑む。

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『バビロン・ベルリン』シーズン3ネタバレ感想

①戦間期のドイツ文化

 シーズン3のメインとなるのが、映画撮影所で起こった女優殺人事件。映画の撮影中に、上から投光器が落ちてきて、主演女優が殺されてしまいます。この事件には、どうやら怪人が関わっているそうで……、というのがまた怪しさを加速させます。ミステリーとして、舞台設定は満点です。

 

 映画やドラマが好きな自分としては、この時代の映画撮影現場を見られるのは、とても面白かったです。当時のドイツは、経済的には不安定なところもありましたが、文化的には最も栄えていた時代とも言われています。映画もその一つでした。少し調べたところ、この時代のドイツでは、『カリガリ博士』や『メトロポリス』といった革新的な映画が作られており、文化的には世界の最先端を行っていたようです。

 

 ドラマの中で描かれていた撮影風景は、煌びやかな衣装に身を包み、舞台演劇をさらに発展させたような形で行われていたのが印象的でした。撮影はトラブル続きでしたが、最終的に機械文明を取り入れていたりして、あの映画は面白そうだなと思ったんですけどね。最後の新聞批評みたいなところでは、あまりよく言われてなかったのかな?

 

②ナチス前夜

 戦間期のドイツを描くならば、ナチス・ドイツの興隆はぜひとも描いてほしいものです。ナチスがどのように人々の支持を集め、ユダヤ人虐殺のような悲劇を起こしたのかは、歴史的に非常に重要です。自分も知りたいし、多くの人が知るべきことでしょう。どうやら『バビロン・ベルリン』は、このテーマを真正面からじっくり扱ってくれそうです。

 

 1929年のドイツでは、まだヒトラーは大物政治家とは見られていませんでした。そのため、シーズン3でも、まだその姿を見せることはありません。しかし、ゲレオンの甥のモーリツは、ヒトラー・ユーゲントに参戦し、『我が闘争』を配るなどしています。徐々にナチスが広まっていく様子が伺えます。

 

 シーズン3では、世界恐慌が起き、ドイツ経済も大混乱に陥ります。おそらく、この頃からナチスは勢力を増していくのだと思うので、特に注視していきたいところです。アルフレッド・ニッセンは、この株価大暴落を予言し、莫大な利益を上げることに成功しました。銀行に諭されて一般投資家になった者たちは大損をし、ニッセンのような以前から富める者がさらに利益を得るという構造は、残酷です。

 

③ミステリーとして

 『バビロン・ベルリン』シーズン3は、シーズン2までの陰謀のような大きな物語ではなく、映画撮影現場で起きた殺人事件をメインに進んでいきます。元々の事件自体は、とてもシンプルだったのですが、記録課の男が事件をかき回したために、難事件になっていました。

 

 この記録課の男というのが、なかなかぶっ飛んだ人でした。そもそも、このような行動に及んだ動機が、記録課が全く重要視されていないことだというのです。講義室で、無人の席に向かって滔々と話をする様子は、映画『キング・オブ・コメディ』のルパーート・パプキンを思わせたりもします。

 

 ミステリーとしては、この記録課(今なら鑑識課かな)というのは盲点です。推理小説にしろ刑事ドラマにしろ、鑑識課の言うことは無条件に信じてしまいますから。例外は、鑑識官が殺人鬼のドラマ『デクスター』ぐらい。そこに目を付けたのは、面白かったです。

 

④グレータ!!!

 グレータ!グレータ!!シーズン2で彼氏で共和党員のフリッツに騙され、ベンダ長官とその娘を爆殺してしまったグレータは、逮捕されて裁判にかけられています。フリッツは共和党員のフリをしていただけで、実はナチス党員だったことをグレータは証言していたのですが、娘を使って脅されたため、発言を撤回しています。

 

 どうやら国務長官のヴェントが裏で手を回しているようで、フリッツも彼の手下だったようです。殺されてしまいましたが。グレータは、共和党員に不利な発言をしたため、同じ刑務所にいた共和党員の元女医(シーズン1にも出てきたあの人)に締め上げられます。ですが、事情を知ってもらうと、徐々に関係を改善していきます。良い人じゃん。

 

 娘のために、爆殺の責任をすべて自分で被ったグレータは、死刑を宣告されます。またしても、ヴェントが小細工をしていたようで、死刑は異例に早く行われます。シャルロッテが阻止しようとするも、妨害に合い、あえなくグレータは命を落としてしまいます。グレータ!!!

 

 『バビロン・ベルリン』は、登場人物が死ぬかどうかが本当にわからない。シーズン2で池に沈められたロッテは復活している一方、グレータはあと一歩のところで死んでしまいます。シーズン1で主要人物だったブルーノ・ヴォルターは死亡、スウェトラーナは一瞬死んだと見せかけて生きています。

 

 ゲレオンの兄のアンノーは、消息不明だったためシュミット博士をアンノーだとゲレオンは思ってしまうのですが、後にアンノーは正式に戦死が確認されています。主要人物であっても、ギリギリまで生死がわからないというのは、スリリングな展開を一層手に汗握るものにしています。

 

シーズン4について

 『バビロン・ベルリン』は、シーズン4に更新されています。撮影は2021年9月には終わっており、2022年中には放送されるのではないかと言われています。日本では、シーズン3は本国での放送の約1年後にBS12で放送されたので、同じようであるならばシーズン4が日本で観られるようになるのは2023年になる可能性が高いです。

 

↓シーズン4について唯一公開されている場面写真

 
 
 
 
 
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まとめ

 『バビロン・ベルリン』は、掛け値なしに現代の最も面白いドラマに数えられて良いと思います。シーズン3では、ナチスの影が大きくなり始め、次シーズンでは世界恐慌後のドイツが描かれることになります。ついに、第二次大戦に向かって動き出していくベルリンの今後に、目が離せません。

 

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