マーベルのヒーローにホークアイという者がいます。アベンジャーズの一員であるにも関わらず、映画では存在感が薄めなのですが、2021年11月からは念願(?)の単独ドラマシリーズが公開されます。その原作の一つが、『ホークアイ:マイ・ライフ・アズ・ウェポン』です。
マット・フラクションが原作を手掛け、デヴィッド・アジャが画を担当したこのシリーズは、数あるアメコミの中でも高い評価を受けている一作です。今回は、ドラマ化でも注目が集まる原作コミック『ホークアイ:マイ・ライフ・アズ・ア・ウェポン』の紹介です。
『ホークアイ:マイ・ライフ・アズ・ウェポン』とは?
ホークアイことクリント・バートンは、マーベルコミックに登場する弓の名手です。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)では、ジェレミー・レナーが彼を演じています。これまでホークアイの単独主演実写作品はありませんでしたが、2021年11月からDisney+でホークアイのドラマが配信されます。
『ホークアイ:マイ・ライフ・アズ・ウェポン』(原題 Hawkeye: My Life As a Weapon)は、2012~2015年に刊行されたホークアイのシリーズ(全22話)の単行本第1巻です。収録されているのはシリーズの第1~5話と、『ヤング・アベンジャーズ・プレゼンツ』第6話です。
内容は、アベンジャーズの一員であるクリント・バートンと、その弟子であるケイト・ビショップの物語。第6話は、2人の出会いが描かれます。ケイトは、ヤング・アベンジャーズの一員で、ホークアイを襲名する人です。名義上は、クリントもケイトもホークアイということになります。
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あらすじ
第1話
安アパートで暮らすクリントは、家賃が値上げされて困るという住人の声を受け、大家のギャングに挑む。
第2話
クリントとケイトは、かつてクリントと同じ師に学んだ奇術師と戦う。
第3話
クリントとケイトは、矢の種類が多すぎて見分けが付かないのでラベル付けをしなければいけないと思っていた。そんな折、クリントはギャングに襲われる。
第4, 5話
他のアベンジャーズのメンバー同様、人殺しをしたことがないと言われていたクリントだが、彼が人を殺している場面を映したテープが流出。クリントは、取り返しに向かう。
第6話
ヤング・アベンジャーズの一員のケイトは、死んだと思われていたクリント・バートン(別名ローニン)と出会う。
感想
アメコミはこれまでも何冊か読んだことがありますが、マーベルのものはこれが初。ホークアイというキャラクターは、MCUですでに知っていましたが、彼の単独作はなかったため、背景とかはよく知りませんでした。
アメコミのヒーローと言えば、多くはスーパーパワーを持っているのですが、ホークアイにはスーパーパワーはありません。普通の弓の名手です。個人的に、スーパーパワーを持たないヒーローの方が好きなんですよね。現実感があるので。
このコミックに出てくるホークアイの敵たちもスーパーパワーは持ちません。半分ぐらいがギャングで、残りの半分が奇人です。良いですね。第1話なんか、家賃を不当に上げたギャングにかちこみに行く話なので、まさに”あなたの親愛なる隣人”のような立ち位置でしょうか。
ケイトは第2話から登場。一応、弟子ではあるのですが、上下関係みたいなものではないですね。戦闘では、むしろケイトがクリントを助けることに方が多いくらいです。相棒と言う方が良いかもしれません。
このコミックが面白いのは、そのアメコミらしからぬアートにあるのかもしれません。アメコミといって想像されるのは、ゴリゴリのテカテカの力強い画です。第6話の『ヤング・アベンジャーズ・プレゼンツ』はそんな感じでした。
一方、デヴィッド・アジャが画を担当した第1~3話は、線の少ないシンプルなアートです。紫や褐色などエピソードごとに統一された色合いは、カラフルなアメコミ世界の中でも、独自の個性を放ってます。
なお、デヴィッド・アジャはこの『ホークアイ』のシリーズにより、”コミック界のアカデミー賞”ことアイズナー賞のBest Cover Artistを3回受賞しています。
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ホークアイと言えば、アベンジャーズの一員なので、他のメンバーも少しだけ顔をのぞかせることがあります。第4, 5話にはキャプテン・アメリカが出てきて、第6話はゲームをしているだけのスパイダーマンが出てきます。とは言っても、アベンジャーズ側の話を知らなくても内容理解には問題ないくらいです。
ドラマ『ホークアイ』がこれと同じ内容なのか全く異なることをやるのか知りませんが、ケイト・ビショップをヘイリー・スタインフェルドが演じるというのは期待したいですね。ヘイリーといえば映画『トゥルー・グリッド』の頃から、年上の大人たちにバシバシ言っていく骨のある女性を演じてきましたから。楽しみ!
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コミック『ホークアイ:マイ・ライフ・アズ・ウェポン』は、邦訳版も発売されています。英語で良ければ、税込650円のKindle版があるので、これが一番安いものになると思います。
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