Disney+(ディズニープラス)で配信中の映画『スターガール』は、他の青春映画とは一味違う独特な雰囲気を持った作品です。主演は、歌手としてアメリカでは人気のあるグレース・ヴァンダーウォール。今回は、映画『スターガール』および続編の『ハリウッド・スターガール』の感想を書いていきます。
映画『スターガール』『ハリウッド・スターガール』は、ディズニープラスで配信中。月額料金は990円(税込)、年間プランなら9,900円(税込)です。
グレース・ヴァンダーウォールとは?
映画『スターガール』および続編の『ハリウッド・スターガール』で主人公のスターガールを演じるのは、現在18歳のグレース・ヴァンダーウォール。その独自の歌唱力で全米No.1に輝いたこともある彼女のプロフィールを簡単に紹介します。
グレース・ヴァンダーウォールは、2004年1月15日にカンザス州のカンザスシティ近くのレネックサという町に生まれました。歌い始めたのは3歳のとき。11歳のときには、誕生日にもらったお金でウクレレを買い、練習を始めました。同時に、学校のマーチングバンドではサクソフォンを演奏していました。
2016年にはNBCの人気オーディション番組「アメリカズ・ゴッド・タレント」第11シーズンに出場します。ここで、ウクレレ演奏によるオリジナル曲 I Don't Know My Name などを披露して優勝しました。当時12歳でした。
この動画は「アメリカズ・ゴット・タレント」の予選の様子です。彼女のパフォーマンスに感動した審査員は、シーズンで一回しか使用できない「ゴールデン・ブザー」というものを押します。このブザーを押された候補者は、予選から一気に準決勝に進むことができます。
その後、2016年にはアルバム Just the Beginning をリリースするなど、歌手活動をメインに活動しています。2020年には『スターガール』で映画初出演にして主演に抜擢されます。グレース・ヴァンダーウォールは、もともと歌手ではなく役者になりたかったと語っており、『スターガール』の主人公のウクレレを弾く少女というのは、まさに彼女にピッタリの役でした。2022年の続編『ハリウッド・スターガール』でも、再びスターガールを演じています。
映画『スターガール』
- 原題:Stargirl
- 配信:Disney+(ディズニープラス)
- 公開日:2020年3月13日(アメリカ)、同年6月11日(日本)
- 上映時間:107分
- 原作:ジェリー・スピネリ『スターガール』
- 監督:ジュリア・ハート
- 共演:グラハム・ヴァーチャー、ジャンカルロ・エスポジート
予告編
あらすじ
平凡な高校生活を送っていたリオ・ブロックは、ある日、スターガールと名乗る不思議な少女と出会う。スターガールは、高校のアメフトの試合でウクレレを演奏し、負け続きだったチームは勝利する。それ以降、何事も良い方に導くスターガールは、幸運の存在として生徒たちからチヤホヤされるようになった。リオとスターガールは付き合い始め、すべては順調かに見えた。しかし、スターガールの良いと思ってやったことが、実は人を傷つけていることもあった。
感想(ネタバレ)
まず雰囲気が良い。ノスタルジックというか、とらえどころのないふんわりとした記憶の中にありそうな理想の高校生活を見せてくれます。キラキラしすぎていくて、どこか夢のような雰囲気がスターガールのオーラにもマッチしています。最後は、スターガールは現実にいたのか曖昧な感じで終わりますが、そこまで含めて良いなぁと思いました。
ただ、扱われている話が意外とシビアだったりします。スターガールは、最初の頃は幸運の女神のような存在としてもてはやされますが、アメフトの試合で怪我をした敵チームの選手を助けたことで、生徒たちから白い目で見られるようになります。怪我したら、敵味方関係なく助けても良くない!? と思ったのですが、アメリカではそうでもないんでしょうか。
そこから、スターガールは自分が良かれと思ってやっていたことが実は人を傷つけていたと知り、ついにはありきたりな名前に改名までしてしまいます。ツラい。結局は謝罪してなんとか関係を回復しましたが、難しいところだと思います。というか、ふわふわした感じの青春映画だと思っていたら、一筋縄ではいかないテーマを扱っていて、良い意味で予想を裏切られました。
本筋とは別に、この映画には驚きのキャストがいます。ジャンカルロ・エスポジートです。『ブレイキング・バッド』か『ザ・ボーイズ』か『マンダロリアン』のどれか一つでも観たことがある人なら、彼は悪のボスだと印象付けられているに違いありません。それが、この映画では優しい近所のおじさんを演じているのです! 実は怖い人でしたという展開だったらどうしようと勝手にひやひやしていました。
映画『ハリウッド・スターガール』
- 原題:Hollywood Stargirl
- 配信:Disney+(ディズニープラス)
- 公開日:2022年6月3日
- 上映時間:105分
- 監督:ジュリア・ハート
- 共演:イライジャ・リチャードソン、ユマ・サーマン
予告編
あらすじ
母親ととにハリウッドに引っ越してきたスターガールは、隣の家に住むエヴァンとその兄が作る映画に出演してくれないかと頼まれる。バーで歌を披露したスターガールは、常連の一人がかつてアルバムを1枚だけ出して消えた幻の歌手ロクサーヌであることに気づく。スターガールは、エヴァンは付き合い始め、初めて自分の曲を作ることになる。
感想
ジェリー・スピネリの原作の『スターガール』には『ラブ、スターガール』という続編もあるのですが、『ハリウッド・スターガール』はそれとは全く異なる映画オリジナルのストーリーです。1作目の出来事の後、ハリウッドに引っ越してきたスターガールが経験する出来事を描きます。
1作目のどこか夢のような雰囲気やストーリーと比べると、2作目はありきたりな青春映画になってしまったように感じます。レオがいないのも寂しい。スターガールがショートヘアになっているのは、グレース・ヴァンダーウォールが子供っぽい印象を刷新しようとして最近イメチェンを図っているからです。もっと短い時期もありました。
歌手としてのスターガールにフォーカスした『ハリウッド・スターガール』には、グレース・ヴァンダーウォール自身の経験が少し盛り込まれているのではないかと思わせるところがあります。例えば、演技経験なんてないのに映画に出て良いのかというスターガールの発言は、1作目のときに映画出演経験がなかったグレース自身の姿に重なります。スタジオで曲をレコードしているところなどは、まさに彼女の慣れ親しんでいる場所です。
映画『スターガール』と『ハリウッド・スターガール』は、Disney+(ディズニープラス)で独占配信中です。