ストリーミングサービスはテレビ局ではないのですが、近年は、テレビ局を凌駕する勢いがあるのは確かでしょう。ここでは、配信サービスのオリジナルドラマについて、まとめて紹介していきます。
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ストリーミング概要
配信系のドラマは、地上波テレビ局のような表現規制が少ないため、ケーブル局と同様に、バイオレンス等も含めた幅広い表現が可能です。また、世界同時配信がスタンダードになっているため、オリジナル作品を即座に世界的ヒットに繋げることも出来ます。
ストリーミングサービスは、視聴者が何をどのくらい見ているかを完璧に把握しているため、テレビ局よりも視聴者のニーズをわかっています。そのため、配信系のドラマは多くの視聴者を獲得しやすい傾向があり、特にNetflixはこの方法で成功を収めています。
2018年までは、Netflix、Amazonプライムビデオ、Huluがメインだったのですが、2019年から続々と新規参入が増えてきます。2019年からDisney+, Apple TV+が、2020年からHBO Max, peacockが、2021年3月からParamount+が開始されました。
この5つが、これまでのストリーミングサービスと異なるのは、映画・ドラマの製作会社が運営をしている点です。NetflixやAmazonも、今ではオリジナル作品を多く作っていますが、元々は完全なるIT企業でした。すなわち、近年はハリウッドが本腰を入れてストリーミングに乗り出した形になります。
製作会社が直接、自社のストリーミングサービスに乗り出したことにより、各社はオリジナル作品により力を入れています。ハリウッド系のストリーミングの場合は、過去の人気作品のスピンオフドラマを製作している場合も多くあります。
Netflix
ストリーミングサービス最大手のNetflix。当初は『ハウス・オブ・カード』と『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』ぐらいしかなかったものの、今では毎週のように新作ドラマを配信しています。中でも、特に若者層に向けたSF・アクションドラマは人気があるようです。一方で、作家性を重視した作品も多く、幅は非常に広いです。
代表作:『ストレンジャー・シングス』『マインドハンター』『アンブレラ・アカデミー』『ナルコス』『セックス・エデュケーション』『Marvel デアデビル』『オザークへようこそ』
Amazonプライムビデオ
Amazonプライム自体は、動画配信だけでなく様々なサービスが付属しているので、たぶん加入者数はとても多い。最近のAmazonのドラマは、過激な表現をふんだんに含むものが多いです。最も人気のある『ザ・ボーイズ』がその代表例。一方で、『BOSCH/ボッシュ』のような、派手ではないもののじっくり面白いドラマもあります。
代表作:『マーベラス・ミセス・メイゼル』『高い城の男』『モダン・ラブ』『カーニバル・ロウ』『ハンナ』
Hulu
日本のHuluは名ばかりで、実際にはアメリカのHuluではなく、日本テレビが運営しているため、日本のHuluでは本家Huluのオリジナル作品を配信していない場合がよくあります。実は、Huluオリジナル作品は日本では観られないものが多く、その実態はよくわかりません。
代表作:『ハンドメイズ・テイル』『ふつうの人々』『キャッスル・ロック』『見せかけの日々』『PEN 15』『ラミー』
Disney+
ディズニー、マーベル、スターウォーズなど、ディズニー傘下の作品のみを配信するDisney+。スターウォーズ初の実写ドラマ『マンダロリアン』や、映画とリンクしたMarvelドラマが集めています。シリーズ人気のおかげで、怖いものなし。
代表作:『マーキュリー・セブン』『ワンダヴィジョン』『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』
Apple TV+
2019年から始まったApple TV+では、オリジナル作品しか配信されていません。まだまだ作品数は少ないですが、小粒の良作が多い印象です。2021年配信予定のSF大作『ファウンデーション』に期待が掛かります。
代表作:『ザ・モーニングショー』『ディキンスン』『テッド・ラッソ』『フォー・オール・マンカインド』『ジェイコブを守るため』
HBO Max
日本未上陸。HBOではなく、ワーナーが運営するストリーミングです。2020年に始まったばかりのため、オリジナルドラマは少ない。一方で、ザック・スナイダー版の『ジャスティス・リーグ』を独占配信するなど、ワーナーの力を生かしたコンテンツが強み。
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代表作:『Raised by Wolves』『Love Life』『The Flight Attendant』
peacock
日本未上陸。NBCユニバーサルが提供しています。こちらも、2020年に始まったばかりのため、オリジナルドラマはわずか。過去のNBCやユニバーサルの関連作品でヒットを狙っているようです。
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代表作:『Brave New World』『Saved by the Bell』
Paramount+
日本未上陸。パラマウント・ピクチャーズを傘下に持つバイアコムCBSが提供。かつては、CBS All Accessという名前でした。『スター・トレック』シリーズの権利を持っているため、スピンオフの製作などを行っています。
代表作:『グッド・ファイト』『スター・トレック:ディスカバリー』『スター・トレック:ピカード』 リブート版『トワイライト・ゾーン』
まとめ
この界隈は非常に入れ替わりが激しく、数年以内にはいくつかの配信サービスが淘汰されてなくなるのではないかとも言われています。実は、既になくなったものもあります。
その一つが、Quibiです。10分以内のオリジナル作品専門のサービスとして2020年に始まり、注目度も高かったのですが、半年後には終了しています。
かつては、YouTubeプレミアムもドラマ製作をしていました。若者層に向けたものが多く、『コブラ会』のような良作もありましたが、現在はドラマ製作からは撤退しています(過去作は視聴可)。
ちなにに、ハリウッドのビッグ5と呼ばれる映画製作会社の内、ディズニー(Disney+), ワーナー(HBO Max), ユニバーサル(peacock), パラマウント(Paramount+)は独自のストリーミングサービスを持っているのですが、ソニー・ピクチャーズだけはありません。今のところ、ソニーが何かを始めるとも言っていません。特に何かやるつもりもないのでしょうかねぇ?