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Sigrid(シグリッド)初来日イベント備忘録<2023年5月>

 ノルウェーのポップスター、Sigrid(シグリッド)が、2023年5月に待望の日本初来日を果たしました。幸運にも、私はシグリッドの日本初ライブと、その翌日のトークイベントに参加することができたので、そのときのことをここに記しておきます。

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ハウ・トゥ・レット・ゴー(ジャパン・エディション)

5月25日(木) ライブ@duo MUSIC EXCHANGE

 会場は、渋谷にあるduo MUSIC EXCHANGE。開演は19:00で、開場は18:00。あまり早めに行っても仕方ないだろうと思って18:30頃に会場に着いたが、このときにはすでに6割ぐらいの観客が入っていた。オールスタンディングで、自分は右手側中央あたりにスタンバイした。

 

 会場の収容人数は700人らしいが、後から聞いた情報によると、チケットは当日に完売した模様。年齢層としては、20代が若干多めではあったが、30~40代も同じくらい多く、50代あるいはそれ以上と見られる人もちらほらいた。日本にも、これだけシグリッドのファンがいるのだなと実感した。

 

 そんなことを思いつつ、600円のジンジャエールも飲みながら、30分ほど待っていた。そして、ついにシグリッドが登場。ちょっと鳥肌が立っていた。3年間待ち続けたシグリッドが、わざわざノルウェーからやってきてくれたのだ。

 

 1曲目は、It Gets Dark。アルバムでも1曲目に入れているので、ライブの1曲目はIt Gets Darkと決めているのかもしれない。I'm leeeeeeeaving them!のような、聞かせどころもある曲で、これを聞いて「あぁ、本当にシグリッドだな」などと感慨深くなるなどした。

 

 シグリッドの曲は盛り上がりやすいものが多い。2曲目のBurning Bridgesしかり、3曲目のSucker Punchもそう。この3曲目に向けて盛り上げていったのかなという気もする。ただ単に、自分がSucker Punchが好きだからそう思ったのかもしれないが、ともかくこの3曲を立て続けに披露して、会場の雰囲気はどんどん盛り上がっていった。

 

 ちなみに、この日のシグリッドのファッションは、白の半袖Tシャツにジーンズ。事後情報いわく、靴はアディダスのスニーカーだったらしい。シグリッドのことを知っている人にとっては、お馴染みの恰好だと思う。そう、2019年にリリースされた1stアルバム「Sucker Punch」のジャケット写真と同じだ。とことんシンプルなファッションは、彼女のトレードマークのようになっている。

 

1stアルバム「Sucker Punch」

 

 10曲目のHead on Fireで、もう一度盛り上がりはピークを迎え、その流れで11曲目のDon't Feel Like Cryingになった。この曲が終わったところで、バンドのメンバーたちがステージから退場してしまった。もうおしまい? 誰かのそんな声が聞こえてきたが、ステージ上でシグリッドは何らや準備しているようだった。自分のいるところからはよく見えなかったが、キーボードを持ち出してきていた。

 

 12曲目のDynamiteと13曲目のBad Lifeは、電子ピアノを用いた弾き語りだった。ライブのような場でも、自分の原点を忘れないためだという。シグリッドの何が凄いかと言えば、その圧倒的な歌唱力。聞いたことがないという人は、アコースティックバージョンのシグリッドの曲を聞いてみると良い。一瞬でファンになると思う。

Sigrid, Bring Me The Horizon - Bad Life (acoustic) - YouTube

 

 Bad Lifeは、ロックバンドの「ブリング・ミー・ザ・ホライズン」と共作した曲であり、他の曲とは雰囲気が異なる。それでも、It's just a bad day, not a bad lifeといった力強い歌詞を含め、これは本当に名曲だと思う。感動的。生で聴いたら、それはなおさらだった。

 

 その後、バンドのメンバーが登場して、何曲か披露した後に退場。そこから、アンコールで戻ってきたときには、シグリッドはあの侍ジャパンのユニフォームを着ていた。ファンからのプレゼントだそう。背中には「SIGRID 10」とちゃんとプリントしてあるのが粋。誰も想像していなかった展開だったが、とても似合っていたので、会場は大盛り上がり。

 

 そこからのStrangersである。Like Strangers! Perfect Pretenders!の大合唱が、このライブのハイライトだった。シグリッドのファンであるという1点を除いて、他人(strangers)同士である観客を最後にこの曲でまとめ上げるというのは、意図的なのか、なかなか巧い。

 

 

 かくして、シグリッドの初来日ライブ――彼女いわく”パーティー”――は、終わった。途中、その日がバンドのギタリストの誕生日であることをシグリッドが明かすと、観客からHappy Birthday to Youの合唱があったり(名前知らなくてゴメン!)、観客からの「かわいい!」という歓声が上がったときには、それがcuteという意味だと教えてもらった後に、さらにcuteなポーズを取ってみたりといった場面もあった。

 

 シグリッドのナチュラルな性格というか、飾らない性格もあってか、とても親しみやすく楽しい人だなと感じた。ライブ自体もとても楽しかったし、個人的にもとてもリフレッシュされた気分になった。

 

セットリスト

 

5月26日(金) トークイベント@HMV BOOKS SHIBUYA

 HMVは、本やDVDを扱っている書店なのだが、渋谷店はちょっと特殊で、イベントに注力しているような店舗だった。自分が行ったときも、知らない韓流アイドルのパネルがたくさん飾ってあった。

 

 シグリッドは、単独ライブの翌日に、ここでトークイベントを行った。このときのシグリッドは、最初はベージュの長袖のカーディガンのようなものと薄めのマフラーを着ていた。しかし、室内はそこそこ暖房が効いていたので、結局、暑くて2つとも脱いで、再び半袖白Tシャツ姿になっていた。ちなみに、ズボンはもちろんジーンズ。

 

 5月24日頃から日本を訪れていたシグリッド。主に渋谷周辺を散策していたそう。「行ってみたところはどこですか?」と聞かれると、シグリッドは「メガドンキ」と答えた。ドンキは、海外からの観光客にとても人気のスポット。どこでそんなに話題になっているのだろう。

 

 さらに、2ndアルバム「How To Let Go」の曲の中でも一番気に入っている歌詞は何かと聞かれたシグリッドは、It Gets DarkのIt gets dark so I can see the stars(星が見えるように空が暗くなっている)という部分だと答えていた。やっぱりここなんだ。そうだよね。

 

 トークの終了後、シグリッド本人から1人1人にサインを渡してくれる時間になった。実質的な握手会みたいなものである。シグリッド本人と少しだけなら直接声を掛けることができるということで、どうしたものかと考えた。

 

 Your music helped me get through the pandemic era.(パンデミックを乗り越えるのに、あなたの音楽は助けになりました)というのも考えたが、ちと重すぎるなと思った。シグリッドの曲は大好きでも、それはさすがに大袈裟だ。A Driver Saved My Nightという曲にかけて、Not a driver, but you saved my life.(ドライバーではなくあなたが私の人生を救ってくれたのです)というのも思いついたが、これではあまりにもキザすぎる。

 

 ということで、無難に、Thank you for making such wonderful music, and coming to Japan.と言うことに。でも、それだけでは味気ないので、ノルウェー語で「ありがとう」を意味する「Tusen tak.(トゥーセン・タック)」という言葉も付け加えることにした。シグリッドは、英語がかなり流暢なので忘れてしまいがちだが、ノルウェー語が母語である。

 

 ところが、自分の番になって、実際にシグリッドが目の前にいて、手を握っていてくれるとなると、一瞬頭が真っ白になってしまった。なんとか0.5秒で記憶を取り戻し、言いたいことは言えた。ただ、あまり言葉に感情が込められていなかったかなと今になって思う。自分は、普段の喋り方が無感情で低いトーンなので、それがどうしても出てしまうのだ。それは良くないよなと思い始めて、最近は意識的に改善を試みているが、まだ効果は出ていなかった。

 

 でも、シグリッドは、気前よく「Tusen tak!」と返してくれた。そういえば、コロナ禍以降で人と握手するのは、これが初めてかもしれない、なんてことを帰るときに思ったりもした。それがシグリッドだなんて!

 

 

 憧れの人と握手をした後には手を洗いたくないとよく言われる。確かに、その気持ちはよくわかった。しかし、帰り道で電車に乗ったりして、さすがに手を洗わないわけにもいかない。だから、悲しいかな、帰宅してから入念な手洗いと消毒をしたのだった。

 

 その翌日に横浜赤レンガ倉庫で行われるGreenroom Festivalにもシグリッドは出演したが、それは私はパスしたので、これでおしまい。またどこかで、きっとシグリッドに会えると良いな、なんて思いながらこれを書いているわけです。

 

 シグリッド本人も、日本での滞在を楽しんでくれていたら嬉しいなのですが、3日間で2つのライブとトークイベントと色んなインタビューがあって、忙しそうではありましたね。その忙しさをライブでは全く感じさせないところが、またプロフェッショナルだと感心するわけですが、次回日本に来るときはぜひゆっくりしていってほしいなとも思います。