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下品だけど意外と深いコメディドラマ『私のスーパーパワー』感想

Carrie: Maybe the real power is just being yourself.

Jen: That's the dumbest thing I've ever heard in my life. 

- Extraordinary season 1 episode 1

 

 昨今は、スーパーヒーロー作品が世界中にあふれています。この記事で紹介する海外ドラマ『私のスーパーパワー』にしても、設定は日本の『僕のヒーローアカデミア』と似ていたりするのですが、テイストはかなり異なっていて、だいぶ下品。でも、笑えます。それでいて、ちょっとした奥深さもあるので、意外と侮れない一作です。

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 海外ドラマ『私のスーパーパワー』は、ディズニープラスで配信中。月額料金は990円(税込)、年間プランなら9,900円(税込)です。

Disney+ (ディズニープラス)

 

基本データ

  • 原題:Extraordinary
  • 配信:Disney+(ディズニープラス)
  • 配信日:2023年1月25日
  • 話数:8
  • 脚本:エマ・モラン
  • キャスト:マイレッド・タイヤーズ、ソフィア・オクセンハム、ビラル・ハスナ、ルーク・ロラソン

予告編

www.youtube.com

 

スーパーパワーも楽じゃない

 ドラマ『私のスーパーパワー』の世界では、18歳になると誰もが何かしらのスーパーパワーを獲得しています。ただし、主人公のジェンを除いて。ジェンは、25歳になっても何の特殊能力も得ていません。

 

 それでも、ジェンは、まだスーパーパワーを獲得することを諦めておらず、自分の隠された能力を探るために奮闘しています。そんなジェンに、親友のキャリーは「真のパワーは自分らしさかも」という優しい言葉を掛けます。昔のシットコムだったら、ここで観客の「おぉ~ぉ~」という声が入って、ハートウォーミングな展開になるでしょう。

 

 ところが、ジェンは「最高に馬鹿げてる」と一蹴します。この瞬間に、私はこのドラマが大好きになりました。これは、気前の良いことを言って丸く収めようとするドラマじゃなくて、ちゃんとやることはやるドラマなんだろうなと。それに、こういう皮肉っぽい主人公は好きです。

 

 

 キャリーは死者が乗り移ることのできる霊能者のようなパワーを持っています。便利な能力ではあります。キャリーは、その能力を買われて弁護士事務所で助手として働いています。遺言書をめぐるトラブルが起こったときに直接本人を呼び出せるので、重宝されているのです。

 

 でも、キャリーは悩んでいます。自分がこの仕事に就けたのはスーパーパワーのおかげであって、自分自身の能力や才能を買われたわけではないんだと。加えて、彼氏との関係にも悩んでいます。どうやら便利なスーパーパワーがあっても、すべてが解決できるわけではないようです。まぁ、現実でも才能やお金がたくさんあるのに、びっくりするほど不幸な人とかいますからね。特殊能力者も例外ではないということでしょう。

 

 

奇想天外な下ネタ

 誰もがスーパーパワーを持っているとは言っても、誰もが便利なスーパーパワーを持っているわけではありません。中には、全く役に立たないスーパーパワーを持っている人もいます。例えば、ケツが3Dプリンターになっている男。何か欲しいものを言うと、ケツから出してくれます。一体、どんな臭いがするのでしょうか?

 

 あるいは、猫だった男というのもいます。いつでも猫に変身できるわけではなく、自分の意思に反して猫になってしまって、しばらくそのままだったようです。彼は、猫として生きているうちに自分の名前を忘れてしまったので、主人公たちから「射精卿」と呼ばれることになります。なぜそんな名前になってしまったかというと、それは射精してしまったからなんですけど……。

 

 

 そんな調子で、下品なネタは盛りだくさんです。個人的には、そんなに下品でもないですが、エロティック・ジグソーパズルの話は妙に好きです。なんじゃそりゃ!?という感じです。しかも、エロティック・ジグソーパズルのピースはほとんど肌色だと思うので、意外と難易度が高いのかもしれません。

 

普通のままであってほしい!

 ジェンは、シーズン1の時点では、まだ自分のスーパーパワーを見つけることができていません。これも良い。こういう系の作品では、主人公が後に凄いスーパーパワーを発揮することがあります。具体的には(ほとんどネタバレになりますが)Netflixの傘学園とか。

 

 それは、反則だと思うんですよね。スーパーパワーを持っていなかったからそのキャラクターに共感していたのに、結局、スーパーパワーを獲得してしまうのでは、裏切られた気持ちになります。『私のスーパーパワー』のジェンには、そうなってほしくありません。一生パワーを獲得できないか、獲得するにしても、もの凄くショボいパワーであってほしいです。ジグソーパズルの最後の1ピースをなくした場所がわかる能力とか。

 

 このドラマの登場人物たちは、パワーを持っていても普通の悩みを抱えています。シーズン1最終話で、カッシュが時間を巻き戻す能力を使って何度もフラれてしまう場面がありましたが、あれは切なかった。このドラマを観て、こんな感情を経験することになろうとは思っていませんでした。

 

 このドラマは、シーズン1が配信される前にシーズン2の更新が決まりましたが、それほど自信がある作品だったんでしょう。確か、コメディとして面白いし、同時に友情や恋愛などの不安も描かれていて深みがあります。

 

 サントラも良い。予告編に使われているWet LegのChaise Longueのような最新ヒット曲もありながら、ザ・クラッシュやシーアもあります。年代の幅が広いですが、そのことがまた最近のストリーミング世代っぽくもあり、ドラマによく合っています。

 

 惜しむらくは邦題のダサさだけで、他の点に関しては『私のスーパーパワー』は文句なしの良作ドラマでした。シーズン2にも期待しています。それまでは、自分もエロティック・ジグソーパズルを買って楽しむことにします。

 

 海外ドラマ『私のスーパーパワー』は、ディズニープラスで配信中。月額料金は990円(税込)、年間プランなら9,900円(税込)です。

Disney+ (ディズニープラス)

 

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