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この海外ドラマが気になる<2023年11月>とA24の話

 やっと涼しくなってきて、落ち着いてドラマや映画を観られるようになりました。個人的には、先日、東京国際映画祭に行ってきたせいか、最近はドラマ欲よりも映画欲の方が出てきているのですが、面白いドラマはこの秋もたくさん公開されています。2023年11月の個人的な期待作をまとめました。

 

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2023年11月の気になる海外ドラマ

『ジェン・ブイ』シーズン1 毎週金曜 Amazon

『アップロード~デジタルなあの世へようこそ~』シーズン3 毎週金曜 Amazon

『ボッシュ:受け継がれるもの』シーズン2 毎週金曜 Amazon

『レッスン in ケミストリー』ミニシリーズ 毎週金曜 Apple TV+

『フォー・オール・マンカインド』シーズン4 11月10日 Apple TV+

『Rabbit Hole』シーズン1 11月14日 Hulu

『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』シーズン1 11月17日 Netflix

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン1 11月17日 Apple TV+

『FARGO/ファーゴ』シーズン5 11月23日 Amazon

『ドクター・フー:スター・ビースト』11月26日 Disney+

『窓際のスパイ』シーズン3 11月29日 Apple TV+

 

 10月はAmazonが強かったですね。『ザ・ボーイズ』の実質的なシーズン3.5になりそうな学園スーパーヒーロードラマ『ジェン・ブイ』を始め、『アップロード~デジタルなあの世へようこそ~』と『ボッシュ:受け継がれるもの』の新シーズンの配信が始まりました。

 

 11月には、本国と同日に『FARGO/ファーゴ』シーズン5が配信開始。おそらくAmazonプライムビデオの独占最速配信になると思われます。最近、Amazonはオリジナルドラマ以外の作品に全く力を入れていなかったので、急にこういったビッグタイトルを持ってきたことには驚きました。でも、嬉しいですね。とても楽しみにしています。

関連記事:ドラマ『FARGO/ファーゴ』シーズン5についてわかっていること - 海外ドラマパンチ

 

 11月はApple TV+が熱い。ブリー・ラーソン主演『レッスン in ケミストリー』が引き続き配信され、ゲイリー・オールドマン主演の『窓際のスパイ』の新シーズンが始まります。米レジェンダリー・ピクチャーズが手掛ける「ゴジラ」作品の大作『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』も始まります。

 

 今、映画館ではマーティン・スコセッシ監督の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が上映されており、11月末にはリドリー・スコット監督の最新作『ナポレオン』が公開されます。両作品とも、後にApple TV+で独占配信されることが決まっています。

 

 11月3日には、ジェシー・バックリー、ジェレミー・アレン・ホワイト、リズ・アーメッドが出演する映画『フィンガーネイルズ』がApple TV+限定で公開されます。今、注目を集める個性派の演技俳優3人が集まったラブコメ?作品ということで、マニアックなコンセプトだなと思いますが、私は大いに楽しみにしています。

 

 Netflixでは、ついにアニメ版の『スコット・ピルグリム』が公開されます。過去にエドガー・ライト監督が実写化したこともあり、そのときは漫画風の作画をそのまま映像化していたので、これまた凄いことをやったなと思っていました。アニメ化にぴったりの作品のはずなのに、これまで作られてはいなかったのが不思議ですが、満を辞して日の目を見ます。かなり期待しています。

関連記事:Netflixアニメ版『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』に全世界のファンが期待している4つの理由 - 海外ドラマパンチ

 

 Huluでは、Paramount+オリジナルドラマ『Rabbit Hole』が配信されます。キーファー・サザーランド主演のスパイものなので、いかにもHuluにはぴったりの作品です。しかしながら、アメリカでの評判も良かったにも関わらず、シーズン1で打ち切られてしまっています。それに、そもそもParamount+作品はWOWOWとJ:COMがやるんじゃなかったっけ? 

 

 Disney+では『ドクター・フー』の新シーズンが配信されます。60周年記念かつ14代目(?)へのバトンタッチとなる3つのエピソードが週一で公開されるようです。過去のエピソードは、今のところHuluで配信されていますが、Disney+でも観られるようになるでしょうか?

 

A24はテレビドラマも作ってます

 A24。映画ファンの間では、すっかりブランドとして定着した感じのある名前です。A24は、アメリカの映画配給・制作会社で、いわゆるミニシアター系のようなインディペンデント映画を世に送り出しています。今年は、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー賞作品賞を獲得し、ますます注目度が高まっています。

 

 今年の冬は、日本でもさらにA24作品に触れる機会が増えそうです。U-NEXTは、12月末より日本未公開のA24作品11本を全国4都市で特集上映し、その後に配信します。また、つい先ほど、日本の映画配給会社のハピネットファントム・スタジオが、今後のA24作品を日本で独占配給すると発表しました。これまで、A24作品の日本での配給状況は安定しておらず、公開が半年以上遅れたり、そもそも未上陸で終わることも少なくなかったのですが、このような状況が整えば、A24作品が日本でも定期的に観られるようになると期待して良さそうです。

 

 A24といえばインディペンデント映画のイメージが強いですが、同じような傾向で数々のテレビドラマも製作しています。

 

  • ユーフォリア/EUPHORIA
  • THE IDOL/ジ・アイドル
  • イルマ・ヴェップ
  • ラミー 自分探しの旅
  • Mo/モー
  • BEEF/ビーフ
  • 刑事★コムラッド
  • Mr. コーマン
  • The Curse(原題)

 

 この中で私が観たことがあるのは『ユーフォリア/EUPHORIA』と『イルマ・ヴェップ』だけですが、他の作品の雰囲気くらいは予告編等を観ていて知っていて、やっぱりテレビドラマでもA24らしさはあるなと感じます。作家性を強めに出したインディーズ系の雰囲気は、好きな人にはハマります。一方で、Z世代を中心に社会現象的なヒットを記録した『ユーフォリア/EUPHORIA』みたいなドラマもあって、ブロックバスターではなくてもウケる作品が存在し得ることをちゃんとわかっていると感じます。

 

 これから、映画でもドラマでも日本で観られるA24作品はどんどん増えていくと思いますが、A24が世間で言われているほど良作ばかりを作っているとは限らないということは、気を付けておいても良いのかなと思います。A24がこれほど成功した理由には、もちろん優れた作品を作ってきたというのもありますが、同時にプロモーションがとても上手かったということもあると言われています。

 

 テレビドラマに限定してみても『THE IDOL/ジ・アイドル』は、事前の期待値が非常に高かったものの、実際に公開されると批評面では大失敗しました。それでも、出演者の人気によって話題性という意味では成功を収めましたが、シーズン2に更新されることはありませんでした。

 

 A24は、優れた作品を効果的にプロモーションする術を心得ています。だから、そうでもない作品は、そもそもA24作品であることすら知られていません。ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演なのに『Mr. コーマン』はびっくりするほど話題になりませんでした。悪い作品ではなかったとも聞いていますが、シーズン1で打ち切られています。

 

 映画作品での方がこの傾向が強く、日本での未上陸作品が11本以上あることからも伺えます。十分話題になりそうな作品であれば、日本で劇場公開はしなくても配信公開ぐらいはされるものですが、それすらされていない作品がこれだけあったということです。今になって日本上陸することになったのは、日本でも「A24」がブランドとして認知されるようになったため、「A24作品」だと銘打てばそれなりに観てもらえるだろうと踏んだからだと思われます。

 

 決して、A24が悪い作品ばかりを作っていると言いたいわけではありません。ただ、ある意味では当たり前ですが、A24が良作ばかりを作っているわけではないということを書いておきたかっただけです。

 

 所詮、A24というのは会社の名前に過ぎないので、クリエイターの名前以上にもてはやされる時点で不思議な状況だと感じています。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が面白かったとしたら、それはA24が製作したからではなく、ダニエルズらが作ったからだ。そういうことを私は言いたかったんだと思います。

 

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