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この海外ドラマが気になる<2023年9月編>とユニバース作品の功罪の話

 8月は結構ドラマを観られたかなと思っていて、気になっていた『キャシアン・アンドー』をやっと観ることができたのは、とても良かったです。あと、日本のドラマはほとんど観ないのですが、あまりにも評判が良いので『ガンニバル』は観てみました。閉塞的な村のいや~な感じが良く出ていましたし、アクションシーン(道路での銃撃戦とか)もハラハラして、楽しめました。さすがに「祭り」の場面まではシーズン1でやってほしかったのですが、無事にシーズン2に更新されたようなので、楽しみに取っておきます。

 

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2023年9月の気になる海外ドラマ

『フィラデルフィアは今日も晴れ』シーズン16 9月13日 Disney+

『バリー』シーズン4 9月15日 U-NEXT

『イエロージャケッツ』シーズン2 9月27日 U-NEXT

『ジェン・ブイ』シーズン1 9月29日 Amazon

 

 8月末に、Amazonプライムビデオで『ジュリー・デューティ~17日間の陪審員体験~』がサプライズ配信されたのは嬉しかったですね。そこまで話題になるようなタイプの番組には見えなかったのですが、エミー賞のコメディ部門作品賞にノミネートされて、だいぶ気になっていました。

関連記事:Amazon『ジュリー・デューティ~17日間の陪審員体験~』感想|とてつもなく壮大なドッキリ裁判 - 海外ドラマパンチ

 

 9月は、U-NEXTに『バリー』のファイナルシーズンが上陸。シーズンを追うごとにどんどんダークになっていっていますが、果たして最後はどれほどの闇を見せてくれるのか、楽しみです。

関連記事:海外ドラマ『バリー』シーズン3感想|そこに生きる目的はあるのか? - 海外ドラマパンチ

 

 同じくU-NEXTでは、サバイバル・ホラー・ミステリードラマ『イエロージャケッツ』シーズン2も配信されます。最初から、カニバリズムに関する匂わせ描写がたくさんあるのですが、シーズン1ではまだ本題に到達していませんでした。さらに怖く、グロテスクになっているらしいシーズン2に期待です。

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 Disney+では『フィラデルフィアは今日も晴れ』の最新シーズンが配信予定。シーズン16ともなると、未見の人は追いつくのは大変かもしれませんが、シットコムなのでつまみ視聴は全然ありだと思います。特に、シーズン16では『ブレイキング・バッド』ファンには嬉しいエピソードがあるようです。

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 Amazonプライムビデオには、ついに『ザ・ボーイズ』のスピンオフドラマ『ジェン・ブイ』が登場。学園を舞台にした超過激スーパーヒーロードラマということで、久しぶりのこの世界観を楽しみにしたいと思います。

 

ユニバース作品の功罪

 ハリウッドをユニバース大作が席巻するようになって久しいです。7月に『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を観に行ったところ、これがあまりにも面白かったので、『アベンジャーズ:エンドゲーム』以降あまり観ていなかったMCU作品をいくつか観てみました。

 

 特に気になったのは、トム・ホランド版スパイダーマン3部作。1作目を観たときに、あまりにもアイアンマンに頼りすぎて、スパイダーマン本人の能力や人間性が全然描かれていなくて、ガッカリした記憶があります。

 

 2作目の『ファー・フロム・ホーム』は、今回初めて観たのですが、これは面白かったですね。特に、悪役の設定が良くて、攻撃の仕方もとても現代的なのが興味深かったです。

 

 一方、3作目の『ノー・ウェイ・ホーム』には、再びガッカリしてしまいました。またしてもトム・ホランド版のスパイダーマンというキャラクターを描くことを放棄し、過去作品のキャラクターを大量に出して、過去作品のオマージュをしていくことでファンの興味を釣ろうという作戦です。それは1作目や『アベンジャーズ:エンドゲーム』よりも露骨で、うんざりしてしまいました。

 

 近年のユニバース作品は、とにかく昔のキャラクターを出しておけば良いだろうというような思考のものが多くて、いずれのシリーズに対してそこまで熱心なファンであるわけでもない私は辟易していました。これだったら、多少ストーリーにつまらないところがあるにしても、新しい要素をふんだんに盛り込んだ『ミズ・マーベル』の方がよっぽど独創的で優れた作品です。

 

 そんな不満は以前からあったので、そのもやもやを解消してくれたからこそ『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』はあれほど開放的で面白かったんだなと再認識しました。『アクロス』にも過去作のオマージュはたくさんありますが、それがオマージュであることがわからなくたって問題ありません。それに何より、これまで観たことのないビジュアルには終始圧倒されます。

 

 スター・ウォーズ(SW)の『キャシアン・アンドー』も、ユニバース作品ではあるものの、過去作に囚われない新鮮さを持っています。『ローグ・ワン』のスピンオフではあるものの、なんならスター・ウォーズ作品をほとんど観たことがなくても大丈夫なんじゃないかというくらい、他の作品との関連は薄いです。

 

 このドラマには、SWらしからぬシビアな部分があります。どんどん人が死にますし、裏切り者もいっぱいいます。だからこそ、民衆が立ち上がる展開はアツくて、他のSW作品では味わえない感情でいっぱいになります。

 

 今では、一概に「映画フランチャイズは映像文化を破壊する」みたいなことを主張できる時代はとっくに過ぎてしまっていて、望もうと望むまいと大作は基本的にフランチャイズ作品です。

 

 ただ、フランチャイズの中でも、様々なタイプの作品が出てくるようになったのは良い傾向です。徹底的にファンに媚びた作品もあれば、初見の人も無理なく入り込めるような独立性の高い作品もあります。後者みたいなものが増えていったら、個人的には嬉しいなと思います。

 

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