ドラマ『ミレニアル・ガールズ~ロンドン無計画ライフ~』(原題 Everything I Know About Love)は、2012年のロンドンを舞台に、4人の親友同士の日々を描いたドラマです。ハチャメチャに楽しいドラマですが、意外とビターな瞬間もあり、面白いドラマでした。この記事では、本作の登場人物およびキャストの紹介、そして感想を書いています。
基本データ
- 原題:Everything I Know About Love
- 放送局:BBC One(イギリス)、Peacock(アメリカ)
- 公開日:2022年6月7日
- 話数:7
- 原作:ドリー・アルダートンの同名の自伝的小説
- 脚本:ドリー・アルダートン
- 出演:エマ・アップルトン、ベル・パウリー、マルリ・シウ、アリーヤ・オドフィン
予告編
登場人物/キャスト
マギー/エマ・アップルトン
脚本家志望だが、自由奔放に日々を暮らしている24歳。パーティー狂い。毎日を暮らすためのお金にも困るほど常に金欠。バーディとは幼馴染で、一生の親友だと思っている。
演じるエマ・アップルトンは、Netflixドラマ『ウィッチャー』のレンフリ役やドラマ『セックス・ピストルズ』のナンシー・スパンゲン役などで知られる。身長180cm。俳優になる前はモデルをやっていた。
バーディー/ベル・パウリー
マギーの親友。この年まで、誰とも付き合ったことがないという。しっかり者。マギーとは常に励まし合いながら喧嘩を一度もすることもなく楽しく過ごしてきた。
演じるベル・パウリーは、2015年の映画『ミニー・ゲッツの秘密』の主演。Apple TV+のドラマ『ザ・モーニングショー』に出演した。今年、同じくApple TV+で配信予定の戦争ドラマ『Masters of the Air』にも出演予定。
ネル/マルリ・シウ
マギーの大学時代からの親友。教師。6年間付き合っている彼氏がいる。真面目な性格で、みんなから頼りにされるが、お堅いと思われるのは不本意だったりする。
演じるマルリ・シウは、映画『アナと世界の終わり』『アワ・レディーズ』、ドラマ『アレックス・ライダー』などに出演。
アマラ/アリーヤ・オドフィン
マギーの大学時代からの親友。不動産会社に勤めているが、以前からずっとダンサーになりたいと思っており、今もその夢は諦めていない。
演じるアリーヤ・オドフィンは、今作でテレビドラマデビュー。
感想
純粋に憧れますよね。マギーとバーディーみたいな親友関係みたいなものに。このドラマの原題はEverything I Know About Loveですが、このLoveは恋愛という意味に限らず、もっと広範な愛を意味しているのでしょう。
日本語の「愛」は英語の「love」よりもだいぶ意味が重いので、親友同士でもなかなか「愛してる」とは言わないと思いますが、英語だと友達によく「I love you.」と言っているのを映画やドラマではよく観ます。アメリカでも男同士だとやっぱり言わないわけですけど。
自分は男なので、このドラマで描かれていたような友情を築けたことがありません。男はだいたいそうだと思います。友達同士でも、互いを褒め合うとか全然しなくて、むしろ軽くけなし合うぐらいが健全な友人関係だと思っているところがあります。
それはそれで楽しいんですけど、このくらい何でもさらけ出せて、しかもそれを受け止めてくれる親友がいたら、それほど素晴らしいことはないだろうなと、たまに思うことはあります。こういうドラマを観ていると、なおさらそんなことを考えてしまいます。
それほどの親友に出会えたマギーは、バーディーにべったりです。バーディーもマギーのことが大好きなので、何でも許してしまいます。バーディーの方がマギーよりずっとしっかりした性格なので、生活面ではもっぱらマギーがバーディーに頼っているのでしょう。第1話でも、マギーがバーディーからお金を借りている場面がありました。
マギーは、メンタル面でのサポーターです。どんなことがあっても、バーディーを励ましてあげます。マギーは、実際に友だちだったら凄く楽しいだろうなと思います。ただ、パーティーばかりで疲れそうではありますけど。
バーディーは、やっぱりしっかり者なので、24歳になってもこんなことやってちゃいけないよと思い始めます。そんな頃、マギーが偶然紹介したネイサンと出会い、交際をスタートさせます。ネイサンは律儀なタイプで、マギーとは真逆の性格です。つまり、バーディーとは性格や価値観が似ているので、2人の関係はどんどん深まっていきます。
これで面白くないのがマギー。バーディーが自分と遊んでくれなくなったのを寂しがっています。でも、直接寂しいと言うことはなくて、自分一人で寂しくなってしまっています。エマ・アップルトンのチワワ顔が寂しそうな表情になるのが、いたたまれない。
マギーは、これまで悲しいときは絶対にバーディーと共有していたはずですが、今回ばかりはそうもいきません。他の2人の同居人ともめちゃくちゃ仲が良いのに、このことについてはこの2人とも気持ちを共有できないのが辛いですよねぇ。
ドラマには、4人が最高の親友同士であることを示すシーンがたっぷりあるから、なおさら辛い。でも、20代のどこかではそういう節目を迎えなければいけないんですかね。ずっと学生時代の友達と遊びながら暮らすわけにもいかないんだと、少なくともバーディーはそう思っています。
こういうのは、世代的なものもあるのでしょうか。「ミレニアル世代は全然大人にならない」と欧米ではよく言われています。社会的責任さえ果たしていれば、いわゆる‟大人”になるかどうかはどっちでも良いことなんじゃないのかなと、Z世代の私は思ったりするのですが、ともかく、20代が「大人にならなければいけない」というプレッシャーを感じざるを得ないのは事実でしょう。
このドラマは、そんな年代の4人組の日々を描いた良作だと思います。4人とも、それぞれタイプが異なるので、きっと共感できるキャラクターも見つけられるはずです。ドラマは、意外にビターなエンディングを迎えますが、それこそが大人の味わいなのかもしれません。