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『グッド・オーメンズ』に出てくる『ドクター・フー』ネタまとめ

 Amazonプライムビデオで配信されている『グッド・オーメンズ』には、意外にも『ドクター・フー』に関する小ネタが無数に仕込まれています。主演がデイヴィッド・テナントであるだけではありません。今回は、そんな隠しネタのいくつかを解説していきます。

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※この記事は『グッド・オーメンズ』シーズン1~2のネタバレを含みます。

 

 

キャスト&スタッフ

 まずは、もちろんデイヴィッド・テナントです。彼は、新シリーズの『ドクター・フー』でシーズン2からシーズン4にかけて10代目のドクターを演じました。デヴィッド・テナントは、ドクター役に憧れて俳優を志すようになったというほどの『ドクター・フー』ファンであり、彼が演じる10代目もファンによる投票で「最高のドクター」に選ばれるほど人気があります。

 

 『グッド・オーメンズ』シーズン2第2話には、人間のヨブの役で、ピーター・ディヴィソンが出演しています。旧シリーズの『ドクター・フー』シリーズ19~21で5代目ドクターを演じた人物です。

 

 そもそも『ドクター・フー』はとても話数が多いので、『グッド・オーメンズ』に出演している英国俳優の中には『ドクター・フー』にも出演した経験のある人は他にもたくさんいます。いちいち名前を挙げるわけにはいきませんが、1人だけ、マーク・ゲイティスのことはここで紹介しておきます。

 

 マーク・ゲイティスは、『グッド・オーメンズ』では元ナチスで、後にゾンビになる男として登場していました。『ドクター・フー』では、なんだかんだ色んな役で計5話に出演しています。また、脚本家としても計9話を手掛けています。

 

 ただし、彼が『グッド・オーメンズ』に出演しているのは、正確には『ドクター・フー』ネタではなくThe League of Gentlemenネタです。The League of Gentlemenとは、ジェレミー・ダイソン、マーク・ゲイティス、 スティーヴ・ペンバートン、リース・シェアスミスの4人による喜劇集団のことです。シーズン2第4話のナチスゾンビの話はジェレミー・ダイソンが脚本を手掛けており、他の2人も出演しています。

 

 『グッド・オーメンズ』の原作者であり、ドラマ版の脚本も手掛けているニール・ゲイマンは、『ドクター・フー』シリーズ6第4話「ハウスの罠」とシリーズ7第12話「銀色の悪夢」の脚本を手掛けたことがあります。また、シーズン1と2の全話の監督をしたダグラス・マッキノンは、『ドクター・フー』でも計8話の監督を務めています。

 

 そして、ニール・ゲイマンが手掛けた「ハウスの罠」で、ハウスの声を演じているのは、天使のアジラフェル役のマイケル・シーンです。

関連記事:ジェロニモ!『ドクター・フー』シーズン6感想解説 - 海外ドラマパンチ

 

 

小ネタ

 分かりやすいネタとして『グッド・オーメンズ』シーズン2第5話では、天使のアジラフェルが商店街の店主の一人を会合に呼ぶために、幻のドクター・フー年鑑(Doctor Who Annual)をあげるというセリフがありました。実際に、Doctor Who Annualは実在し、現在も1年に1回刊行されています。創刊号は1966年のものですが、出版されたのは1965年です。

 

 『グッド・オーメンズ』シーズン2最終話では、ベルゼブブのハエが重要な役目を果たしていたことが明らかになります。ベルゼブブによると、ハエは容器として使えるということであり、このときに「It's bigger on the inside.(見た目より中の方が大きい)」と言っています。これは、『ドクター・フー』で、人間がドクターの宇宙船「ターディス」の中に初めて入ったときに驚いて必ず言うセリフです。

 

 シーズン2第4話で、アジラフェルとクロウリーの2人はマジック用品店に入りますが、このときにクロウリーはトルコ帽をかぶってみたりしています。トルコ帽といえば、デイヴィッド・テナントの後を継いでマット・スミスが演じた11代目ドクターのトレードマークです。

 

 そんな調子で『グッド・オーメンズ』は『ドクター・フー』に関連する小ネタが無数にあります。他にも、シーズン1第4話で登場する本のページにガリフレイ(ドクターの故郷の惑星)のことが書いてあったり、シーズン1に登場する車のナンバープレートに「SIDRAT」(TARDISの逆)と書いてあるものがあったり、シーズン2第5話でピアノの楽譜の横にドクター・フーのミュージカルの紙が挟んであったりするようです。これらは自分では確認していませんが、気になる人はもう一度観るときにチェックしてみましょう!

 

参考記事

'Doctor Who' Easter Eggs You Might Have Missed in 'Good Omens'

All 10 Doctor Who Easter Eggs & References In Good Omens Season 2

 

余談

 当然ながら『グッド・オーメンズ』はキリスト教にまつわる話なので、聖書のエピソードに関するネタも無数にあります。私は特段キリスト教に詳しいわけではないので、小ネタのようなものにはほとんど気づけなかったのですが、シーズン2の最後の場面については少しわかったことがあります。

 

 シーズン2の最終話で、クロウリーはアジラフェルに自分の思いを告げ、書店を去る前に接吻をします。本当にそう来たか!と少なからず驚いたのですが、しばらくして、これは聖書に書かれているユダとキリストのエピソードのオマージュだということに気づきました。

 

 ユダは、銀貨のためにキリストを売り渡すことにし、キリストが誰であるかを役人に伝えるためにキリストに接吻をします。このときが、まさにユダの裏切りの瞬間なので、様々な絵画の題材にもなっています。ちなみに、この後、キリストはユダを赦すのですが、アジラフェルもクロウリーにキスされた直後に「君を赦すよ」と言っています。

 

 つい先日、国立西洋美術館で、まさにこの場面を描いたマンフレーディの「キリスト捕縛」を見ていました。そのときに、なんだかBL味あるなぁとぼんやり思っていたのですが、どうやらニール・ゲイマン先生も同じことを考えていたようです。

バルトロメオ・マンフレーディ『キリスト捕縛』(国立西洋美術館蔵)

 

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