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英国ドラマ『ブロードチャーチ 殺意の町』シーズン1感想:かくして悲劇は起こった

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I hate it. I hate the air, I hate the sand. I hate the stupid people, I hate the way they work. I hate their bloody smiley bloody faces. I hate the never-ending sky.

- Arec Herdy in Broadchurch season 1

 

 イギリスのミステリードラマはお好きですか?はいと答えた方は、すぐさま『ブロードチャーチ』を観ましょう。いいえと答えた方は、手始めに『ブロードチャーチ』を観ましょう。

 

『ブロードチャーチ』シーズン1基本データ

・原題:Broadchurch

・放送局:ITV

・放送日:2013年8月7日~9月25日

・キャスト:オリヴィア・コールマン、デヴィッド・テナント、ジョディ・ウィテカー

・あらすじ:

 イギリスの田舎町ブロードチャーチの崖沿いで少年の死体が発見された。このことをきっかけに、平和な町だと思われていたブロードチャーチの黒い秘密が明らかにされていく。

・予告編:

www.youtube.com 

 

ここからネタバレをしてます。お気を付けを!

 

 

 

『ブロードチャーチ』シーズン1感想(ネタバレあり)

 英国ミステリードラマはいくつか観ていて、『ブロードチャーチ』が良いぞという話はかねがね聞いていたのですが、本当に素晴らしいドラマでした。ある少年の殺人事件を巡り、警察、遺族、マスコミという3つの視点をメインに語られる物語は、悲劇の全体像を余すところなく描いたものでした。

 

 『ブロードチャーチ』シーズン1の主人公の一人となるのが、オリヴィア・コールマン演じるエリー・ミラー刑事です。被害者と面識のある刑事が実際に捜査担当になって良いのかよく知りませんが、彼女は遺族と仲が良かった人物でした。全体的に重く暗いドラマの中で、エリーだけは軽く冗談を言ったりする優しい人で、ちょっとした癒しでもありました。しかし、そんな彼女が最終的に悲劇の当事者になってしまうのですから、残酷です。

 

 彼女の上司がデヴィッド・テナント演じるアレック・ハーディ刑事です。デヴィッド・テナントは、『ドクター・フー』で既に知っていたのですが、このときもシリアスな場面の方が似合っていたんですよね。今回のちょっと偏屈な刑事役も、とても似合っていました。

 

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 ちなみに(気づいている方も多いと思いますが)、『ブロードチャーチ』シーズン1のキャストは『ドクター・フー』感が強いですよね。デヴィッド・テナントは10代目ドクターで、被害者の母親役のジョディ・ウィテカーは13代目ドクター、牧師役のアーサー・ダーヴィルはシリーズ5,6,7のローリーですよね。あと、ジャックというおじいさんは『ゲーム・オブ・スローンズ』のウォルダー・フレイなので、悪人にしか見えないというのもありました(笑)

 

 でもね、演技力は全員凄いです。刑事の2人だけでなく遺族や容疑者の面々の演技も、いずれも素晴らしかったです。

 

 『ブロードチャーチ』の上手いところは、一つの事件を警察視点だけでなく、遺族やマスコミの視点も含めて、多面的に描いていったところです。遺族はただ悲しみに暮れるだけでなく、事件を風化させたくないという思いや、人々に干渉されたくないという思いがあります。そして、悲しみを乗り越えるために家族3人で遊びに出かけ、新しい赤ちゃんが出来たことを共に喜び合うようになります。遺族の再生の様子が垣間見られるのは、この悲劇のわずかな希望でもあります。

 

 一方、マスコミに関しては酷い奴らだという思いを抱かされます。被害者の名前をTwitterに流し、ジャックを容疑者扱いし、遺族の家に押しかけたりと、ろくなところがありません。現実にはそうでないと思いたいのですが、おそらくその通りなのかもしれないと思うと、怒りすら湧いてきます。

 

 ミステリードラマとして上手いと思うのは、伏線の使い方です。例えば、母親のベスが息子を思い出すためにトムをハグさせてと頼むところと、ジャックが過去に息子を失ったことから今も子供たちをハグすることがある、という呼応だったり。あるいは、刑事のエリーがスーザン・ライトがなぜ夫が娘に手を出していたことに気づかなかったのだと責めた後に、自分の夫が殺人犯であることを見抜けていなかったことが明らかになる展開とか。とても周到に練られた脚本です。

 

 犯人も驚きでした。これが当てられる人は、おそらくいないでしょう。自分は、途中でエリーの夫のジョーと修理屋のナイジェがどっちもスキンヘッドで紛らわしいなとは思っていたんですよ。でも、そこからジョーが犯人かもしれないとは考えられなかったなぁ。いやー、悔しい!そのぐらいミステリーとしての完成度も高いです。

 

 役者たちの演技、予測不能でスリリングな展開、遺族やマスコミも含めて事件全体を臨む視点、さらには悲愴感を引き立てるブロードチャーチの風景など、『ブロードチャーチ』はとても見どころが多く、またクオリティの高いドラマでした。

 

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