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HBOドラマ『アメリカで成功する方法』がNYのストリート文化を描く名作だった

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I need a dollar dollar, a dollar is what I need.

- I Need a Dollar by Aloe Blacc

 

 誰だって成功したい。成功したくない人なんていません。でも、始めから恵まれた地位にいる人はわずか。お金もないし、チャンスも限られているのに、どうすれば良いんだ?HBOドラマ『アメリカで成功する方法』では、ニューヨークのストリート文化とともに、等身大の若者たちが奮闘する様を見ることができます。

 

 

 

ドラマ『アメリカで成功する方法』基本データ

・原題:How to Make It in America

・放送局:HBO

・放送時期:2010~2011年

・キャスト:ブライアン・グリーンバーグ、ヴィクター・ラサック、レイク・ベル、ルイス・ガスマン

・あらすじ:

 カルチャーの発信地であるニューヨークに住む2人の若者が、ストリートファッションの世界で成功を目指す。

・予告編:

www.youtube.com

 

『アメリカで成功する方法』感想(ネタバレなし)

 あまり名前を聞かない作品だったので、期待度もさほどという感じだったのですが、いやはやこれは面白い。『アメリカで成功する方法』は、名作と言って良いでしょう。

 

 主人公のベンとキャムは、いつもお金に困っているニューヨークの若者です。何か成功したいとは思っているけど、明確なビジョンがあるわけではありません。特別秀でていることもないけれど、とにかく何かをしたいと思い、行動しています。良いですねぇ。

 

 だって、実際もそんなものじゃないですか?例えば、入社や入学をするときにも、そんなに明確な目標があるとは限らないでしょ。色々なことをやっているうちに、自分の好きなこと、向いていることを見つけることの方が多いんですよ。そういう意味で、このドラマの主人公たちの生き方はリアルだし、理想でもあります。彼らはやりたいことをするために、実際に行動を起こしていますから。

 

 でも、それだけじゃドラマとしてはちょっと弱いのかも。ということで、レネーの登場です。レネーは、少し前まで刑務所にいた前科者です。今は、オリジナルのエナジードリンク「ラスタ・モンスタ」を全米に売り出そうと頑張っています。ビジネスのことはあまり知らないけど、やる気で何とかやっていこうとする姿勢が良いんです。ラスタ・モンスタの販売のために、犯罪すれすれのことをやっているシーンには、毎度笑ってしまいます。

 

 私がこのドラマを名作だと言う重要な理由がもう一つあって、それは、このドラマがニューヨークのストリートの空気感をバッチリ捉えている点にあります。NYを舞台にした作品というと『SUITS/スーツ』だったり『セックス・アンド・ザ・シティ』などがありますが、ファッショナブルな雰囲気のする作品が多いと思います。

 

 でも、ニューヨークのもう一つの重要な側面であるストリート文化に着目した作品って、意外にないんですよね。『アメリカで成功する方法』は、まさにNYのそっち側を映すドラマなんです。登場人物たちが、タクシーではなく地下鉄を使っているところに、他のNYドラマとの違いが端的に表れています。

 

 このドラマ自体が、基本的にNYのサブカルチャーをベースにしているようなところもあります。オープニングのように、突然写真が挿入されるシーンが度々あるのですが、これも現代アートっぽくてカッコいいんです。お金のない登場人物たちの気取らないファッションも良い。日本のカルチャーへの言及も多くて、とても親しみやすさがあります。

 

 ストーリー自体は、取り立てて言うこともないのかもしれないけど、何だかんだ2人の友情には安定感があります。「俺たち、親友だろ」というノリで、大抵のことが上手くいきます。上手くいかないことがあっても、親友同士ということで、何だかんだ立ち直ります。このストレスフリーな関係は、見ているこちらも気楽で楽しいです。

 

 ドラマの雰囲気は『アントラージュ★オレたちのハリウッド』にそっくりです。マーク・ウォールバーグら制作陣が共通していると知っては納得。『アントラージュ』では、ロサンゼルスの街の空気感を醸しながら、男たちの友情を描きだしていました。『アントラージュ』の方は、全8シーズン+劇場版があるくらいヒットしています。

 

 しかし、『アメリカで成功する方法』は、わずか2シーズンで打ち切られてしまいました。人気がなかったというのが一番の理由だとは思いますが、他にもこの時期のHBOがノリにノッていたからというのもあるかもしれません。2011年というと、『ボードウォーク・エンパイア』や『ゲーム・オブ・スローンズ』が始まった頃で、人気作をいくつも抱えていました。そんな中で、早めの打ち切りという判断に至ってしまったのかもしれません。もったいないなぁ。ぜひとも、こういう雰囲気のドラマをまた作ってほしいものです。

 

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