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Apple TV+ドラマ『ファウンデーション』シーズン1感想

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 2021年、最大の海外ドラマが始まりました。Apple TV+で独占配信されているSFドラマ『ファウンデーション』です。アイザック・アシモフの代表作『銀河帝国興亡史』シリーズを、壮大なスケールで映像化。今回は、海外ドラマ『ファウンデーション』シーズン1のネタバレあらすじと感想・解説です。

 

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海外ドラマ『ファウンデーション』シーズン1基本データ

・原題:Foundation

・製作:Apple TV+

・配信年:2021年

・話数:10

・クリエイター:ジョシュ・フリードマン、デヴィッド・S・ゴイヤー

・キャスト:ジャレド・ハリス、リー・ペイス、ニック・ルー・ロベル、リア・ハーヴィ

・予告編:

www.youtube.com

 

 ドラマ『ファウンデーション』はApple TV+で独占配信中。Apple TV+は初回7日間無料、その後は月額900円(税込)です。Apple TV+で配信されている作品は、すべてここでしか観ることができない独占配信作品です。

Apple TV+

 

シーズン1あらすじ(ネタバレ)

①ファウンデーション

 数学を用いて将来を予測する歴史心理学者のハリ・セルダンは、学問が禁じられている惑星シンナックスにいた数学の天才少女ガール・ドーニックを招待する。ハリによると、銀河帝国は近いうちに崩壊するという。ハリは、崩壊は避けられないので、文明の崩壊後に人類の再興を手助けするために、人類の知恵をまとめた「ファウンデーション」の製作を提案する。ハリと助手のレイチ・フォスらの一団は、銀河系の端にある惑星ターミナスでの作業を命じられた。

 

 惑星ターミナスへ向かう宇宙船の中では、ガールとレイチが付き合い始めていた。旅の途中で、レイチはハリを殺害する。その直後に、ガールを脱出ポッドで逃がされた。レイチは、ハリ殺害の罪で死刑を下された。

 

 ターミナスに到着した一団は、ファウンデーションの製作を始めた。惑星にはヴォルトと呼ばれる謎の浮遊物体があり、その周辺には人が立ち入ることが出来ないヌル・フィールドと呼ばれる領域があった。ただし、番人のサルヴァー・ハーディンだけは、ヴォルトに近づくことが出来た。

 

 宇宙船レイブンに到着したガールは、プログラム上のハリの意識を会話をする。会話を通して、ガールはハリの暗殺は意図的なものであり、ハリを神格化するための行動だったと聞かされる。また、船はハリの故郷であるヘリコンに向かっており、そこで2つ目のファウンデーションを製作する計画であることを知る。

 

 本来、ハリが自殺してレイチがヘリコンに向かう予定だった。しかし、レイチとガールが付き合い始めたことにより、計画に支障が出ては困るので、ハリはレイチを殺人犯にした。師の行動にショックを受けたガールは、脱出ポッドで宇宙空間を旅することにする。

 

 ターミナスには、惑星アナクレオンからの一団が侵攻してくる。アナクレオン軍は、ランダムに空間をジャンプをして姿を消す幽霊船インビクタスを求めていた。番人サルヴァーとともに出発した一団は、様々なトラブルに見舞われながらもインビクタスを発見。最終的には、サルヴァーがインビクタスを掌握し、ターミナスに戻ってきた。

 

 サルヴァーの恋人でセスピス人のヒューゴは、ターミナスからの助けに応じて帰ってきていた。そこに、しぶとく生きていたアナクレオン軍のファラが戻ってきて、ターミナスにいた人々を攻撃し始める。昔から敵対関係にあったセスピスとアナクレオンは、ここでも衝突することになる。そのとき、ヴォルトからハリが出てくる。

 

 プログラムのハリは、アナクレオンとセスピスが敵対しているのは帝国の策略であり、両惑星は協力するべきだと主張する。両惑星は、ターミナスで協力関係を築き始める。サルヴァーは、自分の正体がガールとレイチの娘だと知り、旅に出る。ガールとサルヴァーは、ガールの故郷の惑星シンナックスでついに出会った。

 

②皇帝のクローン制

 帝国は代々、初代皇帝クレオンのクローンによって統治されていた。常に3人のクローンが在位し、若い方からブラザー・ドーンブラザー・デイブラザー・ダスクと呼ばれている(それぞれ夜明け、日中、日暮れという意味)。

 

 ハリの裁判が行われている頃、惑星トランターのスターブリッジがテロ攻撃によって崩壊し、多くの犠牲者が出る。当時のデイのクレオン12世は、犯行グループを特定できなかったものの、惑星アナクレオンとセスピスに直接攻撃を仕掛け、両惑星に大量の死者を出した。

 

 35年後。ドーンのクレオン14世は、自分が左利きだったり色盲だったりするなど、クローンであるにも関わらず他の皇帝とは異なる身体的特徴があった。しかし、その不完全さを他の皇帝に知られるわけにはいかなかった。自殺を試みようとしたドーンは、庭師のアズーラと出会う。

 

 アズーラは、トランターの地下で生活しており、そこはとても生き生きしていると語る。瞬く間にドーンとアズーラは関係を深め、ドーンは宮廷を脱出すれば良いではないかとアズーラに諭される。その計画にのっとり、ドーンは脱出してアズーラの家に向かった。しかし、実はアズーラは帝国に対する反乱グループのメンバーだった。

 

 ドーンの身体的特徴は、誕生前の遺伝子を反乱グループが操作した結果だった。グループは、完璧なバージョンのクレオン14世のクローンも作っており、元のクレオン14世を自発的におびき出してから入れ替わらせる計画だった。だが、ダスクがドーンの行動を追跡していたため、グループは壊滅させられる。

 

 そのころ、デイことクレオン13世は、惑星メイデンで巡礼に挑戦していた。惑星メイデンのゼファーたちは、クローンには魂がないと考え、皇帝のクローン制に疑問を投げかけていた。巡礼の果てにデイは啓示を受けたので、ゼファーたちはクローン制を認める。だが、デイの啓示は、初代皇帝のときから仕えてきているアンドロイドのデマーゼルの啓示を利用した嘘だった。

 

 惑星トランターに帰ってきたデイとダスクは、ドーンの処遇について揉めていた。そのとき、デマーゼルが14世の首をへし折る。デマーゼルは、常に皇帝ではなく帝国に仕える存在だからだ。その後、クレオンの遺伝子はすべて反乱グループにより汚染されていたことが明らかになる。デイとダスクの遺伝子も完璧ではなく、初代皇帝クレオンの完全な遺伝子はもう残っていなかった。

 

 

感想・解説(ネタバレ)

①ガジェットに個性を

 アイザック・アシモフの代表作『銀河帝国興亡史』シリーズ待望の映像化!Apple TV+史上最大のSF超大作!という触れ文句の通り、映像の本気度から、『ファウンデーション』が大作スペースオペラを目指してきたのが分かります。

 

 特に、第1話は力が入っています。ガール・ドーニックの故郷の水の惑星は、空を見上げると惑星を囲む環を見ることが出来ます。ガールが向かったトランターは、建物がぎっちり建っている都市型惑星です。巨大な図書館にいた心理歴史学者のハリ・セルダンは、小型の立方体のようなものを取り出し、そこからホログラムが飛び出します。

 

 映像の見せ場は、第1話の最後。惑星トランターから宇宙に向けてそびえたつ宇宙エレベーターが、テロリストによって爆破されます。巨大建造物は、地上に向かって崩壊していきます。シーズン1を通しても、映像的に一番面白かったのはこのシーンかな。第5話の下の画像の宇宙船が墜落するシーンも良かった。

 

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 宇宙船や武器など、SFガジェットはいずれも綺麗に作られていますが、個性があるとは言い難いです。惑星ターミナスにあった移動用ポッドは、『スター・ウォーズ』のタトゥイーンにあったものにそっくり。同時期に公開されていた映画『DUNE/デューン』のオーニソプター(羽ばたき機)などのガジェットを見ていたので、なおさら個性の弱さを感じてしまいました。

 

②人類は猿からやり直す!?

 アシモフの本は『われはロボット』と『鋼鉄都市』は読んだことがあるのですが、『ファウンデーション』シリーズは未読。設定も何も知らずに、ドラマを見始めました。

 

 原作の『銀河帝国興亡史』またの名を『ファウンデーション』シリーズは全10作。その中で最初の3作『ファウンデーション』『ファウンデーション対帝国』『第二ファウンデーション』が一つのまとまりになっています。原作のタイトルだけでも知っていれば、第二ファウンデーションの存在がわかってしまうんですね。

 

 「ファウンデーション=基礎」とは一体何なのかですが、これは銀河帝国崩壊後に人類の再興を助けるため、人類の知恵をまとめたもののようです。「知の巨人」アシモフらしいガジェットです。知識を何よりも重視するのは好きです。

 

 ファウンデーションにどのような知識をどうやって残すのか?というのは、興味深い疑問です。ドラマの中では、時間の計り方として、日時計が良いと書き残すべきだと議論されていました。ということは、銀河帝国崩壊後の人類は、日時計すら知らない頃に逆戻りすると彼らは予想していることになります。

 

 これは、とてつもない歴史の逆戻りを想定しています。古代エジプトには、すでに日時計がありました。それより前となると、ろくな文明はありません。猿に近いです。銀河帝国が崩壊すると、人々は科学技術を失うだけでなく、ほとんど猿レベルから人類をやり直すことになります。どうやら将来的には、凄まじい帝国の崩壊が起こるようです。

 

 なお、この銀河帝国は、私たちの地球が位置する天の川銀河にあります。『スター・ウォーズ』のような遥か彼方の銀河系ではありません。大昔に、地球で暮らしていた人類は、目覚ましい科学技術の発展により、銀河系中に移住。今や、惑星間で抗争が起こるほどになっています。

 

③クローン制は原作にない設定

 銀河帝国の崩壊のきっかけになるとハリ・セルダンが示唆している皇帝のクローン制。帝国の皇帝は、すべて初代クレオンのクローンたちが在位しています。この制度のほころびは、クレオン14世のときに現れました。14世は、他のクレオンたちとは異なる身体的特徴がありました。これは、生まれる前に反乱グループにより遺伝子を操作された結果です。

 

 このように、ドラマのメインストーリーの1つにもなっている皇帝のクローン制ですが、これは原作にはない設定だそう。これは驚き! クローン制でないならば、普通の世襲制だったのかもしれませんが、そうなるとクレオン14世のトラブルが全く起きなかったはずです。かなり大胆な設定改変を行っています。

 

 クレオン14世も『王様ランキング』のボッス王国にいれば、少なくとも殺されることはなかったでしょうに。

 

④銀河帝国幕末史

 シーズン1を通して、何気に重要なのが惑星アナクレオンとセスピスです。第2話では、クレオン12世により、両惑星は総攻撃を受けていました。『スター・ウォーズ エピソードⅣ』のオルデランのように。惑星破壊まではいきませんでしたが。

 

 それ以前から、皇帝たちにとってアナクレオンとセスピスはやっかいな惑星だったようです。なので、わざわざアナクレオンの王を暗殺して、それをセスピスのせいにしたりしていました。2つの惑星が反目し合っていれば、皇帝に対しては攻撃してこないだろうという目論見です。

 

 その企みは、見事に成功していました。両惑星は、理由も分からず、とにかく反発し合っていました。ちょうど幕末の長州藩と薩摩藩のように。それならば、薩長同盟を結ばせれば、幕府を倒せるかもしれません。ハリはそう考え、両藩を協力させたのでした。ハリ・セルダンは坂本龍馬だったのです。

 

総評

 Apple TV+が満を持して送り出したSF大作ドラマ『ファウンデーション』。シーズン1の時点では、まだまだ話は序章に過ぎず、助走段階といった感触がします。クリエイターのデヴィッド・S・ゴイヤーは全部で80話作るつもりでいるそうなので、それもそのはず。

 

 シーズン1を後のシーズンの助走として使うドラマには慣れていますが、それでも、シーズン中盤の3人の皇帝の話や、ガールとホログラム‐ハリ・セルダンの会話は冗長に感じてしまいます。原作を知らないので、それほど強くは言えませんが、シーズン2以降はもう少し脚本が洗練されることを期待したいです。

 

 予算が掛かっているだけあって、映像は綺麗です。このドラマ独自の個性を見出せてはいないものの、技術は十分にあります。リー・ペイスが着ている皇帝のダサい衣装にもようやく慣れてきたので、今後は映像面でのアイデアでも目新しいものが見られると嬉しいですね。

 

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 色々言いましたが、たぶんシーズン2も観ると思います。結局、自分はSFが好きで、『ファウンデーション』も退屈するほどではありません。クレオン14世の生誕にまつわるドラマオリジナルの謎とその真実は、特に面白かったです。今後も期待してます。

 

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