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ドラマ『バンド・オブ・ブラザース』感想:地獄の先で兵士たちが見たものとは

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We're not lost, Private. We're in Normandy.

- Maj. Richard Winters in "Band of Brothers"

 

 第二次世界大戦には、地獄が存在した。知識としては、誰もが知っています。映画でも観たことがあるかもしれません。しかし、『バンド・オブ・ブラザース』は、これまでにないスケールで第二次世界大戦の真の姿を描き出します。

 

 

 

『バンド・オブ・ブラザース』基本データ

・原題:Band of Brothers

・放送局:HBO

・放送日:2001年9月9日~11月4日

・話数:10

・原作:スティーヴン・アンブローズ『バンド・オブ・ブラザースー男たちの深い絆ー』

・制作総指揮:スティーブン・スピルバーグ、トム・ハンクス

・キャスト:ダミアン・ルイス、ロン・リビングストン、ドニー・ウォールバーグ

・あらすじ:

 アメリカ陸軍第101空挺師団のE中隊の視点で、訓練時代から終戦まで、第二次世界大戦を描き出す。

・予告編:

www.youtube.com

 

映画スケールの戦闘シーン

 『バンド・オブ・ブラザース』の最大の見所と言っても良いのが、ほぼ毎エピソードで繰り広げられる映画スケールの戦闘です。地上最大の作戦と言われる「ノルマンディー上陸作戦」、オランダを舞台に展開した「マーケット・ガーデン作戦」、そして極寒の森での「バストーニュの戦い」など。いずれ劣らぬ見応えがあります。

 

 中でも特に、バストーニュは印象的でした。最大の戦闘はノルマンディーだったのかもしれませんが、最も辛かったのはバストーニュだったに違いありません。極寒の中、何日も外で眠り、いつ砲撃されるかもわかりません。砲台の音が鳴り響く度に、誰かが犠牲になっていきます。この中で正気を保てという方が無理でしょう。

 

終わりの見えない地獄

 映画並みのスケールを誇るドラマ『バンド・オブ・ブラザース』(BoB)。しかし、BoBには映画とは決定的に異なる点があります。それは、尺です。映画は、長くてもせいぜい3時間程度しかありません。トイレを我慢できる時間で観終わります。しかし、BoBは10時間あります。

 

 尺が、これほど長いと言うのは、意外と重要なポイントだと思っています。第二次世界大戦のような戦争の兵士にとって、終わりが見えないことの絶望感は強く感じていたに違いありません。映画でも、そのことを表現しようとはするのですが、そうは言っても高々3時間で終わってしまいます。

 

 一方のBoBは、壮絶な戦闘をほぼ毎エピソードで目の当たりにすることになります。その中で、毎回多くの兵士が負傷し、死んでいきます。一回の戦闘が終わっても、まだ次があります。観ている人もまた、その尺ゆえに戦争の終わりまで見据えることは難しく、終わらない地獄を疑似体験します。

 

地獄の先に見えたもの

 E中隊は、第9話でようやく戦闘から抜け出すことが出来ます。しかし、地獄を脱出した彼らが、ドイツで目の当たりにしたのは全く別の地獄でした。ユダヤ人の強制収容所です。

 

 今でこそ、私たちはナチス・ドイツがユダヤ人を虐殺していたことを知っていますが、当時の連合軍はそんなことは想像だにしていませんでした。自分も『バンド・オブ・ブラザース』を観ている間は戦闘の壮絶さに気を取られて、強制収容所のことは失念していました。そのため、当時の人々の視点から、改めてナチス・ドイツのやったことを再確認することになりました。

 

 ドラマの中では、強制収容所で何が起きていたかについては詳しく語られません。ただ、その痕跡のみが映し出されます。大量の死を目撃してきた兵士たちでさえも黙らせる、その光景は衝撃です。

 

まとめ

 このドラマは、タイトルの通りバンド・オブ・ブラザース(兄弟たちの絆)を主題としているようです。でも、自分にとってはむしろ、戦争の恐ろしさをこれまでに感じたことがないほど強く体感させられた作品になりました。戦争に対する認識を再確認する作品として、またテレビドラマ史においても重要な作品として、一度は観ておきたい作品です。

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