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- Misty, Yellowjackets season 1
飛行機が墜落して、サバイバルをしなければならない……。なぜか海外ドラマの世界ではよく出てくる設定であり『イエロージャケッツ』もその一つです。でも、このドラマにはいくつかユニークな点もあります。特に、曲者キャラの曲者っぷりが凄い。黄色いプードルヘアの彼女だけではありません。今回は、海外ドラマ『イエロージャケッツ』シーズン1の登場人物・キャストの紹介、そしてネタバレ感想をまとめていきます。
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基本データ
- 原題：Yellowjackets
- 放送局：Showtime
- 放送期間：2021年11月14日～2022年1月16日
- 話数：10
- キャスト：クリスティーナ・リッチ、メラニー・リンスキー、ジュリエット・ルイス、タウニー・サイプレス
- あらすじ：高校女子サッカーの強豪チーム「イエロージャケッツ」のメンバーが乗った飛行機が墜落した。メンバーは、森の中でサバイバルをすることになる。25年後、4人の生存者のもとに”ある秘密”を知る者から脅迫状が届く。
- 予告編：
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登場人物／キャスト（軽いネタバレあり）
ショーナ／ソフィー・ネリッセ→メラニー・リンスキー
獲物の処理を主に担当。旅の出発直前にジャッキーの彼氏のジェフと浮気をしたせいで、今は妊娠している。25年後はジェフと結婚しており、その間に1人の娘がいる。最近はアダムと不倫をしている。
ジャッキー／エラ・パーネル
ショーナの親友。ジェフと付き合っている。25年後の時点で、すでに死亡していることが明らかになっている。
タイッサ／ジャスミン・サヴォイ・ブラウン→タウニー・サイプレス
ヴァンと恋愛関係にある。25年後、上院選に立候補している。便利屋を雇い、事件のことを調べさせている。強いストレスがかかると夢遊病の症状が出る。
ヴァン／リヴ・ヒューソン
タイッサの彼女。オオカミに襲われて大怪我を負う。
ナタリー／ソフィー・サッチャー→ジュリエット・ルイス
銃の扱いが上手い。父親を銃の事故で亡くしている。25年後、薬物依存症になり、今はリハビリ中。
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トラヴィス／ケヴィン・アルヴェス
ナタリーの彼氏。弟のハビとともに生存している。25年後、自殺と目される方法で死んでいるのを発見された。しかし、その近くには例のマークが蝋燭で記されていた。
ミスティ／サミー・ハンラティ→クリスティーナ・リッチ
チームのマネージャー。赤十字の訓練を2回受けたことがあり、墜落時に全員の緊急手当てを行った。緊急信号を発信していたブラックボックスを破壊している。25年後、介護士の仕事をするかたわら、趣味で市民探偵をやっている。黄色いプードルヘアが特徴的。
ベン・スコット／スティーヴン・クルーガー
コーチ。墜落時に脚を大怪我し、右脚を切断させられた。ミスティによって看護されており、場を穏便に済ませるため両想いのフリをしているが、実際はゲイである。
ローラ・リー／ジェーン・ウィドップ
信心深い。クマのぬいぐるみを欠かさず持っている。助けを呼ぶために、飛行機を操縦して脱出を試みる。
ロッティ／コートニー・イートン
降霊会をしているときに、霊に憑りつかれた。子供のときにも交通事故を事前に回避したことがあり、未来予知能力があるとされる。
ネタバレ感想
ドラマ『イエロージャケッツ』はいわゆる「飛行機墜落サバイバルもの」ですが、飛行機が墜落するのは第1話のラスト。それまでは、まだみんな平穏な日常生活を送っています。サッカーの練習中に一人は脚を複雑骨折しましたが、この後に起こることに比べればまだまだマシな方。
チームが女子サッカーの全国大会に向かうとき、飛行機は森の中に墜落してしまいます。操縦士や監督を含め、ほとんどの大人たちは死亡。生き残ったのは、イエロージャケッツのメンバーと死んだコーチの2人の息子、そしてコーチのベン・スコットのみ。
そんな緊急事態に、大活躍するのがミスティ。赤十字の訓練を二度受けたことがあるとかで、墜落時にみんなの緊急手当てを行っています。コーチの脚を切断し、その処置まで行ったところを見ていると、並大抵の技量ではありません。それまでは、サッカー部のマネージャーとして、あまり注意を向けられてこなかった存在ですが、飛行機事故によって一気に株を上げています。
しかし、このミスティ。相当こじらせた者であることが徐々に明らかになっていきます。第2話のラストでは、遭難信号を発信していたブラックボックスを破壊してしまいます。遭難したままならば、みんなから必要とされ続けて尊敬を得られるからです。コーチ・スコットへの執着ぶりも凄まじく、わざと足を引っ掛けて転ばせるだけでなく、毒を飲ませることまでしています。
25年後になっても、そのこじらせっぷりは変わっていません。脅迫事件についてナタリーに相談されてから、一緒に調査をしたくてナタリーの車を壊しています。その後も、ナタリーの部屋に隠しカメラを仕掛けたり、脅迫者と目星を付けた者を監禁したりし、死体の処置にも喜んで手を貸しています。ミスティの他人への執着度は偏執的なほどで、他人と何かしらの関係を築くためには何でもします。
ミスティのクレイジーさがずば抜けているので、ほとんどミスティ劇場となっていますが、このドラマには他にもたくさんの曲者キャラが登場しています。例えば、ナタリー。ブロンドヘアにきりっとした黒い眉が特徴的なナタリーには、惚れる男子生徒も少なくないはず。25年後には、ショットガンを持ち歩く薬物中毒者になっていますが、それでもトラヴィスへの想いが続いているのを見ると、意外に一途なところもあります。
上院選に出馬しているタイッサは、墜落事故後も順調に人生を送ってきていました。妻と子供がいて、最終的には選挙にも勝っています。とはいっても、深刻な夢遊病のせいで、家族は離れていってしまいました。便利屋を使って墜落事件のことを調べさせているのも、公表されたら致命的になる秘密があるからなのでしょう。これからの人生は順調に行きそうにはありません。
25年後の生存者はもう一人、ショーナがいます。ミスティは明らかにクレイジーですが、ショーナも実は隠れクレイジーです。墜落事故の直前には親友ジャッキーの彼氏と浮気をしており、妊娠もしてしまいました。大人になってからも不倫をしています。不倫自体は大目に見るとしても、自分の娘を脅しているのには、ちょっとビビりました。私のことを夫のジェフに言うのは勝手だけど、そんなことをしたら金銭的にも日常的にも困るのはアナタなんだからね、と娘に釘を刺しています。親にそんな脅しを掛けられたら怖いんだよ！
実際に殺人を犯したのも、今のところショーナだけです。遭難時には、第9話のマジックマッシュルームの宴でトラヴィスの首にナイフを当てていましたが、このときはまだ殺していません。殺人は25年後に起こりました。不倫相手のアダムが脅迫相手だと思い込み、思わず刺し殺してしまったのです。ごめ～んと思ったときにはもう手遅れ。刺したのが腹なので、救急車を呼べばまだ助かる見込みもありそうでしたが、そんなことはしませんでした。
仕方なくミスティの指導のもと死体処理をすることになります。このとき、ショーナは死体をバラバラにする作業を割り当てられるのですが、あたかも食用生肉を切っているかのように難なく切断しています。動物の死体ならともかく、ベッドをともにした相手の死体を平気で切り刻めるというのは、なかなかの精神の持ち主です。
25年後の時点で登場する生存者はミスティ、ナタリー、タイッサ、ショーナの4人と自殺したトラヴィスだけですが、それ以外の全員が死んでいると決まったわけではありません。シーズン1では、信心深いローラ・リーの操縦する飛行機が空中分解して死亡し、ショーナの親友のジャッキーが仲違いをして屋外で寝ていたために凍死してしまっただけです。2人死んでいるのに、”だけ”と言うのも変な話ですが、たぶんこれからもっと死にます。あるいは生き残るのかもしれません。最終的に他のメンバーが生還できるかどうかはまだ不明なのですから。
タイッサの彼女のヴァンは、旅客機墜落直後の火事で見捨てられたとき、ローラ・リーがいきなり飛行機を発進させようとしたとき、オオカミに襲われたとき、その後に生きたまま火葬されそうになったときの計4回ほど死にそうになっていますが、まだしぶとく生き残っています。果たしてこの強運のまま、最後まで生き残って脱出することはできたのでしょうか？
ロッティの存在も気になります。遭難時には、しばしば未来予知能力を発揮していました。あれは本当に予知能力なのでしょうか？ シーズン1のラストシーンでは、ミスティとヴァンとともに生肉を捧げる儀式をしていました。25年後では、自殺したはずのトラヴィスの口座をいじったのがロッティであることが明らかになっています。25年後の場面は、ロッティが実際に姿を現したわけではないので、単に誰かが名前を使っただけの可能性もあります。謎の多い存在です。
第1話では、森で謎の宗教儀式のようなことが行われていました。その中の一人が、ミスティであることは明らかになっています。しかし、そのボスは誰なのでしょう？ 海外では、Antler Queen（鹿の角の女王）は誰なのかと話題になっています。また、ミスティが監禁していたフィクサーによると、人喰いが行われていたとの噂もあります。1年7ヶ月間のサバイバル期間に一体何があったのか？ 本当の恐怖はまだ始まったばかりです。
総評
ティーンエイジャーたちが主人公のドラマは、どれも似通ったキャラクターが出てきがちなのですが、『イエロージャケッツ』は違います。かなりの曲者揃いです。特にミスティの突き抜けたサイコっぷりは見もの。ショーナやロッティも、第一印象よりはるかにクレイジーな一面を持っていました。こういったキャラクターたちのおかげで、このドラマは他のティーンドラマやサバイバルドラマとは違った魅力を持っています。
一方で、ドラマ全体としては、墜落事故と25年後を交互に描いているので、若干テンポが悪くなっているように感じることもあります。墜落事故の方がハラハラして面白いので、こっちだけやっても良いんじゃないのかなとも思ったりもしました。でも、25年後の物語の方が良い役者は揃っていて、特にミスティとショーナのキャラクターは25年後の物語があるからこそより面白くなっています。
若干のテンポの悪さはシーズン2に入れば改善されていくのでしょうか。それは期待してみても良いでしょう。シーズン1の最終話でいくつも急展開がありましたから、こちらの物語も遭難の物語に引けを取らないほどスリリングになることを楽しみにしています。『イエロージャケッツ』はシーズン2の制作がすでに決まっていますが、放送日時などは未定です。
＊追記：『イエロージャケッツ』シーズン2は、米Showtimeで2023年3月26日より放送予定。日本での配信・放送予定は未定です。すでにシーズン3が製作されることも決まっています。
