
ポッドキャスト版『海外ドラマパンチ』の新エピソード「ドイツの海外ドラマ3選『ダーク』『バビロン・ベルリン』『クレオ』」の配信を始めました。Spotify, Apple Podcasts, Amazon Music, Google Podcasts, YouTube等で配信中です。この記事では全文書き起こしを掲載しています。
バドワイザーの話
皆さん、バドワイザーって知ってますか?バドワイザー。これあの、アメリカのドラマには結構出てくるんですけども、ビールですね。僕が結構印象に残っているのは、『デクスター ニュー ブラッド』で見たバドワイザーです。本シリーズが終わった後復活した『デクスター』ですね、『デクスター ニュー ブラッド』で。
デクスターが、まあ本当に別に何気ないシーンだったと思うんですけども、田舎の道路のそばにあるバーかな、なんかそんなところで、マスターに「なんかバド1本」みたいなことを言って、バドワイザーの瓶を出してもらって、それを一気、一気じゃないけど、なんかラッパ飲みするみたいな、そういうシーンがあって。それで「ああ、これバドワイザーなんだ」「なんかめっちゃあの海外ドラマで見るな」なんて思ってたんですよね。
で、実際ちょっと調べてみると、このバドワイザーっていうビールは、世界一売れてるビールみたいなんですよ。なんで、まあちょっと飲んでみたいなって思って。それ思ったのは本当に僕がビール飲めるような年齢になった年ぐらいなので、僕はまだ20歳になったぐらいで、ビールもそんな飲んでないぐらい、缶ビール、生ビールを1本ぐらい飲んだとか、本当にそのくらいの時に思ったんですよ。その海外ドラマに出てくるお酒って、「あ、この年ならもう飲めるんだ」ってことに気づいて。
その時にちょうど見てたのが『デクスター ニュー ブラッド』で、「バドワイザー、あ、これ飲めるな」って思って。近くのスーパー行ったら、普通に売ってたんですよね。多分結構いろんなスーパーでも売ってるのかなって思うんですけども、このバドワイザー売ってまして。値段も別にそんな高くなくって、日本の生ビールと、まあちょっと50円ぐらい高かったかもしれないですけど、まあ全然買える値段だったので買ってきて。家で飲むことにしたんですよね。「これ一体どんな味なんだろう」って。
その時飲んでみたんですけども、もうこれが、まあ正直ね、正直その時の感想としては「あ、なんか水みたいだな」。「なんかあんまりいい印象がなかった」というか、「なんか薄い味だな」と思って。正直全部飲めなかった気もしますね。あんまり美味しくなかったっていう気もあって。ただ正直当時、20歳で本当にビールも全然飲んでないというか、生ビール、キリンとか生ビールですらあんまり飲めてなかった頃なので。それでいきなりバドワイザーを飲んでもっていう頃だったのかもしれないですよね。
それでまた最近、ちょっとアメリカ風のレストランというか、タコスとか食べられるところにちょっと友達と行って。そこのアルコールメニューにバドワイザーがあったんですよ。あとはコロナビールとか、そういう海外のお酒が揃ってるようなところだったので。「ちょっと久しぶりにちょっとバドワイザー行ってみるか」と思って。僕今ではもう日本のビール、生とか全然普通に好きですから。居酒屋行ったらとりあえず生という注文はしますから。「ちょっと久しぶりにバドバイザー行けるかな」「今度は美味しいって思えるかな」って思ったんでしたね。
それで、まあ飲んでみたら今度は大丈夫でした。今度はね、普通に美味しかったんですよ。やっぱりちょっと味は薄いのかなと。生ではないからっていうことなんですかね。ちょっと日本のよく飲まれてるものより味が薄めなのかなと思ったんですけども。でも全然美味しくて、なんかどんどんいけちゃう感じがしました。だから世界中売れてるのかな、なんて思って。なんかどんどん飲めちゃうからみんな飲んじゃうみたいな、バーでどんどん頼んじゃうみたいな感じなのかな、なんて思いました。
これで僕もね、またそういう時にバドワイザーがあったら、コロナビールよりはバドワイザーを頼んでいこうかなと。ギネスよりもバドワイザーという事で。そうすることでね、デクスターに一歩近づくじゃないですか。そういう海外ドラマを身近に味わう事ができますからね。そういう事やっていきたいなと思ってるんですよ。これで僕もデクスターに一歩近づいて、あとはね、ナイフの使い方さえ覚えればいけるなっていうことで。
今回はビール繋がりです。ビールといえばドイツ、まあバドワイザーはアメリカなんですけども。なんかこんなヨーロッ パっぽい名前してるのに、生産国がアメリカなんですけども。
『クレオ』
とにかく今日お話ししたいのは、ドイツのドラマです。実はね、ドイツのドラマというと、どうだろう、まあ思いつくものがある人、ない人いると思いますが。結構面白い作品が何個かあるんでしょうね。ということで、今回は3作品お話ししようかなと思います。
まず1つ目がですね、『クレオ』。これNetflixで配信されてます。もうシーズン2までやってますね。シーズン2がちょうど去年ぐらいでしたかね。シーズン1がその2年前ぐらい、2021か2年ぐらいだったと思いますけど、配信された作品です。これどういうものかというと、まず舞台が、ベルリンの壁が崩壊する直前、まだその東西ドイツ分かれてた時で。
その主人公っていうのは、女性のスパイですね。諜報員というか、実働部隊です。暗殺者みたいな事をやってたんですが。ある日突然なんかいきなり逮捕されちゃって、牢屋に入れられちゃったんですね。ですが、ベルリンの壁崩壊と共に、まあなんかよくわからないですけども、釈放されることになって。そこで、そっからクレオは、自分を貶しめたもの、自分を裏切って牢屋に入れたものを探し、復讐する旅に出るっていう話なんですよ。
これまず良いのがですね。主人公がすごく魅力的で。有名なところだと『キリングイヴ』ありますよね。あれの暗殺者にもかなり似てますね。かなり似て、こちらのクレオも結構変装とか色々しますね。清掃員とか、なんかもっとおしゃれなパーティー会場とか。そういったところに潜り込むみたいな事をやって、華麗にターゲットを殺していくというところがすごく良いですよ。
またキャラクター、性格としても、ツンデレですかね。ツンデレみたいな所がすごくあって。任務の時、復讐の時はすっごいサバサバとやっていくんですが。時々ね、なんか途中から同居人が出てくるんですよ。ひょろひょろした男の同居人が。なんかどこで出会ったか忘れ、パーティー会場かなって出会ったと思うんですけどね。そこでその男を見つけて、「ティロ」か「ティロ」って言いますね。
ティロをクレオが見つけて。で、なんか「ちょっと今日はうちに来てくれない?」「ちょっと一人で寝るの寂しいからさ、隣で寝てくれない?」みたいなこと言ってね。なんか可愛い感じて言って。でも「そういうのは無しだから、隣で寝るだけだからね」って言ってね。そう言って、相手のはもう普通に「ああ、いいよ」みたいな、結構、なんて言うの?。軽い感じの男。ずっとラリってる人です。はい。ずっとらりってるような人なので、「あ、いいよ」って、ただ添い寝だけをね、その日の夜はするっていう所もあったりして。なんかそういうツンデレの「デレ」とはちょっと違うのかもしれないですけども。可愛らしい側面もあって。
あと、その主人公の服装、コスプレとかも含めてなんですけども。この東ドイツ的な、なんて言うんでしょうね、デザインというか。いろんな、まあ家とか家具とかそういうの、まあ多分凝りはされてるんだと思いますけども。カラフル、そう、抑えた感じのカラフルさというか。なんかあの時代の東ドイツ、まあ東ヨーロッパあのらしさがあって。それは見てるだけで凄くおしゃれだなと思いますね。そこも結構注目して欲しいですね。
この話、『クレオ』って話は、シーズン1がその復讐の話で。あとシーズン2、シーズン2はちょっと話が違うんですけども。でもなんか、まあ似てるのかな、何かを追いかける、何か赤い鞄があってそれを追いかけるみたいな話があって。それがアクションドラマとしてのメインストーリー、アクションコメディとしてメインストーリーなんですけども。
それと同時にですね、やっぱりこの話の筋としてあると思うのが。ベルリンの壁が崩壊した後に、クレオ、そしてそのクレオの仲間達が、どう生きていくのかって話でもあると思うんですね。この主人公のクレオっていう人は、東ドイツがあった頃は、東ドイツに尽くすことを生きがいにしていたわけですよね。スパイですから。もう命をかけてでも東ドイツのために任務をこなす。
それはクレオの上官たち、指令を出すような人たちも同じで。やっぱり東ドイツあってこその人生を送ってきたわけですよね。それがなんかある日突然に、急に東ドイツはもう無いです、みたいな。もう東も西もないです、みたいなこと言われちゃって。なんかそうなるともう自分達は何のために仕事をしてきたんだろう。何のために生きてきたんだろうっていうことに、急になってしまうわけですよね。その彼らの立場になってみると。
実際そのクレオが尋ねたその昔の上司の一人は、もうなんか東ドイツのことなんか忘れたよ。なんか俺はもう実業家としてやっていくんだ、みたいな。そういう資本主義的な所に飲み込まれた人もいますし。そういった人達と会いながら、クレオ自身今後何のために生きていくのかね。クレオもそれまでそんななんか自分のために生きるって事あんまりしてこなかった人なんですけども。でも今度からね、東ドイツがないわけですから。そしたら自分のために生きていこう、というような事も、見つけ出してやっていくという。そういった見方もできるドラマだと思うので、凄くこれ面白いですね。Netflixのオリジナルドラマになっております。
『ダーク』
続いて、2本目いきましょう。同じくNetflixオリジナルで『ダーク』ですね。はい、『ダーク』いきましょう。こちらはですね、制作年として、2016年あたりのドラマですかね。ドイツの田舎の町が舞台になっていて。なんか森に囲まれたようなね。そこで、ある少年の失踪事件が起きると。
この始まり自体は結構めちゃくちゃ良くあるNetflixドラマの始まり方ですよね。『ストレンジャー・シングス』もそうでしたし。何でこうもNetflixドラマ失踪から始まることが多いんだろうって思いますけども。とにかく『ダーク』もそういった始まり方をして。でもその後がどんどん、なんか予想外の展開をしていく。これは言ってもいいと思いますが、SFドラマでタイムトラベルがちょっと関わってきたりしてます。
でもね、これだけ言っただけじゃまだ全然想像できないような話の展開してきますから。これ是非見て欲しいんですよね。まあね、ダーク良い所は音楽ね、音楽が結構良い。あんまり知らない音楽を結構使ってるんですけども。オープニングとかもあの、暗いうつうつとした音楽というか。「デロレロン デロレロン デロレロン」みたいなあの感じの音楽を使っていて。決して明るいとかキャッチーっていうわけじゃないんですけど。でも凄く耳に残る、印象に残る音楽を使ってるんですよね。
あと、毎回エピソードの終盤、3分から5分ぐらいかな、セリフが無くて、音楽だけになるシーンがあるんですよ。音楽だけでそのそこまでの登場人物達がした事のなんか決断を描くとか。或いはその結果を描くとか。とにかく色々、そういった重要な場面がセリフ無しで音楽だけでこう盛り上げて描くって事をこれ毎回やってるんですよね。っていうことで、凄く効果的な使われ方をしてますし。その音楽のそのシーンで感動させられるっていう所は結構あります。なのでね、サントラもたまに聞きますしね。
いやでもね、何よりもね、『ダーク』っていうドラマは脚本、ストーリーが凄い。この緻密さ。もうね、これは驚かされますよ。話めちゃくちゃ複雑なんで。初めて見る時はちょっとメモしながらやっても良いぐらいの複雑さなんですよ。僕はちょっとそういう、僕結構遅れて見たんで、そういった噂は聞いてたんで。自分でメモ用紙して、家系図をメモしてたんです。登場人物がめちゃくちゃ多いんで、その関係とかを書けるように。
だからこれは結構皆さんにおすすめなんですけども、家系図自分で書いて整理していくと良いと思います。ネットにもあるんですけどもね、エピソード毎の登場人物整理表みたいなのあるらしいんですけども。自分で書いてみても良いと思いますし。ちゃんとその意味がありますからね。気持ち良さがまた桁違いなんじゃないですかね。
特にシーズン3後半になって。このシーズン1からずっとやってきた事がもう一気に全部回収される。一気に何か話が畳んでいくので。シーズン1の終盤も、シーズン2の終盤もそうですけど。特にシーズン1ラストぐらい、そこの畳み方がもうすっごいんで。そこを完全に味わうためにも、やっぱり話はちゃんと理解しておいた方が良いと思うので。登場人物とか整理してね、しっかり集中して。
あと、あんまり期間空けて見てると、例えばシーズン1見てシーズン2見るの時間空けると、シーズン1の内容忘れちゃってとか。それちょっともったいないので。まあ結構、期間あんまり空けずに全部覚えてるうちにどんどん見ていくのが良いですね。その価値は確実に有るドラマなので。ということで、『ダーク』でした。
『バビロン・ベルリン』
そしてじゃあ、3本目いきましょう。3本目はですね、『バビロン ベルリン』ですね。バビロン ベルリン。これどこで配信されてるのでしょう?まあHuluとかでやってたと思いますけども。制作年も同じような感じです。2016、7とかそんなもんだと思います。
これ舞台がですね、1920年代後半から30年代とかになります。だから第一次世界大戦の後、第二次世界大戦の前という事になります。そこが舞台で、主人公が、これもやっぱり刑事で。あともう一人女性の主人公が。こちらの女性は、新しく警察の秘書というか助手、仕事について。その刑事と一緒に、ある大きな事件の謎を探っていくみたいな形で。結構大きな陰謀というか、そういうのがあって。それを解き明かしていくみたいな、ざっくり凄くざっくり言うとそういう話なんですよ。
まず良いのは、この歴史、時代設定っていうのは凄くうまいなとは思いますね。やっぱりドイツの、どうなんでしょうね。ドイツの人達がその時代をどのくらい上手く扱ってるのかわからないですけど。日本だと第二次世界大戦の事は扱う、結構近畿のような扱いはされるじゃないですか。特に日本軍が為した悪事みたいなことは、凄く悪いことしてるけど、そういう事あんまり触れちゃいけないみたいな所あると思うんですけど。まあちょっとドイツ、でもドイツは結構作ってますよね、自分達で。ある反省としてっていう面もあると思いますけども。
まあまあそれはそれとして。時代設定が第一次世界大戦後、第二次世界大戦前という事で。まだナチスがギリ出てきてないんですね、ここ。ちょっとずつ出てきてるんですよ、シーズン1から。シーズン3になるとね、まあ出てきてるんですよ。そのグラデーションぐらい、本当にナチスが台頭していく様が。これはサイドストーリーではあるんですけども、描かれていて。その歴史として結構見応えが有るのかなと思いますね。
あと、セットっていうのかな、映像っていうのかな。それが凄く丁寧に作られているので、没入感も高い。これは凄く良い意味で言いますけど、綺麗じゃないですよ、全然。これまたちょっと日本と比較しちゃうとあれですけど。大河ドラマは結構綺麗な映像、綺麗な世界観が描かれる事が多いのかなという印象が有るんですけども。『バビロン ベルリン』で描かれるのは必ずしもそうじゃなくて。むしろ、お金がない人達の暮らしを本当にちゃんと汚く描いている。
ちょっとまあ言い方がむずいですけど、でもそういう事ですよ。本当にその時代ね、貧しいってそういう事ですから。なんか匂いがするような汚さを持って描いてるし。他にも、売春婦とかね、そういった人達の事も描かれてて。そういった所もちゃんと、なんだろう、あんまり美化せずに描いてるなっていう所は思ったので。そういった所もリアリティがあって、凄くリアルな世界が描かれてるなっていうのは思いましたね。
あと、そういうのとちょっと関連しますけど、この時代のドイツって結構美術的には反映してたらしいんですよね。文化的に。主な舞台になる所の1つにモカエフティっていう所があって。これダンスホールですかね。結構毎晩バンド歌手が歌ってみんながダンスして踊りまくるみたいな所があって。結構凄くダンスシーン有るんですよ。俳優さんとかが、かなりダンスも得意な人らしくって。本当に凄くダンスシーン有るんで。音楽もめちゃくちゃ良いんで、そのシーンは凄く何回も見たくなるところなんですけども、あって。それも、シンプルにそこが良いっていうのもありますし。
事実としてその当時の20年代、30年代のドイツって結構文化的に面白いものがあったらしく。映画で言うと、何て言うんでしょう?。『カリガリ博士』とか聞いた事ありますかね。僕も名前しか知らないんですけども。そういうなんか、映画的に名作とされてる映画が何本かこの時代のドイツで、作られたりするんですよ。実際この『バビロン ベルリン』のシーズン3も映画制作の話で。その『カリガリ博士』とか、あと『メトロポリス』でしたっけ?。それも確かドイツだったと思いますけども。
そういった感じの映画撮影の現場を舞台にしてたりして。本当にだから、制作としてもそういった文化的な側面を凄く見せようという思いはあるし。実際色々見られるっていうのはこのドラマ面白いなというのは思いますね。シンプルにこれサスペンスとして、刑事が出てきて陰謀ってみたいな。サスペンスとしても申し分無く面白いドラマなので。やっぱりそういったもう、しっかり作られた世界観の中でサスペンスが展開していくって、やっぱりこれ凄く面白いドラマです。なんか予算のかけ方としても、ドイツドラマ史上最高額と言われてますから。これ非常におすすめですね。
という事で以上3本、『クレオ』『ダーク』『バビロン ベルリン』紹介してきました。そうですね、ドイツのドラマ非常に面白い作品もあるので。脚本がちゃんと練られているなという、なんか真面目さっていうのが見えているようなものも多くて。あと全体的にね、衣装とか含めてデザイン的な面が凄く魅力的だなと思う作品も多くて。時にはね、そのアメリカ、イギリスの作品、もちろんそういうのが面白い事は前提としてね。こういったドイツの作品とかも見てみると良いのかなと思います。凄くおすすめです。という事で、今回は以上!
