海外ドラマパンチ

海外ドラマ最新情報・紹介・感想

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

Apple TV+ドラマ『ハイジャック』レビュー|リアルタイムで進行する緊迫の7時間

 ハイジャックものは、ハリウッド映画やドラマの中ではお馴染みの題材です。一体、何機ハイジャックされれば気が済むんだというくらいですが、またしても新たな旅客機が犠牲になりました。

 

 今回の標的は、ドバイ発ロンドン着のキングダム航空KA29便。フライト時間は約7時間。約200人の乗客・客室乗務員に対して4人組の犯人たちがハイジャックを仕掛けます。

 

 ドラマ『ハイジャック』はApple TV+で独占配信中。Apple TV+は初回7日間無料、その後は月額900円(税込)です。Apple TV+で配信されている作品は、すべてここでしか観ることができない独占配信作品です。

Apple TV+

 

基本データ

  • 原題:Hijack
  • 配信:Apple TV+
  • 公開日:2023年6月28日~8月2日
  • 話数:7
  • 脚本:ジョージ・ケイ
  • 主演:イドリス・エルバ

予告編

youtu.be

 

 去年くらいから、個人的に飛行機に強く興味を持つようになりました。海外旅行に行きたいんですよね。コロナ禍の間に散々海外ドラマを観ていたので、やっと海外に行けるようになり、実際に行ってみたいなという気持ちが強くなってきました。

 

 そんなときにこのドラマを観るべきではなかったのかもしれませんが、むしろ海外ドラマファンとしては、このくらいの題材の方が海外旅行の予習をするのにピッタリなのかもしれません。なにしろ、海外ドラマといえばテロの阻止とか殺人事件の捜査の話がとても多いですから。

 

 ともかく、ドラマで登場するキングダム航空というのは架空の航空会社です。ユナイテッド航空というのは実際にあるので、合わせるとユナイテッド・キングダムになるなぁとか思いました。

 

 標的となるKA29便は、ドバイ発ロンドン着。イスラム圏の国から出発する飛行機でハイジャックが起きるという設定なので、一昔前だったら犯人は確実にイスラム過激派グループだったでしょう。でも、今は違います。

 

 これまで、ハリウッド作品はムスリムを悪役にしすぎて有害なイメージをばら撒いていたので、現在はその反省として、ムスリムをやたら悪役にするのは避ける作品がほとんどです。このあたりは、同じくApple TV+のイギリスドラマ『窓際のスパイ』シーズン1とも共通しています。本作でも、犯人は全員イギリス人です。

 

 ただし、彼らは筋金入りの犯罪者というわけではないようです。一応リーダー格の人物はいるものの、彼にしても計画だとか誰かのためだとか言っており、どこか消極的に見えるような節もあります。

 

 そもそも、ハイジャックをした狙いも最初のうちは明らかにされていません。テロであれば、どこかに墜落させるのが目的のはずです。でも、墜落地点に関する話は全く出てきません。そうでなければ、国民を人質に取った政府に対する脅迫行為の可能性があります。それなら政府のもとに何かしらの要求が届くはずですが、犯人たちは地上と通信する意思は皆無で、要求を伝えようともしていません。

 

 そんな犯罪素人たちがハイジャックするのにKA29便は不適切だったかもしれません。なぜなら、この機にはイドリス・エルバが乗っていました。身長189cm、筋骨隆々で超絶セクシーな男が乗っていたら、普通はその存在感に気圧されそうになります。それでも、一応犯人たちは拳銃を持っているので、イドリス・エルバを見ても怯むことはなかったようです。

 

 イドリス・エルバ演じるサムの正体は、企業買収などの際に活躍する交渉人でした。これが、実際に何をする人なのか自分にはあまり想像が付かなかったのですが、ともかくそういう人がいるようです。

 

 職業柄なのか、サムは拳銃を持つ犯人たちの前にしゃしゃり出てきて交渉を始めます。こういう状況で、冷静に話ができる時点で、強キャラ感があります。彼は、まずは相手の得になる情報を適宜渡すことで信用を取り付け、それから徐々に自分たちの要求を通していこうとします。あえて情報を渡してしまうのが、上手いですね。

 

 実は、この旅客機には、元ハイジャック対策のプロだという人物も乗っているのですが、なぜかこの人は銃弾に関する論争に協力するのみで、事件にはほとんど関わっていきません。この設定が私には未だに謎です。プロがいるんだったら、明らかにイドリス・エルバではなく、そいつが交渉した方が良いと思うんです。結果的には何とかなるから良いんですけど。

 

 ストーリーは、ここで解説するまでもなく明快で、ドラマの中で十分説明し尽くされていました。わかりやすく説明するために、外務大臣とかいう人が空売りという言葉を知らないかのように振る舞っていたのはちょっと面白かったです。政府の要職に就いているような人間が空売りを知らないというのはさすがに茶番ですが、きっと空売りの概念を視聴者に説明するためのセリフだったのでしょう。

 

 そんな調子で、気になるところはちょこちょこあります。致命的ではないにしろ、指摘しようと思うとそれなりにあります。(EX. 緊急通報を受けた警官が個人宅に駆けつけても、犯人が清掃業者の恰好をしているだけで納得してしまうの!?)

 

 でも、ストーリー展開はとても続きが気になるものだったので、思わずイッキ観をしてしまいそうになります。一見するとわかりにくいのですが『24 -TWENTY FOUR-』と同様のリアルタイム進行になっているのも、その一因になっています。

 

 リアルタイム進行に関しては、たまに時間に関する表示をするだけなので、もっと積極的に主張しないと視聴者にスルーされてしまいそうで、もったいない気もします。デジタル時計を表示して、秒針の音をモチーフにした緊迫感のあるテーマ曲を使うのはもう古臭いという美学なのかもしれませんけど。

 

 ともかく、そこまで肩の力を入れずに観られて、適度にスリルのあるドラマが一番イッキ観には適しています。実際、私は2日間かけて観ましたが、時間が許せば全然1日で観終わっていただろうなと思います。さらにお金も許すならば、実際にドバイーロンドン便に乗って約7時間かけて観るのが一番良いかもしれません。

 

 ドラマ『ハイジャック』はApple TV+で独占配信中。Apple TV+は初回7日間無料、その後は月額900円(税込)です。Apple TV+で配信されている作品は、すべてここでしか観ることができない独占配信作品です。

Apple TV+