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この海外ドラマが気になる<2024年1月>と本格ミステリードラマの話

 2024年が始まりました。アメリカのテレビ界にとっての2024年はまさかのゴールデングローブ賞とエミー賞の2連発から始まります。そして、海外ドラマパンチにとっての2024年はいつも通り、この記事から始まります。2024年1月の気になる海外ドラマです。

 

 

2024年1月の気になる海外ドラマ

『FARGO/ファーゴ』シーズン5 毎週水曜 Amazon

『ジャック・リーチャー~正義のアウトロー~』シーズン2 毎週金曜 Amazon

『マスターズ・オブ・ザ・エア』1月26日から毎週金曜  Apple TV+

 

 Amazonプライムビデオで週一配信されている『FARGO/ファーゴ』と『ジャック・リーチャー』が安定に面白すぎる日々です。Apple TV+で先日配信された『窓際のスパイ』シーズン3も安定感があるシリーズなので、1月中にも観ておきたいと思っています。

 

 新作の期待作としては、1月26日から始まるApple TV+の『マスターズ・オブ・ザ・エア』。スティーブン・スピルバーグとトム・ハンクスが製作総指揮を務めており、HBOの『バンド・オブ・ブラザース』と『ザ・パシフィック』に続く第二次世界大戦ドラマの第3弾です。

 

 そして、1月16日にはU-NEXTで第75回エミー賞が生中継されます。本来は昨年9月に行われる予定でしたが、ストライキの影響で延期して、やっと開催されます。1年半ほど前の『ベター・コール・ソウル』ファイナルシーズンとかがノミネートされているので、時期外れも甚だしいですが、ようやく受賞結果が明らかになります。ほぼ確実に『サクセッション』が大量受賞して終わるだろうと予測しておきます。

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本格ミステリードラマ

 私は、一度ハマったらとにかくハマり続けてしまうタイプの人間です。海外ドラマはその対象の一つですが、それよりも前から私は本格推理小説のファンでした。小学校の頃にコナン・ドイルやアガサ・クリスティーを読み、中学校でエラリー・クイーンや綾辻行人を知り、高校で様々な本格ミステリーを読み漁るという、典型的な推理小説好きの王道を通ってきた一面があります。

 

 だから、海外ドラマを観ていて、真にミステリー的な作品に出合えると、とても嬉しいのです。特に、映像化しにくいと言われている「本格ミステリー」のドラマ作品を見つけられたら、これほど嬉しいことはありません。

 

 本格ミステリーとは、本格的なミステリーのことではなく、論理的な謎解きに主眼を置いたミステリーのこと。事件の真相を当てるのに十分な証拠が読者に対して提示されていることが絶対条件になっています。この種の推理小説は日本でのみ突出して人気のあるものなので、海外には同じような概念すら存在しません。

 

 ところが、つい先日観た『マーダー・イン・ザ・ワールドエンド』は、まさに本格ミステリーだったのです。詳しいことはネタバレ記事で書いていますが、綾辻行人や森博嗣作品のような新本格の風味に満ちていて、プロットも本格ミステリーの映像化作品として申し分のないものでした。

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 去年はもう一つ、素晴らしい謎解きミステリードラマに出会えました。それは『カササギ殺人事件』。アンソニー・ホロヴィッツによる原作が日本でもベストセラーになりました。テレビドラマの脚本家でもある著者自身がドラマ化した本作は、単に原作のストーリーをなぞるだけに終わらず、映像作品としての工夫も凝らされた構成になっていて、さすがだと感じました。

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 本格ミステリードラマといえば、私の中では『刑事モース~オックスフォード事件簿~』が不動の地位を占めています。コリン・デクスターが生み出した主任警部モースの前日譚になります。ドラマは、原作のないオリジナルストーリーですが、毎エピソード、綺麗に事件が解き明かされていきます。面白すぎてもったいないので、少しずつ観ています。

 

 あとは、HBOのリミテッドシリーズ『シャープ・オブジェクト』もミステリードラマとして鮮烈な印象が残っています。推理小説では「最後の一行が衝撃」という誰もが憧れる演出があります。これを映像作品でやってしまったのが『シャープ・オブジェクト』。8時間のドラマの最後の一瞬であれほどの衝撃を繰り出せるのがとてつもない。

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 2024年3月には、日本のHuluで『十角館の殺人』の実写ドラマ版が配信されるようです。原作は、新本格ミステリーというジャンルを切り開いた綾辻行人のデビュー作です。映像化不可能なはずのトリックをいかにして映像化するのか。また、クローズドサークルものの緊迫感をどれほど感じることができるのか。色々な意味で楽しみな作品です。

 

 それでは、2024年も良き海外ドラマライフが送れますように。

 

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