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コメディドラマの定番『ジ・オフィス』を観よう!アメリカ版とイギリス版をまとめて紹介

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 日本での知名度はよくわかりませんが、アメリカやイギリスでは『ジ・オフィス』は21世紀で最も成功したコメディドラマの一つであり、今でも圧倒的な人気を誇ります。今回は、そんな大ヒット海外ドラマ『ジ・オフィス』イギリス版とアメリカ版の紹介をしていきます。

 

 

 

『ジ・オフィス』の評判・評価

 最初に作られたのは、イギリス版です。2001~2003年にかけて、BBC Twoで全3シーズン14話が放送されました。放送開始時こそ視聴率はさほど高くなかったものの、徐々にその評判が広まり、最終的には社会現象になるほどの大ヒットを記録しました。

 

 批評面でも非常に高く評価され、英国アカデミー賞テレビ部門では3年連続で作品賞と主演男優賞(リッキー・ジャーベイス)を獲得しました。また、イギリスのドラマとしては初めてゴールデン・グローブ賞の作品賞を受賞しています。

 

 2016年には、主人公のその後を追った映画『デイビッド・ブレント:ライフ・オン・ザ・ロード』が製作されました。Netflixで独占配信中です。

 

 そのリメイク版として製作されたのが、2005~2013年にかけて、NBCで全9シーズン188話が放送されました。シーズン1だけは、まちまちな評価を受けたものの、その後はアメリカ版独自の魅力を開拓していき、こちらも全米で大ヒットしました。

 

 賞レースに関しては、エミー賞コメディ作品賞に6年連続ノミネート&1回受賞、ゴールデン・グローブ賞でスティーヴ・カレルが主演男優賞を受賞しています。

 

『ジ・オフィス』の画期的なスタイル

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↑ イギリス版のデイヴィッド(リッキー・ジャーベイス)とティム(マーティン・フリーマン)

 

 『ジ・オフィス』の画期的だったのは、モキュメンタリースタイルのコメディだったという点です。モキュメンタリーとは、ドキュメンタリーの形式を用いたフィクション作品のことです。

 

 映画だと『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999年)や『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008年)などのホラーで用いられることが多いですが、『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』(2006年)のようなコメディもあります。

 

 『ジ・オフィス』では、とある一般的な製紙会社に、テレビ局が密着しているという形式を取っています。そのため、登場人物がところどころでインタビューを受け、その場での気持ちを語るシーンが多く挟まれています。日本のテレビ番組では基本的にやりませんが、欧米のリアリティ番組では一般的な演出です。

 

 ドラマの舞台設定が、本当に何の変哲もない会社のオフィスだというのも、ある意味では画期的です。実際にオフィス勤務をしている人はたくさんいて、そうでなくても会社のオフィスというのは誰もが想像できるものなのに、そこを舞台にしたドラマは多くありません。

 

完璧なキャラクター配置

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↑ アメリカ版のパム(ジェナ・フィッシャー)とジム(ジョン・クラシンスキー)

 

 これらの形式以上に、『ジ・オフィス』が人気を得た原因は、その登場人物たちにあります。主要4人の人物配置は、イギリス版もアメリカ版も同じです。左がイギリス版、右がアメリカ版の人物名です。

 

デヴィッド・ブレント/マイケル・スコット

 騒がしい支店長。みんなの上司。人気者になりたい。

ギャレス・キーナン/ドワイト・シュルート

 名義上の支店長補佐役。上司に忠実でバカ真面目。

ティム・カンタベリー/ジム・ハルパート

 営業の社員。受付係に恋心を寄せる。いたずら好きで、みんなに好かれている。

ドーン・ティンズリー/パム・ビーズリー

 受付係。婚約者がいるが、その関係にはあまり満足していない。

 

 ドラマの主役となるのは、いつでも騒がしい上司。職場で最も重要なのは能率ではなく笑いだと考えていて、社員に対してやたらと馴れ馴れしく接します。誰に対しても不適切な発言をし、場を凍り付かせる能力はピカイチです。

 

 そんな上司に、なぜか忠誠を誓っているのが支店長補佐役のギャレス/ドワイト。とても真面目なので、他の社員が遊んでいるのを許せません。そして、負けず嫌い。そのため、ティム/ジムのいたずらの格好の標的になっています。

 

 このドラマの最も大きな原動力は、ティム/ジムとドーン/パムの関係性と言っても過言ではないでしょう。2人は仕事時間中もいつも仲良くしていて微笑ましいのですが、ドーン/パムには婚約者がいます。そのせいで、ティム/ジムは一向に2人の関係を発展させることが出来ないのがもどかしい! でも、なんだかんだ見ていたくなるのです。

 

 アメリカ版では、さらに登場人物が増え、面白いキャラクターがたくさん出てきます。アメリカ版がイギリス版に劣らず成功した理由は、そんなところにもあります。

 

 4人の中でも、特にデイヴィッド/マイケルの描き方は、とても秀逸なのです。嫌な上司だし、痛々しいおじさんなのですが、『ジ・オフィス』では彼を単なる悪役としては描きません。それどころか、ときどきデイヴィッド/マイケルに泣かされそうになってしまうのですから、不思議なものです。

 

『ジ・オフィス』を日本で観るには?

 イギリス版の『ジ・オフィス』は、現在AmazonプライムビデオとHuluで全話が見放題配信されています。字幕版のみで吹替版はありません。

 

 アメリカ版の『ジ・オフィス』はHuluで全シーズンが配信されています。特にシーズン4~9は2021年からHuluで日本初上陸を果たしました。現在、独占配信中です。

 

おまけ

 おまけということで、実は日本を舞台にした『ジ・オフィス』が存在するんです。サタデー・ナイト・ライブのコントなんですけど。最初と最後にコメントしているのはイギリス版のリッキー・ジャーベイスですが、内容はアメリカ版のパロディです。スティーヴ・カレルはそのままで、ドワイト役はビル・ヘイダーが演じています。

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 日本人ならば、なおさら面白いですよね。よく考えてみると、英語字幕が付いていないにも関わらず、半分ぐらい日本語で話しているので、視聴者のほとんどは台詞が理解できてはいません。それでも、『ジ・オフィス』自体がめちゃくちゃ人気があるので、内容がわかってしまうわけですね。

 

 

まとめ

 平凡な職場を舞台にした『ジ・オフィス』ですが、今でも欧米では根強い人気があります。SNSをやっている人で、アメリカの人の投稿を見ていれば、十中八九どこかで『ジ・オフィス』のネタを目にすることになるでしょう。訳が分からないことを言っていますが、これは本当です。

 

 それはともかく、一話30分弱なので、とりあえずぜひ観てみてください。どちらも、最初の数話はなかなかハマらないと感じるかもしれませんが、徐々に面白くなってきます。

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