これほど風変りなドラマは観たことがありません。世界観が狂っているんです。これまで何気なく色んなミュージカルを観てきたのに、それがこんなに面白いコメディの題材になるとは!
*2023年4月5日よりシーズン2の配信開始!
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基本データ
- 原題:Schmigadoon!
- 配信:Apple TV+
- 公開年:2021年
- 話数:6
- クリエイター:シンコ・ポール、ケン・ダウリオ
- キャスト:キーガン=マイケル・キー、セシリー・ストロング、ダヴ・キャメロン、アラン・カミング
- あらすじ:倦怠期に陥っていたカップルは、ハイキングをしていたらシュミガドーンという町に迷い込んでしまった。この町の住民はやたらと歌って踊り、いつも音楽がかかっている。どうやらミュージカルの世界に囚われたようだ。
- 予告編:
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楽しいミュージカルの世界
シュミガドーンの住人たちは、気分が高まると歌い出し、さらに高まると踊り出します。町に来た人を出迎えるときはもちろん、コーンプディングという言葉だけでも歌い出します。
そう、シュミガドーンという町は完全に狂ってます。なんでもかんでも陽気に歌にしてしまうんですから。コーンプディングの歌は、主人公のメリッサがコーンプディングのことを訊いたから始まってしまったのですが、そのことにジョシュが「君が余計なことを言ったから歌が始まっちゃったよ!」と叫ぶ気持ちはよくわかります。
でも、本当はこの状況は映画やドラマが好きな方なら馴染みのあるもののはずです。ミュージカルを観たことはありますよね?好きか嫌いかは一旦置いておくとしても。ミュージカルの世界では、登場人物が突然歌い出し、踊り出します。
ミュージカルが嫌いな人はこれが嫌なようですが、自分はミュージカルが嫌いではないので、なんとなくそういうものだと思っていたわけです。ただ、改めて考えてみるとやっぱりミュージカルの世界観というものは狂っているのかもしれません。
ミュージカルの世界に外部から人がやってきて、片っ端からツッコミを入れていきます。それが、めちゃくちゃ笑えます。町の住人たちは、常に陽気に歌っていますから。メリッサはミュージカルが好きなので良いのですが、ミュージカルが嫌いなジョシュは少し気の毒になってくるほどです。
町の住民たちは時代遅れだよ
シュミガドーンの住人たちの価値観は古いです。風紀委員のような町の女性たちは、人々が規律正しい生活を送るよう見張っています。若い女の子たちは、理想の結婚相手探しを頑張っています。
つまり、シュミガドーンの町は1950年代頃のミュージカル映画をパロディしています。『雨に唄えば』『巴里のアメリカ人』『バンド・ワゴン』です。ジーン・ケリーとフレッド・アステアの時代です。
主人公2人とシュミガドーンの人たちの価値観のずれがネタになっていることもあり、これも笑えます。特にダブ・キャメロン演じるキュートでセクシーなベッツィの話が面白かった。
ジョシュは、20ドルでベッツィを競り落とし(これも大いに問題のある行為なのですが笑)ピクニックにやってきます。そこで、案の定ベッツィは歌い始めるのですが、なんだかジョシュを誘っているんだか断っているんだかよくわからない歌です。
その歌を聴きながら、ジョシュはベッツィの年齢に疑問を持ち始めます。ベッツィは20歳を超えているのでしょうか?彼女が生まれたときに植えた木があるのですが、それはまだまだ小さい。
もしベッツィが未成年だとしたら、とてもじゃないですが”お楽しみ”なんて出来ないわけです。昔ならいざ知らず、今は倫理的に完全アウトです。ジョシュだってロリコンではありませんから、相手が未成年なんてのはまっぴら御免。困り果ててしまいます。
このドラマは完全に設定の勝利みたいなもので、コメディとしてはとても面白いです。ミュージカルパロディでやったら面白いだろうなというネタはだいたいやってくれるので、その点では満足感があります。
総評
ドラマ『シュミガドーン!』は、シュールな新機軸のコメディであり、とても面白かったです。倦怠期のカップルにまつわるストーリー展開はありきたりでしたが、6話しかないので、むしろシンプルで良かったと言えるかもしれません。全編に渡ってこれほど振り切ったコメディも珍しい。こういうドラマが作られる現代って凄いなぁと妙に感心してしまいます。