
ポッドキャスト版『海外ドラマパンチ』の新エピソード「エミー賞2025後日談~受賞結果ともう一度観たくなる見どころ解説~」の配信を始めました。Spotify, Apple Podcasts, Amazon Music, YouTube等で配信中です。この記事では全文書き起こしています。
こんばんは。『海外ドラマパンチ』のサイモンです。先日、9月15日の午前中にエミー賞がついに行われましたね。我々『海外ドラマパンチ』も、YouTubeの方でライブ配信ということを行いました。僕と、dudeさんとふたもじさんという、いつもの3人組なんですけども。
その配信開始を9時40分ぐらいにしようと思ってたんです。というのは、UNEXTの配信開始時刻が9時と言われていて、最初の1時間はレッドカーペットなんで、受賞式は10時から始まるから、その少し前ぐらいに始められたらいいなと思って、9時40分ぐらいに配信開始しますと、その日の朝までずっと言ってたんですけども。えー、違いましたね。完全に時間をミスりました。
一応現地時間も確認してたんですよ。現地時間で、何時に始まりますっていうのを日本時間に直したら10時開始と言っていて、「じゃあ10時開始でいいんだな」と確信を持っていたんですけども、違くてですね。レッドカーペットが8時開始、受賞式が9時開始ということで、1時間前倒しでしたね、僕の認識からすると。
ということで、ライブ配信の開始はすっかり遅れてしまいましたね。一応慌てて始めたので、9時20分ぐらいには始まっているんですけども。なぜ現地時間まで調べているのに間違えているんだっていう話ですけど、今サマータイム中ですね。今ちょうど秋分ぐらいだから切り替わる時かもしれないですけども、エミー賞はギリギリサマータイムでやっているので、それでちょっと1時間ずれてしまいましたね。
ということで、配信の方も最初から遅刻しましたし。さらにですね、僕さっき3人でやると言いましたけど、その予定だったんですけども、実際配信に映っているのは僕とdudeさん2人だけなんですね。なぜかというと、ふたもじさんは寝ていました。結局、こちらの方に来たのが受賞式終わった1時間後ぐらいでしたね。
ということで、もう時間間違いがいろいろあったわけで、申し訳ないなとは思うんですけども、一応アーカイブ配信も残してありますので、気になる人は見て欲しいです。受賞式本編もUNEXTの方で、しばらくは見れるようです。2週間ぐらいかな、多分見れると思います。
そして、結果の方です。これを配信しているのはまたエミー賞の1週間後なので、もう結果は知っている人も多いと思いますが、一応振り返っておくと、ドラマ部門の作品は 『ザ・ピット』、コメディ部門は 『ザ・スタジオ』、リミテッドシリーズ部門は 『アドレセンス』 という結果になりました。
もうちょっと細かく見ていくと、まずコメディ部門です。コメディ部門はさすが、『ザ・スタジオ』、新しいドラマですね。Apple TV+のドラマが作品賞、そしてセス・ローゲンの主演男優賞、そして監督賞、脚本賞を獲り、クリエイティブ・アーツ部門も含めると、合計13部門受賞ということで、これは史上最多記録になります。コメディ部門としては、これまでの史上最多記録は昨年の 『ザ・ベア』 で11部門受賞だったんですけども、さらに2部門更新して13部門となりました。
いや、面白いですからね。もう圧倒的にまずは 『ザ・スタジオ』 面白かったです。コメディとして面白いですし、あの長回しの回も演出としても面白いですし、やっぱり業界の話っていうのが強かったのかなとも思いますね。やっぱりハリウッドの人たちはハリウッドの業界話が結局好きなのかなと思ったりはしました。
で、コメディ部門他は、主演女優賞が ジーナ・スマート 『ハックス』 ですね。助演女優賞も、 『ハックス』 のハンナ・アインビンデルということで。ジン・スマートはもう4年連続で、ハンナ・アインビンデルはずっとノミネートされてたんですけども、受賞はこれまでしていなくって、今回初めての受賞ということになりました。
で、助演男優賞なんですけども、こちらは 『サムバディ・サムウェア』 という、これHBOのコメディドラマから、ジェフ・ヒラーが受賞しました。これはかなり予想できた人はいないと思いますね。というのは、元々 『サムバディ・サムウェア』 というドラマが一部の人しか見てないと思われていたというか。でもその人たちはすごい好きなドラマみたいな感じだったので、ノミネートされた時点でもうちょっとサプライズみたいな感じだったんです。
ですけどもう今回受賞まで行ったということで素晴らしいですね。やっぱりその作品を好きな人たちが押し上げていったっていうのはあるのかなと思いますし、こういった、決して派手な作品ではないとは思うんですけども、こういった形で名前が上がるっていうのは素晴らしいことだと思います。おめでとうございます。
で、続いてリミテッドシリーズ部門ですが、もうこちら圧勝でしたね。作品賞が 『アドレセンス』 で、主演男優賞は『ザ・ペンギン』 のコリン・ファレルが獲るのではないかとみんな言ってたんですけども、スティーブン・グレアムが、そこを覆して受賞となりました。スティーブン・グレアムは脚本とかも書いてますから、脚本賞も受賞しております。
さらに、やっぱり長回しっていうのがありますから、監督賞も受賞してまして、さらに助演男優賞、オーウェン・クーパーですね。少年を演じていたわけですけども、彼は今年15歳での受賞で、これはエミー賞、男性としては史上最年少となります。女性では、これより若い人があと2人いるんですけども、非常に若い年齢での受賞となりました。受賞スピーチも非常にしっかりとして良かったので、是非見てみてください。そして助演女優賞も 『アドレセンス』 の、エリン・ドハティということで、主要7部門中6部門が『アドレセンス』 ということで、圧勝ということになりました。
で、唯一主演女優賞は 『ザ・ペンギン』 のクリステン・ミリオティ、ソフィア・ファルコーネ役ですね。彼女が受賞しました。これも、事前に受賞最有力と言われていましたし、全く文句はないというか、僕も予想してましたしね。獲るべきだとは思っておりました。良かったですね。
そしてドラマ部門です。作品賞は 『ザ・ピット』 になったんですけども、結構割れました。全体的に。 『ザ・ピット』 は他に主演男優賞がノア・ワイリーですね。『ER』の時から出てましたけども、ノア・ワイリーが受賞して、助演女優賞にキャサリン・ナサ。彼女は今回は主任看護師を演じていました。ということで、その3つを受賞としております。
対抗馬とされていた 『セヴェランス』。実は事前には 『セヴェランス』 の方が作品賞を獲るんじゃないかと結構言われていて。なんでかというと、 『セヴェランス』 が最多ノミネート27部門ぐらいかな、ノミネートされていて、ここ10年ぐらいずっと最多ノミネート作品が作品賞を獲るっていうのが続いてたんです。その傾向で、今年も最多ノミネートの 『セヴェランス』 が作品賞を獲るのではないかとかなり言われてはいたんですけども、結果的には 『ザ・ピット』 になったですね。
でも 『セヴェランス』も、ブリット・ローアーが主演女優賞、そしてトラメル・ティルマンが助演男優賞を受賞しております。ブリット・ローアーは、赤毛の女の人ですし、トラメル・ティルマンはミルチェックさんということで、ドラマを見た人だったら絶対覚えてると思います。
さらにですね、脚本賞、監督賞。これはさらに別の作品になりまして、脚本賞は 『キャシアン・アンドー』 に行きました。ダン・ギルロイという脚本家にいきまして。彼は、トニー・ギルロイの兄か弟か、とにかく兄弟なんですね。やっぱりこの『キャシアン・アンドー』 というドラマが、スター・ウォーズの作品ではあるんですけども、かなりサスペンス的な作品になっていて、政治スリラーといったジャンルの作品と言ってもいいと思うんです。そのスター・ウォーズというよりは。そういう意味で、そこはすごい評価されたのかなと。
あと、名もなき民主の声を描いた。その声の力を描いた作品っていう意味でも、言葉の力でもありますからね。それは脚本家の人たちは評価したくなったのかなと。シンプルにもう脚本素晴らしいですから、『キャシアン・アンドー』 は。これも全く文句なしですね。
そして監督賞は 『窓際のスパイ』 に行きました。『セヴェランス』 『ザ・ピット』は2話ずつノミネートされてたんですけども、それを破って 『窓際のスパイ』 ということで、これも素晴らしいですね。いいですね。こういった作品評価されるっていうのはね。『窓際のスパイ』 は去年も脚本賞獲りましたからね。去年って言ったらもう 『将軍 SHŌGUN』 が圧倒的に強かった年で、史上最多受賞をした年であるんですけども、その中で脚本賞を獲ったドラマ。そして今年は監督賞を受賞ということで素晴らしいですね。
『窓際のスパイ』。去年のシーズン4で、もうすぐシーズン5が放送されますけども、シーズン重ねるごとに面白くなっていく。本当にスパイドラマ、王道でありながら。でも 『窓際のスパイ』 って、この窓際、窓際族のスパイという意味なんですけども、要はあんまりそのできないスパイたちの話なんですよ。左遷された先で、チームを組んでミッションをやってるんですけども。このドラマの中でできないとされているスパイたち、こいつらが本当にできないという。できないように見えて実はできるじゃなくって、できないように見えてちゃんとできないっていう。そこが素晴らしいですね。その上でしっかり面白い話になってますから。
ということで、受賞結果はそんな感じなんですけども、逆に受賞しなかったところを見てみると 『ザ・ベア』 ですね。今年のエミー賞でちょっと圧倒的に、苦戦してしまった作品にはなります。『ザ・ベア』 昨年のコメディ部門で史上最多受賞した作品ではあるんですけども、そもそもノミネート数が去年の23ノミネートから今年は13ノミネートと10個減らしておりました。そして去年は11部門受賞だったんですが、今年は0ということで。主要部門、クリエイティブ・アーツ部門全て含めても受賞ならずということで厳しいですね。そこまで評価が一変するかとは正直思いましたね。
これも理由は完全に 『ザ・ベア』 がコメディではないと判断されたからだと思います。去年のエミー賞のオープニングモノローグ、そして今年のオープニングモノローグどちらでもネタにされていました。『ザ・ベア』 にはジョークが1つもないとか、ひと笑いもしないドラマだ。でもそれがコメディだっていうような皮肉を言われ続けてまして。それはもう巷で言われ続けてきたことなので、仕方ないんですけど。それがもうシーズン3になって、どうしようもなくなってしまったということで、受賞0という結果にはなってしまいました。
ただ、作品の質として決してそんな下がってるわけではないんですよ。シーズン3も見るべきところはたくさんありますし、特に役者の演技、それから演出。演出はちょっと凝りすぎてるなっていう気はするんですけども。演技に関してはもうこれまでのシーズンと変わらず素晴らしいものだったんですけどもね。
だから部門を変えるべきですね。ドラマ部門にもしノミネートされてたら、全然あったと思いますよ、受賞は色々。それは別に可能ですからね。シーズン1でコメディと言ったからずっとコメディじゃなきゃいけないってことはなくって、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』 とか 『シェイムレス 俺たちに恥はない』 は途中からドラマからコメディかな。コメディからドラマかな。ちょっとどっちか忘れましたけども、とにかくそこ変えてるんで、『ザ・ベア』 も全然できますよ。
もう1個、苦戦した作品となると、 『ホワイト・ロータス』 ですね。『ホワイト・ロータス』 は、シーズン1でリミテッドシリーズの作品賞を受賞し、シーズン2でも色々受賞はしておりました。今年も23ノミネートということで、これ非常に多いですね。全作品として3位ぐらいのノミネート数なんですが、受賞したのは、クリエイティブ・アーツの方のテーマ曲。こちら1部門のみとなっております。かなり今年は苦戦したなという感じですね。助演女優賞に3人、助演男優賞に4人ノミネートはされていたんですけども、こちらは1人も受賞ならずということで。
僕はちょうど最近 『ホワイト・ロータス』 のシーズン3見終わったところなんですけども、普通に面白かったなとは思いましたけどもね。シーズン1よりも面白かったなと思ったし。シーズン2の方が面白いっていうのはあるんですけども。シーズン2はかなりシンプルに面白かったんで。でもシーズン3も、僕がシーズン3を見てやっとこのドラマの脚本のうまさ、マイク・ホワイトのうまさっていうのを感じられた気はするので、脚本賞とか正直 『ホワイト・ロータス』 でいいなとは思ってたところなんです。
というのは、 『ホワイト・ロータス』 シーズン3っていう のはタイのホテルが舞台になってまして、そこにやってきたアメリカの白人の富裕層の人たちが登場人物になって、いろいろと出来事が描かれるんです。基本的に何にも怒らないですよ。なんで、かなりニュアンスというか。ニュアンスなショーというか。結構すごい色々皮肉があるんですけど、そこをしっかり読み取っていかなきゃいけないんですけど、それがまたうまいなって思いますし。
あと僕シーズン3の良かったと思うのは、タイが舞台なんです。タイっていうのは仏教の国ですから、基本的にはその仏教的な考え方と、アメリカの資本主義的な考え方。そこでの衝突っていうのが、かなりテーマになってるところがあるんですよ。アメリカのリッチな人たち、リベラルな人たちっていうのは、うすらその仏教的な思想に興味があったりするんですよね。禅というか。ヨガとか、そういうの流行ったりしてるじゃないですか。この 『ホワイト・ロータス』 シーズン3でも、ブロンド3姉妹みたいなの。あの人たちもめっちゃヨガ、ピラティスとかしてますし。あと家族の娘もすごい仏教に興味があるみたいなのがあるんで。
ですけども、ここで実際に仏教的な思想に触れた時に、娘に関してはなんだろう、圧倒されてしまうと、とりあえず言っておきましょうか。やっぱり相容れないものがあったんでしょうね。彼女が持ってた仏教っていうのと、本当の仏教と。そこがすごい面白かったなって思って。
そこの点に関しては、アメリカの視聴者よりも日本の視聴者、アジアの視聴者の方が理解はずっとしやすかろうなとは思いましたね。やっぱり日本人は、一応仏教がありますし、なんとなく仏教的な思想っていうのは根付いてますから。典型的にその「清貧」っていう考え方。清く貧しいと書いて清貧ですね。そういう考え方があるわけじゃないですか。精進料理っていうのを皆さんは知ってますよね。そういった風に、仏教の基本的な考え方として、お金に執着するんじゃなくって、お金には執着しなくて貧しくてもいいから清く正しく生きよう、っていうのは自然と皆さんは理解できてると思うんです。
その状態でこの 『ホワイト・ロータス』 シーズン3っていうのを見れるんで。本当の仏教的な思想と、アメリカのお金持ちリベラルの人たちがなんとなく好きな仏教的な禅的な思想とのずれっていうのが。かなり分かると思うんで、そこはすごい楽しめるんじゃないのかなとも思います。分かりやすくエンタメって感じじゃなくて、しっかり読み取っていく必要が作品ではあるんで。そういう意味では地味ではあるんですけども、僕はすごい面白い作品だなと思いました。
ネットワーク別で言いますと、今年は HBO MaxとNetflixがそれぞれ30部門受賞で、首位タイとなりました。この2つはですね、ここ数年ずっと1位、2位の対決を繰り返してまして、HBOかNetflixか、どっちの受賞が多いかっていうのを毎年やってたわけですけども、今年は仲良く30部門ずつということになりましたね。実は去年はHBOが不作で、HBOの順位は3位に落ちたんです。2位がHuluですね。ディズニーABC Hulu、FX系だったんですけども、そこら辺は今年はあまり注目作がなくって5位に沈んではいるんですけどもね。その代わり3位に今年急上昇したのがApple TV+。『ザ・スタジオ』 そして 『セヴェランス』 のおかげで、今年は3位22部門受賞となりました。
はい。結果としてはこんな感じですかね。僕は、ドラマ部門の脚本賞が 『キャシアン・アンドー』、監督賞が 『窓際のスパイ』、そしてコメディ部門の助演男優賞が 『サムバディ・サムウェア』 といった感じで。事前予想で言われてなかったような作品に、でもしっかり行ったっていう。そこはすごいエミー賞のいいところだったなとは思いますね。そういったマイナーのでもこれ、いいよってお墨付きを与えてる感じ。それはやっぱりすごかったなと思いますね。
ちなみに、dudeさんの感想。彼は、ライブ配信の時も一緒にいて、主にリミテッド シリーズをたくさん見てて、その 『アドレセンス』 も見てましたし、『ザ・ペンギン』 『推定無罪』 『ディスクレイマー』 『モンスターズ』 あたり、色々見てたそうなんです。その部門に一番注目してたんですけども、彼が言ってたのは、『アドレセンス』 が獲りすぎてつまらないということでしたね。『アドレセンス』 が面白いとは言ってました。作品賞を獲って欲しいと思ってたし、すごい応援はしてたんですけども、さすがに7部門中6部門を獲るのはつまらないと、さすがに他の作品にも獲って欲しかったということは言ってましたね。あるあるですね。そりゃそう思った人もいるかもしれないです。
はい。あと、大事なこと。予想的中率発表します。予想っていうのは、どれだけ当たったかをちゃんと反省しないとだめですからね。たまにアカデミー賞予想とかする人いますけど、ちゃんと後になってどれだけ当たったかっていうのを確認しないとだめですからね。僕はそう思いますよ。
僕の最終版の予想はブログの方に書いたものです。この前のポッドキャストで言ったのではなくて、その後ちょっと変えましたから。受賞式後は変えてないですからね。主要7部門× 3つ。ドラマ、コメディ、リミテッドシリーズ合計21部門予想しまして、的中数は11。さあ、どうなんでしょう。これがどうかというと、過去一悪いです。正直、外しすぎですね、今年は。
一応5割は超えたわけじゃないですか。1/2。ですけども、いつもの年は65%ぐらいはいくんですよ。だから13、4ぐらいは当てるんですけど。これ11っていうのはちょっと外しましたね。内訳見ていくと、リミテッドシリーズはほとんど当てましたね。コリン・ファレルではなくスティーブン・グレアムっていうのはちょっと外しましたけども、他全部当てました。これ素晴らしいですね。
コメディ部門も、ジェフ・ヒラー外しましたね。助演女優賞も外してるか。脚本賞も 『ザ・ベア』 じゃなくて 『ハックス』 だと思ってた。ちょっと外してはいますね。で、問題はドラマ部門ですよ。作品賞しか当てられなかったです。『ザ・ピット』 は当てましたけども、主演男優賞はアダム・スコットだと思ってたし、主演女優賞ね。これ、アメリカのハリウッドメディアはほぼ全部が、『マットロック』のキャシー・ベイツが獲るって言ってたんですよ。だから僕は見てもいないのにキャシー・ベイツにしたのに、外れたっていう。あーあとはなりましたけど、それはもう僕が悪いですね。ブリット・ロウアーもね、素晴らしいし、全然そこ信じればよかったと今更思いますけどもね。
って感じで、作品賞以外全部外してますね。でも、作品賞当てましたから。今年難しい2択でしたよ。本当に 『セヴェランス』 か 『ザ・ピット』 か。なんだったら 『セヴェランス』 の方が優勢だったんですけども、僕は両方見た上で、「いや、 『ザ・ピット』 だろう」と言って ビシッと当てましたから。そこだけは自慢したいですね。
受賞式本編は、UNEXTの方で今も字幕版も配信されてると思います。字幕とか吹き替えがない元のバージョンは、エミー賞の公式でYouTubeからも見ることができますので。部分で見れるんで、是非見て欲しいですね。
まずオープニングモノローグ。これ面白かったですね。今年司会が、ネイト・バルガツェという、最近出てきたような感じのスタンダップコメディアンの人で。あんまりこういう受賞式の司会とかしたことはなかったと思うんですけども。そのオープニングでは、テレビの発明者に扮して、「未来のテレビはこうなるだろう」って。『ザ・ベア』 という名のジョークの1つもない素晴らしいコメディが作られるだろうみたいなことをいろいろ言ってて。面白かったですね、オープニングモノローグ。
あと今回受賞式全体を通して、かなり時間制限を意識した構成にはなってました。というのは、式の冒頭でネイト・バルガツェが、「ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブ」、青少年クラブに10万ドル寄付しますと。10万っていうのが、まず式のスクリーンでっかく出るんですね。ただし。ただし、皆さんが受賞スピーチ、それぞれ制限時間が45秒なんですけども、それを1秒過ぎるごとに1000ドル減らしますと。逆に、スピーチを短くしたら1000ドル増やしますって言ったんですね。
もちろん寄付なんてたくさんあった方がいいですから、それを意識して皆さんは是非「お願いだからスピーチは短くしてくださいね」っていうやつだったんですよ。これ毎年、お馴染みですね。どうやってみんなに時間を守らせるかっていうのは。やっぱり受賞式ってテレビ放送されてるもんですから、あんまり長くやっちゃいけないですからね。
ということで、結構時間制限というか。お金がどんどん減ってくのが目にみえるんですよ。ちょっと残酷だなとは思いました。『キャシアン・アンドー』 のダン・ギルロイっていう人が脚本賞獲りましたけども。その受賞スピーチが時間を過ぎる と 画面の右下の方にその時の金額が出てきて。最初が8万8000ドルって出てきて、それが1000ドルずつ減ってくんですね。8万7000、8万6000って。それは早く終われよっていうメッセージなんですけども。それは効果的かもしれないけども、受賞者に対してはちょっとなっていう気はしなくもなかったですね。
ただ一方で、めっちゃ短く終わらせた人もいまして。ジョン・オリバーね。『ラスト・ウィーク・トゥナイト・ウィズ・ジョン・オリバー』 というトークショーがありまして。これは僕何回か前のポッドキャストで、深夜トーク番組を語ろうという回で、じっくり話させてもらったんですけども。これはもうエミー賞強々ドラマで、放送開始から全ての年でその部門の作品賞と脚本賞を獲ってるっていう。もう今年も獲りました。『サタデー・ナイト・ライブ』を打ち負かして今年も獲りまして、12年連続作品賞と脚本賞を獲ってるんですね。なので、受賞スピーチはそんな話すことがないので、パパッと20秒ぐらいで終わらせてやってましたから、これはかなり賞賛はされてましたね。
ということで、是非受賞スピーチ見て欲しいのは。今年あんまり面白系の受賞スピーチなかったんですけども、ドラマ部門の主演女優賞 『セヴェランス』 のブリット・ロウアーの受賞スピーチ。これちょっと見て欲しいですね。YouTubeでいいので見て欲しいんですけども。
彼女が受賞とまず発表されます。ウォーと。キャシー・ベイツを破ったみたいな。ウォーってなって。ブリット・ローアーはサクサクと前に出てきて、紙を取り出して。いつもの紙です。感謝したい人のメモが一応書いてあるんで、それを読みながら受賞スピーチを普通にしてたんですけども。映像よく見てみてくださいね。そのメモの裏側がこっちから見えるわけじゃないですか。裏側に書いてあるんですよ。もっとよく見てみてください。読めると思います。もう言っちゃいますけども。LET ME OUTって書いてあるんです。これ怖いですよ。何も知らなかったら、こんな怖いことはないですよ。それに気づく。「ここから出して」って。
受賞スピーチ自体は普通にちゃんとやってるんですけども、なのにそのメモの裏側に「ここから出して」って書いてあるって。ドラマ見てる人だったら分かると思いますけども、これは 『セヴェランス』 でいうところのその会社内人格インニーが、「外に出してくれ」というスピーチですね。ブリット・ローアー自身のキャラクターもシーズン1の最終あたりでちょっと似たようなスピーチの場面があって、それを再現したということで、あれはすごい良かったです。かっこよかったですね。最後までネタバレしなかったですしね。普通に受賞スピーチしていくっていう。その裏の Let me out のことには一言も触れずに。素晴らしい。かっこよかった。是非見てみてください。
ということで、エミー賞2025でした。今年は 『将軍 SHŌGUN』 がなかったので、日本からの注目度かなり低かったなとは僕も体感では分かってるんですけども。でも受賞結果、受賞式自体はなかなかいいものだったとは思いましたね。ということで、来年も色々やれたらなと。予想ライブ配信とかやれたらいいなとは思っております。
『海外ドラマパンチ ポッドキャスト』は毎週月曜17時に配信しております。そして次回からちょっとシリーズ企画、大型シリーズ企画やっていきたいと思っています。来週から。「21世紀のアメリカドラマ全部語っちゃいます(仮)」。ちょっとタイトル変えるんですけども。仮ということで、21世紀のアメリカドラマを語ろう ということで。
今年が一応世紀四半世紀ちょうど年ですから、この節目に、21世紀のアメリカドラマを追っていきながら、その変遷を話していこうかなと。全部で5回シリーズぐらいになりますかね。5年単位ぐらいに分けてやっていこうかなと思っておりますので、是非来週からそちらお楽しみにしてください。ということで今回は以上です。
