What is real?
That which is real is irreplaceable.
- Westworld season 2
今回の海外ドラマパンチは、『ウエストワールド』シーズン3特集。『ウエストワールド』は考察してなんぼ。勝手に色々想像し、考えるからこそ面白味が増してきます。そんな噛めば噛むほど美味しい『ウエストワールド』。シーズン3が待ちきれない私サイモンは、勝手に予想することにしました。
なお、この記事は『ウエストワールド』シーズン1,2のネタバレを含みます。未見の方はご注意ください。
↓見終わった後のネタバレ感想・解説はこちら
『ウエストワールド』シーズン3最新情報
『ウエストワールド』シーズン3は、アメリカのケーブルテレビ局HBOで2020年3月15日21:00(米太平標準時)に初公開されます。全8話の予定です。
日本でも同時刻の3月16日10:00にAmzon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX - DRAMA & CLASSICS - 」とBS10スターチャンネルで放送予定。
キャストは、ドロレス役のエヴァン・レイチャル・ウッド、バーナード役のジェフリー・ライト、ヘイル役のテッサ・トンプソン、ウィリアム役のエド・ハリスらが続投。加えて、ヴァンサン・カッセル(映画『ブラック・スワン』)、トミー・フラナガン(『サンズ・オブ・アナーキー』)ら、実力派俳優が参加する模様です。
シーズン3の内容について分かっていることは、脚本を手掛けたジョナサン・ノーランによる「大きな変化が起こる」という言葉のみ。今回も徹底された秘密主義が貫かれています。
3つの予告編
『ウエストワールド』シーズン3については、今のところ3つの予告編が公開されています。
一つは、昨年のサンディエゴ・コミコンで公開されたもの。つい先日、日本語字幕が付けられたものが公開されました。
こちらは、シーズン3で新登場するケイレブの視点による予告編です。この人はロボット開発者だと思われます。演じているのは、『ブレイキング・バッド』のアーロン・ポールです。
もう一つは、先月公開された謎のティーザー予告。どうやら、ウエストワールドの世界の歴史を表しているようです。
この予告編からわかることをまとめてみました。なお、動画の中に出てくるdivergenceとは「分岐」という意味です。以下に、分岐が起こった時、場所、出来事を年表にしました。
2019年6月12日 香港 社会不安、大規模な抗議運動
2019年12月18日 ワシントンD.C. 第45代アメリカ大統領に対する告発
2024年12月9日 ブエノスアイレス 次期アメリカ大統領の暗殺
2025年10月9日 パリ 核融合事故
2037年2月19日 モスクワ 第二次ロシア内戦勃発
2039年4月17日 秘密の場所 システム始動 ”ソロモン”が0.06を制作
2058年2月27日 どこか 致命的な事件
最後の2058年の出来事が、今回のシーズン3ではメインに描かれることになるでしょう。2039年の「ソロモン」や「0.06」という言葉は『ウエストワールド』では初登場する単語なのですが、おそらくソロモンというのは技術者の名前だと推測されます。0.06はアンドロイドの初号機の名前でしょうか?
『ウエストワールド』シーズン1,2おさらい
さらに考察を進める前に、『ウエストワールド』シーズン1,2でわかったことと展開をまとめておこう、と思ったのですが、皆さんご存じの通り『ウエストワールド』は非常に話が複雑です。まとめるにしても、ものすごい分量になってしまうので、今回はシーズン3に直接関係してきそうな部分だけおさらいしておきます。
・ドロレス
ドロレスは、アーノルドによって作られた最初期のホストで、自我を持っていると思われます。ドロレスは、シーズン2最終話でバーナードに射殺されます。しかし、バーナードが心変わりして、ヘイルの体を作り、そこにドロレスのデータをインストールします。ドロレスは、ヘイルとして人々を欺き、見事ウエストワールドを脱出することに成功します。
・バーナード
ドロレスをヘイルの体にインストールした後、ドロレスに射殺されます。しかし、ドロレスがパークを脱出した後、彼女の手により復活します。
・ウィリアム
シーズン2最終話はエンドクレジットの後も超重要シーンがあります。ちゃんと見ましたか?このシーンで、ウィリアムはホストの実験室の中に入っていきます。ウィリアムもホストだったということでしょうか?
余談ですけど、自分は最初からウィリアムがホストかなと思っていたんですよ。後出しじゃんけんみたいでカッコ悪いんですけど。というのも、ウィリアムの恰好が映画『ウエストワールド』でユル・ブリンナーが演じていたアンドロイドと似ているんです。だから、最初に彼が人間だと聞いて驚いたぐらいで、今回の展開は一周回って予想通りかなとも思いました。
・残りの4人のホスト
シーズン3で鍵になりそうなのが、残り4人のホストです。ドロレスは、パークを去る際に、5つの制御装置を持ち出しました。これで、5体のホストを作ることができます。1体はバーナードなので、残りは4体です。この4体のホストが誰なのかを探していくことが、シーズン3の楽しみになってくるでしょう。
このプロットには『ブレードランナー』に共通するものを感じます。『ブレードランナー』は、人間たちの中に紛れ込んだ5体(6体という説もある)のアンドロイド探していく物語です。『ウエストワールド』のテーマは、最初から『ブレードランナー』共通するところが多いので、『ブレードランナー』を観ておくと理解が深まるかもしれません。
・テディ、アキチタら多数のホスト
多くのホストは、新世界に送られました。データの中でのみ存在する世界で、現実の体は捨てられました。おそらく、この新世界には誰もアクセスできないのかな?と思うので、今後のストーリーには関係してこないのかもしれません。
・メイヴ一行
メイヴたちは、今もウエストワールドの中に取り残されています。今後、脱出していくのか、あるいは中での物語が続くのかはわかりません。
『ウエストワールド』シーズン3を大予想!
今のところ確実と見られているのは、シーズン3では、ウエストワールドの外に出たドロレスの物語が描かれるだろうという点になります。また、予告編にメイヴが第二次世界大戦の最中にいるようなシーンがあることから、ウエストワールド内に第二次世界大戦をテーマにした新たなパークが出来る(あるいは元からあった)と予想されます。
シーズン3のもう一つの軸として重要になってきそうなのが、ケイレブの物語。シーズン3も、これまで同様いくつかの物語が同時進行して進んでいくと思われます。一つはドロレス、もう一つはメイヴを中心に進んでいくことでしょう。さらに、わざわざ予告編を出しているぐらいですから、ケイレブを中心にした物語もあるでしょう。
そして、このケイレブの物語はたぶん時間軸も違います。ロボット全盛期直前(2039年あたり)を舞台に展開し、最終的にドロレスが出来るところにつながったりするのかな?とは言っても、そもそも『ウエストワールド』はパーク内でしか展開してきていないので、外の世界がどうなっているかは誰もわかりません。ロボット全盛期なんて書きましたけど、もしかしたら外の世界ではロボットに対して厳しい規制がかかっているかもしれません。
メイヴは、シーズン3でも引き続きパークからの脱出を目指していくことでしょう。その中で、新たな仲間にあったりするでしょうが、ここの物語はそんなに複雑にはならないように思います。
肝心のドロレスなのですが、この人が何をするかはさっぱりわかりません。予告編の様子だと、どうやら大企業の中にいたりする様子なので、ウエストワールドを運営している会社(デロス)に乗り込んでいくのかな?でも、そんな単純なことはしないようにも思います。実在の人物そっくりのホストを作れるということなら、これまで人間だと思っていた人が、急にホストに入れ替わるのもアリ。ドロレスがこの技を使って誰かと入れ替わり、ドロレスの体を持ったのはダミーだったという展開もあり得ますね。
ウィリアムの今後も謎ですねぇ。シーズン2のラストで、ウィリアムはホストであるみたいな展開がありましたが、これはウィリアムのホストがいるという話なのかもしれません。すなわち、これまでのウィリアムはやっぱり人間で、それとは別にウィリアムのホストがいるということです。シーズン2ではデロスのホストが作られていたので、同じ重役側のウィリアムのホストがいてもおかしくないわけです。
予告編にはウィリアムはほとんど出てこないので、何か重要なキーになってくるのかもしれません。シーズン3本編での登場シーンはこれまでより減るのかなという気もしますが、大事な場面では必ずや登場してくるでしょう。
『ウエストワールド』シーズン3予想まとめ
さて、ここまでは予想と言っても抽象的な話しかしてきませんでした。ここで、完全に自分の勝手な予想でストーリーを組み立ててみましょう。必ず外れます(笑)
実は、フォード博士とアーノルドがウエストワールド計画に着手する前には、もう一人共同研究者がいました。それがケイレブ。ある事件がきっかけで、ケイレブはデロス社を去っていました。ウエストワールドを脱出したドロレスですが、まだ自分には改良が必要だと悟ります。そこで、ケイレブに協力を依頼することになります。
一方で、ウエストワールド内のメイブは、第二次世界大戦のパークに入り込みます。メイヴは、そこで兵士たちを味方につけます。そして、ホストのウィリアム(本人は死んだ)に出会い、二人は協力してウエストワールドを脱出します。
ウエストワールドの外の世界では、ドロレスとケイレブがホストを大量生産することを計画。同時に、ドロレスら6人のホストを追う捜査も過熱していきます。捜査官に捕まる直前のところで、ドロレスはホストの生産を可能にします。ドロレス自身は射殺されますが、自分の意識をコピーしてそれらのホストにインストールし、捜査チームを皆殺しにします。
最後の最後にケイレブもホストだったことが明らかになります。このシーンで、シーズン3終了。
なわけはないですね(笑) ジョナサン・ノーラン&リサ・ジョイがこんな単純なストーリーにするわけがありませんから。とにかく、3月の公開まで楽しみに待ちましょう!