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海外ドラマ『ウエストワールド』ガイド~大人のためのテーマパークへ~

 SF海外ドラマ『ウエストワールド』シーズン4の配信がU-NEXTで始まりました。今回の記事は、主に『ウエストワールド』を観たことがない人、あるいは途中で視聴が止まっている人向け。ネタバレなしで『ウエストワールド』がどんなドラマなのかを全般的に解説していきます。

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基本データ

  • 原題:Westworld
  • 放送局:HBO
  • 放送年:2016年~
  • シーズン数:4
  • 話数:36
  • 脚本:リサ・ジョイ&ジョナサン・ノーラン
  • キャスト:エヴァン・レイチェル・ウッド、タンディ・ニュートン、アンソニー・ホプキンス、ジェフリー・ライト、エド・ハリス、テッサ・トンプソン、アーロン・ポール

予告編

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 海外ドラマ『ウエストワールド』全4シーズンは、U-NEXTで独占見放題配信中。

 

注目ポイント

設定

 ドラマの舞台は、2050年頃のとあるテーマパーク。その名は「ウエストワールド」。西部開拓時代をテーマにしたこのテーマパークで働いているのは、ホストと呼ばれる人間そっくりなアンドロイドたち。ウエストワールドに遊びに来た人間たちには、様々なアクティビティが用意されています。伝説の盗賊が隠した財宝を探したり、保安官になって町の治安を守ったり。

 

 ウエストワールドへの入園料は非常に高いですが、その代わり、何をやってもOK。目の前のホストを銃で撃ち殺しても大丈夫。見た目は人間そっくりですが、所詮はロボットです。いずれは修理されます。ウエストワールドは大人のためのテーマパークなので、暴力もセックスも殺人も何でもあり。誰にも許可は要りません。やりたいことをやれば良いのです。

 

 しかし、ホストたちがもしも自我に目覚めたらどうなるでしょう。ドラマの主人公の一人であるドロレス・アバナシーは、牧場の従順な娘という役割を与えられていました。事前にプログラムされたストーリーに沿って、毎日、客たちをもてなしています。ところが、あるとき、ドロレスは毎日が同じことの繰り返しだと気づきます。そして、自分たちはテーマパークの中でプログラムされた役割を演じているに過ぎず、パークの外の世界というものが存在することを知るのです.......。

 

 基本設定は、1973年の映画『ウエストワールド』で描かれたものと同じです。この映画は、『ジュラシック・パーク』の原作者として有名なマイケル・クライトンが脚本を書いています。ドラマは、映画版とのストーリーの繋がりは全くなく、設定だけを活用しています。つまり、マイケル・クライトンが考案した世界の中で、リサ・ジョイとジョナサン・ノーランが新たに紡ぎ出した物語が、ドラマ『ウエストワールド』というわけです。

 

テーマ

 『ウエストワールド』は、難解で哲学的なドラマです。アクションやSFデザインだけでも十分楽しめるような作りにはなっていますが、ストーリーを理解しようとしてみると楽しみは倍増します。完全に理解することは困難ですが、だとしても面白いストーリーです。詳しい内容に関してはネタバレをしないと何も解説できないので、ここでは触れません。その代わりに、ドラマが扱っている哲学的なテーマを簡単に紹介します。

 

 メインテーマは、すばり「自我」です。まず、機械が自我を持ち得るのか?という疑問があります。機械は基本的に人間が命令したことを実行するものですが、AIはもう少し自発的に考えて行動することができます。現時点ではまだまだAIが自我を持っているとは言えませんが、将来的にはAIが自我を持つこともあり得るのでしょうか? すなわち、AIは人間からの命令とは全く関係なく、独立に思考したり、さらには感情を持つことができるようになるのでしょうか?

 

 ドラマは、さらに深い問いを投げかけます。はたして人間は本当に自我を持っているのでしょうか? 人間は、何にも邪魔されずに、純粋に自分だけの思考を持つことができるのでしょうか? テクノロジーが発展するにつれ、人間と機械の境目がどんどん曖昧になり、人間の存在はどんどん不確かなものになっています。

 

 将来的に機械はどこまで人間に近づくのか? そうなったとき人間と機械の違いとは何なのか? そもそも人間とは何なのか?『ウエストワールド』はSF(サイエンス・フィクション)ですが、これらのテーマは実際に科学や哲学の分野でもよく話題に上がるものであるので、非常に示唆に富んだドラマとも言えます。

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 他のテーマとしては「物語る」ということの意味があります。ウエストワールドには様々なアトラクションがストーリーとともに用意されており、ホストたちは決まったストーリーを演じるようになっています。もちろんドラマの『ウエストワールド』自体が物語ですから、このテーマは、とてもメタ的なわけです。

 

 さらに、ドロレスは従順な娘という役割を与えられていますが、自我に目覚めた後は、この役割から脱出しようとします。これは、女性たちが社会から押し付けられている役割から逃げ出す、あるいは破壊していくことのメタファーであり、フェミニズム的なテーマを読み取ることもできます。

 

 

デザイン&音楽

 『ウエストワールド』は、そのデザインと音楽も秀逸です。近未来を創造することにとてもこだわっています。デロス社(ウエストワールドの運営会社)の管理棟では、ホストが製造されたり修理されたりしているのですが、とてもスタイリッシュな施設です。シーズン3以降では、近未来の都市を眺めることができ、これを見ているだけでも楽しい。HBOの目玉ドラマとして、潤沢な予算が掛けられていますから、映像は大したものです。

 

 サウンドトラックは、『ゲーム・オブ・スローンズ』で知られる作曲家のラミン・ジャワディが担当。静謐なメロディがドラマの美しさを際立たせています。私は『ウエストワールド』のオープニングがもの凄く好き。テーマ曲が素晴らしいし、SF的なアートも美しく、何時間でも見ていられます。オープニングはシーズンごとに異なるので、デザインの違いにも注目してみてください。

 

オープニング(シーズン1)

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各シーズン概要

映画

 1973年に公開された映画『ウエストワールド』では、『ジュラシック・パーク』の原作などで知られるマイケル・クライトンが監督と脚本を務めました。ストーリーは非常にシンプルで、最新技術を駆使して作られたアンドロイドたちが働くテーマパークで、アンドロイドが人間たちを襲うようになるというもの。1973年当時にこのようなアイデアを思い付いたマイケル・クライトンは流石だなと思います。なお、映画版とドラマ版のストーリーは全く繋がっていません。

 

シーズン1 The Maze

 最初の方で書いた内容は、ほとんどシーズン1のことです。ウエストワールドの中で、ドロレスが自我を獲得しようとしています。実際には遥かに大きなストーリーがあるのですが、このくらいにしておきます。様々な謎が出てきて、それらは驚きの解決をしていきます。とりあえず前知識はできるだけ少ない状態で、シーズン1を最後まで観てみてください。

 

シーズン2 The Door

 シーズン2は、シーズン1と同じくデロス社のテーマパークの中の話ですが、ショーグン・ワールドなどが登場し、規模はだいぶ大きくなります。ホストたちの反乱も本格的になり、アクションも増えています。さらに新たな謎がいくつも登場し、またしても驚きの展開を迎えます。シーズン1の時点ですでに難解だったストーリーは、さらに難解さを増し、すべてがパワーアップしています。

 

シーズン3 The New World

 舞台は一転、ウエストワールドの外の世界に。近未来の都会の洗練されたデザインが、とてもカッコいい。シーズン1と2はホストが自我を獲得することを目指す話でしたが、今度は人間が自我を取り戻すことを目指す話です。前2シーズンから方針転換し、ストーリーは若干わかりやすくなり、近未来SFとして楽しみやすくなっています。

 

シーズン4 The Choice

 シーズン3の7年後を舞台とするシーズン4。それぞれのキャラクターが置かれている状況は大きく変わっていますが、何か不穏な空気もします。まだ第1話しか観ていないので、今後どのような展開になるのかは相変わらずさっぱりわかりません。

関連記事:『ウエストワールド』シーズン4感想&解説|自由意志なんてもう存在しない - 海外ドラマパンチ

 

まとめ

 以上、海外ドラマ『ウエストワールド』の紹介をしてきました。アンドロイドが人類に反旗を翻すドラマと言えればわかりやすいのですが、実際にはなかなか難解で哲学的な作品になっています。それでも、今はネット上に解説記事などもありますから、なんとかなるでしょう。それに、このドラマの美術と音楽は、それだけでも一見の価値ありです。『ウエストワールド』全4シーズンは、U-NEXTで独占見放題配信中。

 

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