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ドラマ『ザ・ソプラノズ』シーズン4感想~マフィアの人生設計~

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 昨年(2020年)末に、Amazonプライムビデオで配信されていたHBOドラマが一斉に見られなくなってしまいました。自分にとっては、HBOの砂嵐ロゴは主食みたいなもので、この状況はとても困ってしまうのです。

 

 ちょうどそんな折に、『ザ・ソプラノズ』シーズン4のDVDが安く見つかったので、すぐに購入。海外ドラマを楽しむ方法として、配信優勢の現代であっても、円盤もまだまだ有効な方法なのです。ということで、今回はHBOの看板ドラマ『ザ・ソプラノズ』シーズン4のネタバレ感想です。

 

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ドラマ『ザ・ソプラノズ』シーズン4基本データ

・原題:The Sopranos

・放送局:HBO

・放送期間:2004年4月9日~6月30日

・主演:ジェームズ・ガンドルフィーニ

 

『ザ・ソプラノズ』シーズン4感想(ネタバレ)

第1話「接触」For All Debts Public and Private

 これまでと特に変わりのないソプラノ家の日常から始まるシーズン4。ポーリーはいつの間にか刑務所に入り、FBIの潜入捜査官はエイドリアーナと親しくなっています。今回のエピソードのハイライトは、クリスが父親のかたきを討った場面でしょう。あの場面では、部屋のテレビでドラマの警官がしゃべっているのが粋な演出です。

 

第2話「拘束」No Show

 メドウが大学に戻りたくないので、ヨーロッパ旅行に行くと言い出します。これまで、トニーに忠実だと思われていたシルヴィオは、わざとトニーの命令に背く行動をします。そのことを知ったトニーは、シルヴィオが自分を試しているだけだということにし、金を受けとります。なんだか、幹部とトニーの関係が怪しくなってきたぞ。

 

第5話「憔悴」Pie-o-My

 ラルフの馬が好調で、エイドリアーナは苦悩する。トニーは、カメーラに色々言われたからか、自分の将来を考え始めています。特に、最期のことを。40代という年齢的なものもあると思いますが、マフィアという職業柄もあって、どうしてもトニーの頭には、自分の”死”のことがちらついてしまうのでしょうか。ラストシーンで、瀕死の馬の側に座っているトニーの姿は、まさに哀愁のマフィア。

 

第6話「後悔」Everybody Hurts

 トニーは、かつての情婦だったグロリアの自殺を知る。アーティは、投資したがっている知人に金を貸すが、結局返ってこなかった。アンソニーは、彼女が自分よりもリッチだと知る。トニーのメンタルが、久しぶりに不安定になってしまう今回。プロザックも飲み始めちゃった。

 

 個人的に、アーティ・ブッコは好きなキャラなんです。毎度、温かいイタリア飯を提供してくれるからですね。これまでも、店を爆破されたりと、なにかと可哀そうなアーティですが、今度はなおさら。貸した金が返って来ず、トニーのツケは払われず終いです。鏡の前で恐喝の練習をしている場面は面白かったな。その割に、相手が完全に諦めモードで、予想していた調子の良い顔の一つもしないというのが、また何とも。とにかく可哀そうだ。

 

第9話「芝居」Whoever Did This

 ラルフの息子が大怪我を負い、競走馬のパイオマイは火事で亡くなります。自分の中では、ラルフは完全にサイコパスという印象です。シーズン3で、愛人を殴り殺していたところで、完全にそのイメージになりました。今回は、息子が怪我をしたことで、心を入れ替えたようにも見えたのですが、それでもパイオマイの小屋に火をつけたりしたようです。それでも、稼ぎは良かったようなので、組織としてラルフが必要かどうかは、難しいところです。

 

 トニーがラルフを殺す直前に、組織のことまで考えて判断をしていたかは怪しいものです。直接的にトニーの行動を引き起こしたのは、ラルフがパイオマイを殺したことが実質的に明らかになったことでしょう。第5話のラストシーンで印象的だったように、トニーはパイオマイと自分を重ねて見ているようなところがありました。それゆえ、ラルフがパイオマイを厄介者扱いし、処分したことが許せなかったのかもしれません。

 

第11話「予兆」Calling All Cars

 トニーは、カメーラが運転する車に、ラルフとグロリアとともに乗っている夢を見る。やっぱり、自分はトニーのメンタルがごりごりにやられている回が好きですね。シーズン1,2の後半とか。車に乗っている3人に対しては、トニーなりに罪の意識を感じているのでしょうか。表情が薄いので、いつも何も感じていなさそうにも見えるのですが、ラルフ殺し以降、かなり精神的にきているようです。

 

第13話「評決」Whitecaps

 トニー、家を買う。いや、買わない。愛人を取らないとカメーラに約束した後も、トニーは情事を重ねていたことがわかり、カメーラはぶち切れます。カメーラは、ずっとフリオのことが気になっていたのですが、実際には(おそらくトニーとの約束を意識して)何もしていないので、ぶち切れたくもなりますよね。しかも、トニーはそのことを聞いて、カメーラにぶち切れるという。最初から怪しかった二人の仲ですが、ここに来て完全に決裂してしまいました。

 

 アンクル・ジュニアの裁判は、ようやく決着がつきます。ジュニアの部下が陪審員の一人に脅しをかけたことにより、採決不成立になり、ジュニアは釈放されました。こういうことが起こり得るから、自分は陪審制は好きじゃないんです。とは言うものの、ジュニアにとっては、陪審制度は有利に働いたようです。

 

シーズン4のMVP

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 毎シーズン、私が気に入ったキャラクターをMVPとして勝手に表彰しています。シーズン4のMVPは、クリス・モルティサンティです。シーズン4に入って、トニーは自分の不確かな将来を案じ、誰に自分の組織を任せられるかを考えるようになります。そこで、やはり血を信じるのがベストだと考え、幹部の中では最も若いものの、クリスとの繋がりを強めていきます。

 

 一方で、クリス自身はヘロイン依存症になっており、それが原因でトラブルを起こすようにもなります。それでも、皆の説得(と総殴り)により、治療施設に入ることに決めます。

 

 このドラマに出てくる人は、だいたい法的にも倫理的にもアウトな人たちばかりです。エイドリアーナが不妊であることを知り激怒したクリスの反応を見るに、彼もそういった人物の一人ではあります。それでも、後にエイドリアーナを受け入れたりと、見込みはありそうに感じます。どうしようもない甥っ子だけど、気に掛けていきたい、みたいな立ち位置かな。

 

まとめ

 シーズン4は、トニーの今後を考えるシーズンという印象を受けました。組織の今後を考えてクリスを重用し、ジョニー・サックらニューヨークの組織との駆け引きをし、自分の最期を案じて競走馬のパイオマイに心を寄せます。カメーラも、家族の将来を考えて信託財産を作っています。その年頃になると、将来のことを考えて、いくらか不安が募ったりするものなのでしょうか。最終話では、ついに家を出てしまったトニー。家族の今後も気になります。

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