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Netflixドラマ『ザ・サーペント』感想:毒蛇はいつもそこに

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 海外旅行がなかなか出来ない時期が続いていますが、ドラマの中だけでも東南アジアへ旅行した気分になってみるのはいかがでしょう? ただし、シリアルキラーには気を付けなければいけません…… 

 

 

 

 

Netflixドラマ『ザ・サーペント』基本データ

・原題:The Serpent

・配信元:Netflix

・配信日:2021年4月2日

・話数:8

・キャスト:タハール・ラヒム、ジェナ・コールマン、ビリー・ハウル

・あらすじ:

 東南アジアを訪れたヒッピーの若者たちを殺害して言った実在のシリアルキラー、シャルル・ソブラジと、彼を追う外交官クニッペンバーグの物語。

・予告編:

www.youtube.com

※『ザ・サーペント』はリミテッドシリーズなので、シーズン2以降はありません。

 

登場人物

シャルル・ソブラジ/アラン・ゴーティエ:“サーペント(蛇)”の異名を持つ連続殺人犯

マリア・アンドレ・ルクレール/モニク:ソブラジの恋人

アジェイ:ソブラジの手助けをする

ドミニク:ソブラジに毒を飲まされ、手伝い人として仕えた

クニッペンバーグ:オランダ大使館書記官

アンジェラ:クニッペンバーグの妻

ナディーン:ソブラジの隣人

レミ:ナディーンの夫

ポール:クニッペンバーグの捜査を手伝う

 

ここからネタバレあり感想

 

 

 

旅情ドラマと思わせて 

 Netflixは、実話犯罪ドキュメントや実話ベースの犯罪ドラマがたくさんあるので、自分には正直どれが面白いのかよくわかっていません。観たことがあったのは『マインドハンター』だけ。

 

 今回の『ザ・サーペント』はTwitterのフォロワーさんからのおすすめもあって観始めました。評判も良い感じだったのですが、決め手はある出演者です。そう、ジェナ・コールマンです。『ザ・サーペント』では、主人公に付いていくモニクという女性を演じています。

 

 ドラマをすでに観た人ならば、もうジェナ・コールマンの虜だと思うので、説明はいらないでしょう。彼女は以前、イギリスのSFドラマ『ドクター・フー』に3シーズンほど出演していて、自分はこのときに彼女の虜になってしまいました。だって、そりゃ、ね。可愛いじゃないですか。それだけじゃなくて、俳優としての実力もしっかりあるんです。

 

 『ザ・サーペント』を観始めて最初に目に付いたのも、ジェナ・コールマンのお洒落なファッションでした。加えて、当時のバンコクの風景も目を楽しませてくれます。シャルル・ソブラジらの標的は基本的に旅行に来たヒッピーなので、バンコクの中でも特に観光地だったりするのでしょうか。東南アジアらしい風景や、そこに来た旅行者たちのファッションのおかげで、最初のうちは軽い観光気分で観ていました。

 

 しかし、それは完全に被害者のヒッピーたちの目線。自分も彼らと同様に、徐々にシリアルキラーの恐ろしさに気付かされていきました。

 

 ソブラジは、すぐに標的を殺すのではなく、まずは毒を飲ませて弱らせます。その後、看病するふりをして毒薬を与えて、さらに被害者を苦しめ続けます。最後には、どこか山奥などで刺殺したり焼き殺したりしていたようです。

 

 こんな殺し方は、人が苦しんでいるのを見るのが心底好きな者にしか出来ません。単に毒殺するだけだったり刺殺するだけのシリアルキラーだったら他にもいますが、わざわざ毒で苦しめてから殺すというのは聞いたことがありません。

 

ソブラジの3人の仲間

 彼の犯行の手助けをするのが、マリア(モニク)、アジェイ、ドミニクの3人。ドミニクは、前半でアランとモニクの付き人みたいなことをさせていた人です。しばらくして、ナディーンたちの手助けのおかげで脱出することが出来ました。

 

 アジェイは、ソブラジを様々な面においてサポートする人。ソブラジが、過去に結婚していたことも知っていました。ソブラジは、ベトナム系フランス人だったことで人種差別的な扱いを受けてきた背景があり、その経験から白人をあまり信用していないところがあります。

 

 そんなソブラジにとって、アジャは最も信用できる仲間でした。マリアよりも信頼しているように見えたのですが、後にそうではなかったことが明らかになります。いや。信用はしていたけど、マリアの方を大事に思っていたから、アジャを見捨てたのか。まぁ、シリアルキラーの心理を探っても仕方がない。

 

 カナダ人のマリアがソブラジと会ったのは、一連の出来事の半年前ぐらいだったかな。そんなに長くはありません。当時のマリアは元婚約者もいたのですが、自分の環境が嫌になって、ソブラジの元に逃げ出してきます。

 

 しかし、そこでの生活は期待していたものとは大違い。アランも、自分のことをちゃんと愛してくれてはいないようです。それでも、かなり意地になってカナダを飛び出してきたようなので、すぐに帰るわけにもいきません。彼女は、アランに付いていくうちに、その名前が偽名であること、そして彼の真の姿を徐々に知っていきます。

 

 マリアは非常に怯えています。一方で、モニクはどんどん大胆になっていきます。標的に毒を飲ませたりもしています。最初は殺人を犯すような人ではなかったのですが、徐々に殺人を容認するようになり、犯行に手を貸すまでになっています。ソブラジが直接的にマリアに毒を盛っていなかったとしても、ソブラジの毒は着実にマリアを蝕んでいたのでした。

 

奔走する外交官

 ソブラジの事件を追いかけることになったのは、タイの警察ではなくオランダ大使館の書記官でした。クニッペンバーグは、次第に事件に執着するようになっていきます。妻のアンジェラはときに協力し、ときにたしなめ。

 

 実は、全体的にクニッペンバーグ君よりアンジェラの方が優秀に見えたんです。クニッペンバーグ君が、警察が殺人事件の捜査をしないならば自分がするべきだという考えたのには感心しますが、果たしてそれが得策なのかなよくわかりません。大使から色々と文句を言われていたのも、普段の業務が疎かになっていたからかもしれません。

 

 アンジェラはそもそもタイ語が話せて、事件にのめり込み過ぎずもきちんと捜査する重要性もわかっているので、非常に器用。事件の後には、国連事務局長になっているほどなので、実際にもの凄く有能な人です。

 

 クニッペンバーグに協力するのが、ソブラジのご近所さんのナディーンとレミ夫妻。特に、ナディーンの活躍は凄まじい。自分から進んでソブラジに近づいていきます。危ないからやめとけ!というところにズンズン行く様は、ホラー映画のヒロインのようです。

 

 事件の後には、クニッペンバーグ&アンジェラ夫妻もナディーン&レミ夫妻も離婚してしまったようですが、これはもしかしたら事件とはそんなに関係ないのかもしれません。夫婦関係は色々ありますから。

 

『ザ・サーペント』まとめ

 ドラマとして、『ザ・サーペント』はよく出来ていて、自分はとても楽しめました。東南アジアやヒッピーといった背景がデザイン面で魅力的で、視覚的にも楽しい。ソブラジに付いていってしまうモニクの心情だったり、クニッペンバーグたちがソブラジを追い詰めていく様もスリリングで良かったです。

 

 一方で、ドラマのクオリティとは関係なく、こういった形で殺人犯に再び注目を集めるのは癪に障るんです。すでにソブラジは亡くなっているのならともかく、まだ刑務所の中で生きているというではありませんか。Netflixのドラマシリーズになって、今頃は監獄の中でさぞかし喜んでいるに違いありません。くそっ!

 

 なので、もうソブラジのことは忘れましょう。ドラマの中でも言っていたように、ソブラジのことは誰かが覚えていなくてはいけません。でも、世界中の人が覚えておく必要もありません。少なくとも、今はクニッペンバーグ氏も存命です。ということで、『ザ・サーペント』のまとめ。

 

アンジェラさんの世界平和への貢献度が半端ない

 

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