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Netflixドラマ『オザークへようこそ』シーズン3感想:ビジネスの代償

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Everything he touches turns to dog shit. I’m starting to think we might be related.

- Ruth Langmore, Ozark season 3 episode 9

 

 Netflixのドラマ『オザークへようこそ』ファイナルシーズンが2022年1月から配信される前に、シーズン3まで追いつくことができました。今回は『オザークへようこそ』シーズン3のネタバレあり感想です。

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Netflixドラマ『オザークへようこそ』シーズン3基本データ

  • 原題:Ozark
  • 製作:Netflix
  • 配信日:2020年3月27日
  • 話数:10
  • 予告編:

    www.youtube.com

 

感想(ネタバレあり)

 シーズン3に入り、中心人物となるのがマーティの妻のウェンディ・バード。カジノ免許を取るためにシーズン2から政治力を発揮し始めましたが、今シーズンはカジノビジネスを拡大することで、さらに組織内での力を強めていきます。

 

 シーズン3前半では、他の夫婦が経営しているカジノを買収しようとするのですが、マーティとウェンディの足並みが全く揃わないので、一向に計画は進みません。ウェンディがやっと夫婦から買収する合意を取り付けたかと思えば、マーティが向かいのカジノに放火して、夫婦のカジノを繁盛させてしまいます。とはいえ、ウェンディがその程度のことで引っ込むわけもなく、今度はカジノで詐欺をして大当たりを出しまくることで、夫婦のカジノを破産に追い込もうとします。

 

 すると、今度はマーティが新たなカジノで資金洗浄を始めようとします。新カジノは、合法的な収入源とする予定だったはずなのに。どこまで行っても、マーティとウェンディが正反対の方向に向かって、それぞれ勝手に計画を進めようとするので、余計な面倒ばかりが掛かっています。

 

 夫婦セラピーを受けて、2人の間で会話をしようとするも、これもさっぱり上手くいきません。マーティがセラピストに賄賂を贈っているんだもの。後に、ウェンディも賄賂を渡すようになったので、なんだかんだ似た者同士の夫婦だな!とツッコみたくなりました。まぁ、セラピストは最終的に死体袋に入れられたわけですが。

 

 途中で、マーティがカンザスシティに出張に行った(=ナバロカルテルに拉致された)ときには、ウェンディがマーティのことを心から心配しているようだったので、夫婦関係改善の兆しが見えたと思ったのですが、それほど簡単に解決するものではないようです。帰ってきたマーティは、アーケードゲームを買い出したりして、中年の危機でも訪れたのでしょうか。

 

 そんなときに、ウェンディと家族にとって最大の危機が持ち上がります。それは、しばらく前から家に滞在していたウェンディの弟のベンでした。ベンは、見た目は優しそうで、周囲の人々から親しまれやすい人です。ガードが堅そうなルースとも付き合っていましたから。

 

 しかし、それは薬を飲んでいるときの話で、そうでないときは深刻な双極性障害の症状が出てしまいます。通常のコミュニティだったら、それでも何とか頑張ってやっていけたでしょう。実際、直前までベンは臨時教員の仕事がありましたし、日常生活を送ることに困難はありませんでした。でも、オザークではそうはいきません。

 

 カルテルの弁護士のヘレンいわく「組織には精神疾患を持つ者のいる場所はない」とのこと。あたりかまわず麻薬カルテルのことをぶちまけられては、組織にとってもバード家にとっても困ります。ウェンディは、弟のベンを逃がそうとするものの、ベンが自ら警察に通報したりヘレンに電話をかけたりするので、逃げる意味がありません。結局、ウェンディはベンを見捨てるという判断をしました。

 

 個人的には、ウェンディならやりかねないなとは常々思っていました。ウェンディは、目的のためなら何でもやりますから。全シーズンのラストでは、ルースの父親を組織に殺させていました。バード一家は、ビジネスライクな思考の持ち主ばかりなのですが、ウェンディは相当なものです。ある意味では、家族の命と弟の命を天秤にかけて、合理的な判断ができるということでもあります。ベンと見捨てるのは感情的にはあり得なくても、子供たちを守るためなら、そういった判断は論理的にはあり得るわけです。それは、もの凄くツラい決断なのですが。

 

 そこを、マーティは優しく支えていきます。こういうときは、似た者同士の夫婦で良かったなぁと思います。合理的な価値観を夫婦でそれなりに共有していなかったら、ウェンディの決断にマーティが共感することはなく、ウェンディを非難しまくっていたでしょうから。

 

 そんなベンの犠牲があったにも関わらず、ナバロカルテルから信頼が得られたかどうかは微妙。ヘレンは、密かにバード夫妻から事業を乗っ取ろうとしています。バードかヘレンか。生き残れるのは、どちらか一方だけ。

 

 最後の最後に、命運が決まります。バード夫妻の目の前で、ヘレンは射殺されました。忘れられない血の味とともに、物語はファイナルシーズンへ向かいます。

 

総評

 シーズン3になって急に面白くなってませんか!?本当に面白すぎて、体感では1話あたり10分しか経っていません。これまでのシーズンと何が具体的に違うのかはよくわからないのですが、より無駄がないソリッドなストーリーになっているような気がします。

 

 ファイナルシーズンとなる『オザークへようこそ』シーズン4は、パート1と2の二部構成。パート1は、2022年1月21日よりNetflixで世界同時配信されます。

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『オザークへようこそ』シーズン4パート1予告編

www.youtube.com

 

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