Well, grow the fuck up, because it's game on. Do you understand?
- Wendy Byrde, Ozark season 2
オザーク湖は秋になり、バード一家はさらなる闇に入っていくことになります。「14歳から始めるマネーロンダリング講座」こと『オザークへようこそ』シーズン2のネタバレ感想です。
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Netflixドラマ『オザークへようこそ』シーズン2基本データ
・原題:Ozark
・製作:Netflix
・配信日:2018年8月31日
・話数:10
・キャスト:ジェイソン・ベイトマン、ローラ・リニー、ジュリア・ガーナー
・予告編:
『オザークへようこそ』シーズン2ネタバレ感想
今回は、気になった登場人物ごとに感想をまとめていきます。まずは、オザーク湖の住人の中で唯一応援しているルースから。
ルース・ラングモア
オザークでトラブルが起こったら、大体ラングモア家が一枚噛んでいます。2人の兄弟とその娘(ルース)と息子(ワイアット、スリー)たちは、強盗や窃盗を日課にしています。服役することもざら。他人の物を盗んで生きていくことに、何の罪悪感も感じてはいません。
ルースもその一家の一員ですが、服役が多くて父親がいない時期が長いせいか、ワイアットとスリーの面倒は進んで見てあげています。シーズン1の最後には、2人の後見人になっていました。自分がしっかりしなければ、一体誰がしっかりしなければいけないんだという責任感があります。
しかし、ルースはまだ若いので、脆さが表れることもしばしばあります。ルースは、父親は、仮出所中であるにも関わらず強盗をし、娘のルースを殴り、甥のワイアットを強盗に巻き込んでいます。やっかいな父親のことになると、途端にルースが弱気になってしまうのは、見ていて悔しかったですね。
ルースは、最初のうちは父親のことを多めに見ていたのですが、ワイアットが絡むと耐えられなくなります。自分が巻き込まれるのはまだしも、未来のある従兄弟の人生を台無しにするのは許さない、と。その点に関してはブレずに頑張っています。
結局、シーズン2の最終話で父親は死にます。自分は、せいせいしましたが、娘のルースはそこまですっきりした気分になれるわけでもありません。でも、それで良かったと思います。やっと父親から解放されたんだから。
バディ
バード家の地下に住んでいた余命1年の老人は、型破りなところがありますが、嫌いにはなれない人物です。カルテルの殺し屋に一家が襲われたときには、銃を持って援護してくれました。最期も、スネル夫妻を倒す手助けをしてくれていました。
ジョナ・バードにとっては、バディは特に重要な存在だったようです。銃の扱い方を教えてくれたのが彼でしたし、その過程で仲良くなっていました。バード家では父親が不在がちだったので、父親役とはいかないまでも、ジョナにとってバディが部分的にはそんな存在だったのではないかと思ったりもします。R.I.P.
スネル夫妻
スネル夫妻には、ずっと死んでほしいと思っていましたね。マーティたちの邪魔しかしません。特に、シーズン1最終話でカジノ建設の話がやっとまとまったときに、妻のダーリーンがカルテルの人間を撃ち殺したときですよ! このヤロー!!! 悪口一つで交渉人を殺すのはヤバすぎる!
スネル夫妻は頑固で、自分たちの望みが通らないならば、とりあえず相手を殺そうとする人たちです。一応、シーズン1で妊娠中の牧師の妻を殺したのは、何度も警告したうえでの行動だったので、彼らなりの道理が通っているとしましょう。
でも、シーズン2で夫のジェイコブが、自分たちの部下をいきなり撃ち殺すのは、短気が過ぎませんか!? せめて2人で相談ぐらいしてからにしようよ。無駄死になってしまうかもしれないんだから!
主人公のマーティが徹底したビジネス思考の人間なのに対し、契約などただの口約束としか思っていないスネル夫妻はその正反対です。これほど仕事がやりにくい相手もいません。なにしろダーリーンは、自分の主張を通すために夫を殺してしまうような人なんだもの!
メイソン牧師
メイソン牧師にとっては、マーティは地上に現れた悪魔に他なりません。元々は、裏でスネル夫妻が麻薬売買を行っていることも知らず、湖上で説教を行っていました。しかし、マーティが教会を建てたいと言い出したことから、スネル夫妻の本業を知ることになります。ジレンマに悩んだメイソンは、妻を殺されてしまいます。
メイソンの妻は、マーティの正直さの犠牲になった一人です。ただ、メイソンに選択肢がなかったわけでもないので、もう少し融通が利かなかったものかと後から思ったりします。スネル夫妻に目をつぶって湖上の説教を続けるとか。メイソンの妻じゃなくて、メイソン自身が死ぬなら、もう少し納得感がありましたが。
シーズン2でメイソンは、何が狂ったかウェンディを誘拐します。勝手に、悪魔マーティと正義の牧師メイソンの聖戦だとでも思い込んだのでしょうか。悲惨な目に遭っているのはご愁傷様と言いたいですが、どうも彼自身がさらに事態をやっかいにしているので、あんまり同情したくならないところがあります。
ペティ捜査官
マーティを執拗に追いかけるFBIのペティ捜査官。シーズン2では、ホテルの管理人だったレイチェルを脅して盗聴器を付けさせて、マーティの犯罪の証拠を掴もうとします。捜査官なのに、やってることが汚い。そもそもレイチェルの罪とされている自損事故と違法薬物使用だけだったら、5年も収監されるわけはないでしょうに。
ルースを密通者のように仕立て上げて、カルテルからの拷問を受けさせたのも許せません。結果的には、その恨みでルースの父親に殺されるので、その報いを受けたことになります。殺されるほどではなかったかもしれないけど、相手が相手だから仕方ない。
マーティは、犯罪者にしては相当な正直者なので、資金洗浄の証拠は至るところにありそうに思います。マーティの資金洗浄のことを知っているのは、マーティ一家、ラングモア一家、レイチェル、スネル夫妻、牧師のメイソンなど多数。ペティ捜査官も、マーティの罪状に関しては確信しているのですが、それでも逮捕できませんでした。マーティも、かなり手練れの犯罪者のようです。
ウェンディ・バード
ウェンディの政治力の高さには、驚かされます。カジノ設立のために、有力者と接触し、巧みに協力を勝ち取ります。ときには脅しをすることも辞しません。目標を達成させる実力は、相当なものだなと感じます。
以前のマーティとウェンディは、カルテルの資金洗浄をするべきか否かを相談するほどのオープンなコミュニケーションが取れる関係でした。しかし、シーズン2では、マーティに相談をせずに、ウェンディが単独で決断をして実行する場面が多々あります。
こういうケースでやっかいなのが、それでも上手くいってしまうのです。ウェンディはマーティに劣らず賢い人なので、単独でも計画を進めることができてしまいます。それゆえに、いざ本当にマズい決断を単独でしてしまったときに、どうなってしまうのかは心配です。
まとめ
『オザークへようこそ』シーズン2は、シーズン1より面白かったと思います。さらにドツボにハマっていくバード一家は、政治家に脅しをかけたり、ついには殺人まで。海外逃亡の計画も、ウェンディが潰してしまったようです。
シーズン3で、バード一家はさらに裏社会から抜け出せなくなってしまうのか?引き続き観ていきたいと思います。