海外ドラマパンチ

海外ドラマ最新情報・紹介・感想

海外ドラマ『ペリー・メイスン』シーズン1ネタバレ感想:世界一有名な弁護士の誕生秘話

f:id:presbr:20210330175249j:plain

 ペリー・メイスンという名前を聞いたことがあるでしょうか。E.S.ガードナーの小説シリーズや、それを原作にした60年代のテレビドラマで人気を集めました。弁護士としてはハーヴィー・スペクターやソウル・グッドマンより歴史があるので、世界的には有名なんじゃないでしょうか。

 

 今回、HBOが製作したのは、そんな弁護士ペリー・メイスンが弁護士になる前の物語。彼はなぜ弁護士になろうと思ったのか。彼のお馴染みの仲間たちとの出会いも描かれます。

 

 

 

 

ドラマ『ペリー・メイスン』シーズン1基本データ

・原題:Perry Mason

・放送局:HBO

・放送年:2020年

・話数:8

・クリエイター:ロリン・ジョーンズ、ロン・フィッツジェラルド

・主演:マシュー・リス(ジ・アメリカンズ)

・あらすじ:

 舞台は、1930年代のロサンゼルス。赤ん坊のチャーリー・ドッドソンガ誘拐され、瞼が縫われた状態で殺された。私立探偵のペリー・メイスンは、弁護士のE.B.ジョナサンの依頼で捜査を始める。

・予告編:

www.youtube.com

『ペリー・メイスン』は、現在U-Nextで独占配信中

 

ドラマ『ペリー・メイスン』シーズン1登場人物

チャーリー・ドッドソン:殺された赤ん坊

エミリー・ドッドソン:チャーリーの母親

マシュー・ドッドソン:チャーリーの父親

ハーマン・バガリー:教会を支援する資産家。マシューは隠し子。

ジョージ・ギャノン:エミリーの愛人。銃で撃たれて死んでいる。

シスター・アリス:教会のシスター。神と交信する。

マザー・バーディー:教会の人。アリスの母。

エルダー・ブラウン:教会の財務担当。

エニス&ホルコム刑事:事件を担当した刑事。エニスは現場に最初に到着している。

ドレイク巡査部長:黒人巡査。エミリーが無罪であることを示す証拠を発見した。

バーンズ検事:市長選出馬を控える検事。

フレッド判事:裁判を担当する判事。

E.B.ジョナサン:裁判を担当した弁護士。

デラ・ストリート:EBの秘書。ヘイゼルというパートナーと暮らしている。

ペリー・メイスン:EBの探偵。元妻との間に子供がいる。

 

以下、ネタバレを含みます。

 

 

 

事件の真相(ネタバレ)

 事件の真相は、たぶんこう。エミリーの愛人だったジョージは、マシューの父親が資産家であることを知り、エニスらとともに子供の誘拐計画を立てる。エニスが子供を預かっていたものの、ヤク中の娼婦から乳を与えたため、チャーリーは窒息死。理由はよくわからないが、まぶたを縫って電車に置いていった。エニスは恐らく証人を生かしてはおけないという理由で、ジョージら3人の仲間を殺害。という感じでしょうか。

 

 裁判は、審理不能で終わっていました。アメリカの陪審員制度では、裁判の最後に陪審員たちが話し合って、全員一致になったところで判決が出されます。一人でも頑なに別の意見を言っていたら、審理不能になります。

 

 一応、エニスは、最終話で水で溺れさせられて死んだので、裁きは下された形になります。結局、法の手による裁きが下されなかったので、それが良いのかどうかは悩ましいところなのですが。

 

感想

 ペリー・メイスンと言えば、E.S.ガードナーの原作小説や後のテレビドラマで有名です。現代でも弁護士ドラマは人気がありますが、その先駆け的な存在でもあるんじゃないかな。自分も、特にペリー・メイスン作品を読んだり観たりしたことはなかったのですが、名前だけは知っていました。

 

 このドラマに出てくるペリー・メイスンは、最初は弁護士ではありません。冴えない私立探偵をやっています。舞台は1930年代なので、ちょうどニューヨークには探偵エラリー・クイーンがいる時代です。クイーンは几帳面な天才型探偵なのですが、メイスンはその真逆。泥臭く証拠を集め、持ち前の執念深さで事件の真相を明らかにしていきます。

 

 3話ぐらいで、事件を担当していた弁護士のE.B.が自殺をしてしまいます。代わりにやってきたのは、検事とグルになっているような弁護士だったので、ろくにエミリーを弁護する気はありません。このことに怒り心頭したメイスンは、デラ・ストリートの前で熱弁を披露します。すると「自分が弁護士になれば良いじゃん」と言われたので、1ヶ月後には弁護士になることに。そんなに簡単に弁護士になれるものなのか!?

 

 同時進行で、巡査部長のドレイクの物語も描かれます。時代が時代なので、黒人差別は激しく、同僚や上司であっても彼を仲間とは思っていません。この時代を扱うならば、人種差別問題を扱うのはマストなのでしょう。とはいえ、その問題を十分に扱っているようではなかったので、あくまでも後にメイスンの探偵となるドレイクの人物説明的なサイドストーリーでした。

 

 それから、エミリーの裁判が始まります。検事が圧倒しているような雰囲気を出していましたが、もっぱら状況証拠と陪審員の感情に訴えることしかしていません。一方のメイスンも、決定的な証拠を出せていません。どっちもどっち。これでは、審理不能になっても仕方ありません。

 

 結局、事件の真相もうやむやのまま。それが現実らしいといえばそうかもしれません。このドラマにふさわしいかと言えば、その通り。今回のペリー・メイスンは成歩堂龍一のようではなく、いつも世の中に疲れたような人間臭い苦労人弁護士です。スパッと事件を解決することは出来ませんでしたが、多少もやっとする部分を残しながらも、一番大事な目標、すなわちエミリー・ドッドソンを冤罪から守るということは成し遂げています。新生ペリー・メイスンらしい結末の付け方です。

 

まとめ

 このドラマを製作したのは、アメリカのHBOという放送局で、他には『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ウエストワールド』などの大作ドラマも手掛けています。本作も映像面に関しては抜かりなく、1930年代のロサンゼルスの空気を巧みに伝えてくれます。

 

 ストーリーについては、登場人物が多く、また事件の真相が今一つはっきり示されないので、分かりにくい印象を受けます。分かりにくいことは構わないんですが、メイスンが弁護士になる段階だったり、教会がどのように運営されているのかなど、やや説明不足な部分も感じます。

 

 まとめとしては「ポテンシャルはある」という感じでしょうか。おそらく、今後も1シーズンで1つの事件が扱われていくと思われるので、シーズンによってはグッと面白くなってくる場合もありそうです。ちなみに、HBOはすでにシーズン2の製作を決定しています。

psbr.hatenablog.com

 

 余談なんですが、たぶん『ペリー・メイスン』を観ようと思った人ならば、どこかで「ロバート・ダウニーJr. 製作総指揮!」という宣伝文句を観たかもしれません。なぜか日本ではやたらこの点を強調するのですが、正直、製作総指揮だから何?という気持ちになりませんか。実際、製作総指揮の作品への関わり度合いは人によってかなり違うので、名前だけ挙げたって仕方ありません。

 

 例えば『TRUE DETECTIVE』では、シーズン1の主演だったマシュー・マコノヒーとウディ・ハレルソンがシーズン2以降も製作総指揮として名を連ねています。しかし、実際の製作には2人は全くタッチしていません。一方で『アントラージュ』のマーク・ウォールバーグは、製作にも少なからず携わっています。「○○が製作総指揮を務めた」という売り文句は、決してクオリティを保障するものではないということは言っておきたいです。

psbr.hatenablog.com

psbr.hatenablog.com