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Netflixドラマ『リンカーン弁護士』シーズン1感想|安定感のある法廷ドラマの秀作

 テレビドラマの定番ジャンルといえば、刑事、医療、法廷です。この3つは昔から人気がありますし、今でも定期的に面白いドラマが作られています。このたび「法廷ドラマ」から、新たな秀作が生まれました。Netflixのドラマ『リンカーン弁護士』は、法廷ドラマに慣れている人でも初めての人でも、気軽に楽しむことができる安定感のあるドラマです。今回は『リンカーン弁護士』シーズン1のレビューをしていきます。

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基本データ

  • 原題:The Lincoln Lawyer
  • 製作:Netflix
  • 公開日:2022年5月13日
  • 話数:10
  • 原作:マイクル・コナリー『真鍮の評決』
  • 脚本:デヴィッド・E・ケリー
  • 主演:マヌエル・ガルシア=ルルフォ
  • あらすじ:弁護士業から1年ほど退いていたミッキー・ハラーは、知り合いの弁護士が殺されたことで彼の依頼人をすべて引き継ぐことになる。その中には、ゲーム会社で成功したものの、妻とその愛人を殺した容疑を掛けられている男の事件があった。
  • 予告編:

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 Netflixドラマ『リンカーン弁護士』は、マイクル・コナリーの人気小説シリーズを原作にしています。2011年の映画『リンカーン弁護士』ではマシュー・マコノヒーが主人公の弁護士ミッキー・ハラーを演じました。

 

シリーズ1作目『リンカーン弁護士』(映画版の原作)

 

シリーズ2作目『真鍮の判決』(今回のドラマ版の原作)

 

 製作したデヴィッド・E・ケリーは、弁護士としての経歴を生かして『ボストン・リーガル』や『アリー my Love』などリーガルドラマを多く手掛けており「法廷ドラマの名手」と言われています。

 

 ちなみに、原作者のマイクル・コナリーは「刑事ハリー・ボッシュ」シリーズでも人気があり、こちらはAmazonプライムビデオでドラマ化されています。小説ではミッキー・ハラーとハリー・ボッシュの世界は共通していますが、ドラマは片方がNetflix、もう片方がAmazon製作なので、クロスオーバーなどは難しそうです。夢のある話ですけどね。

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あらすじ(ネタバレ)

 ミッキー・ハラーは、水難事故とその後の薬物中毒により、1年ほど弁護士業から退いていた。そんなとき、弁護士のジェリーが射殺され、彼が扱っていた事件をすべて引き継ぐことになる。その中で最も注目を集めていた事件が、ゲーム会社のCEOであるトレバー・エリオットに関する事件だった。エリオットは、妻のララとその愛人のヤン・リルツを殺した容疑を掛けられていた。

 

 エリオットは、裁判を先延ばしにすることを許さず、陪審員選定のときにも自分に最終決定権を委ねるようにするなど、色々と要求が多かった。当初、彼はその理由を会社を無事に売却するためだと言っていたが、後に彼に資金提供をしているロシアのマフィアによる要求だと明かした。

 

 裁判では、エリオットの手に発射残渣(銃を発砲したとき人間の体に残る物質)が大量に付いていたことが争点になった。ミッキーは、その原因がエリオットが乗せられていたパトカーにあることを発見。事件の直前に、パトカーには銃を連射した人物が乗っており、その残渣がエリオットにも転移していたのだった。

 

 裁判は弁護側に有利に進んでいたが、エリオットは最後に自分も証言台に立ちたいと要求した。エリオットは証言台で妻への愛と感謝を語っていたが、検察側はゲーム内の銃と事件に使われた銃が同じ型であることを追及した。最終弁論でミッキーは、エリオットが家に着いてから通報された警察が到着するまで7分しかなく、証拠を完全に消すことは不可能だと主張した。結果、陪審員はエリオットを無罪とする判決を出した。

 

 裁判後、ミッキーは真相に気づく。エリオットがドローンを使って証拠を海に捨てたのだと考えれば、7分間しかなくても犯行は可能だった。犯行の動機は、ゲーム開発をしていたのが実はエリオットではなく妻のララであり、もし離婚してしまったら莫大な財産の半分がララに渡ってしまうからだった。

 

 ミッキーの最初の妻で検事補のマギーは、ソトの人身売買事件を追っていた。ミッキーは、過去に弁護していたが有罪にしてしまったヘススの事件を再び調べていた。裁判で証言をするはずだった女性を探し出して話してみると、当時は刑事から脅されて逃げるしかなかったことがわかった。再審を行ってヘススは無罪放免となったが、脅迫を指示した刑事のラングフォードは、ソトの裁判で証言をする予定であったため、マギーの事件はご破算になってしまう。

 

 ミッキーは、陪審員をすり替えたり自分たちを盗聴したりした黒幕がホルダー判事であることを突き止めた。前任の弁護士のジェリーも判事を疑っていたため殺されたのだった。ヘスス事件では、腕に「名誉」のタトゥーが入った左利きの男が最重要容疑者になっていた。

 

 

感想(ネタバレ)

 正直、最初はやや肩透かしをくらいました。マイクル・コナリー原作ということで、Amazonのドラマ『BOSCH/ボッシュ』のようなハードボイルドを少し期待していました。しかし、第1話を観ればすぐにわかるように、『リンカーン弁護士』は明るいドラマです。さながら、アメリカの地上波テレビ局(ABC, NBC, CBS, Fox)が作ったような雰囲気です。

 

 地上波が作るドラマにも面白いものはいくらでもあるのですが、Netflixがそういった明るいドラマを作ろうとすると失敗しがちな印象があります。そんな先入観を持って観始めるのはいじわるな気もするのですが、心配は杞憂でした。見終わってみれば『リンカーン弁護士』はとても面白かった。

 

 何かがとびぬけて優れているわけではないかもしれませんが、気楽に観られてずっと面白い。そんな感じです。安定感があります。「法廷ドラマの名手」の異名を取るデヴィッド・E・ケリーとマイクル・コナリーの人気小説シリーズによる力でしょうか。

 

 まず、キャラクターが良い。主人公のミッキー・ハラーは、2人の元妻と娘がいる親しみやすい弁護士。法廷では、ハッタリなんかも使って、敏腕弁護士ぶりを見せてくれます。でも、過去には無実の者を有罪にしてしまったこともあり、今回も有罪の者を無罪にしてしまっているので、完璧なわけではありません。

 

 ミッキーは、悪人を弁護することがあっても、それは正義のためだと信じているので、こういったことがあるといつまでも心に留めています。そういうところがあると、応援したくなってきます。

 

 もう一つの魅力が、裁判の過程をたっぷり見せてくれていること。陪審員の選定からすでに駆け引きが始まっているのが面白い。ドラフト会議みたいで。陪審員になってほしくない人を外していってるんですけど。

 

 どんでん返しみたいなものもいくつかあり、そのたびに驚かされました。裁判の後に明らかになる真犯人や黒幕は、全く予想が付きませんでした。実は、ツッコミどころはいくつかありますが。例えば、エリオットがドローンを使ったとしても、7分で体の血を洗って着替えることができるのかということ。発射残渣がパトカーに大量に付着していたのは偶然であり、そうでなければエリオットはすぐに有罪になっていたかもしれないといういこと。なぜ、判事がエリオットのために陪審員を操作したのかということ。些細なことですが、少し気になります。

 

 それでも、全体を通して予想以上に『リンカーン弁護士』は面白かったです。明るくてテンポが良く、適度に驚きとスリルもあり、すいすいと観てしまいました。シーズン2があればぜひとも観てみたいです。

 

シーズン2はどうなる?

 ドラマ『リンカーン弁護士』は、シーズン2が製作されることが決定しました。初登場週のNetflixの世界視聴数ランキングでは1位になっており、評価もおおむね好意的だったことを考えれば、当然の判断と言えるでしょう。

 

 シーズン2の原作は、シリーズ4作目の『証言破棄』になります。主演のマヌエル・ガルシア=ルルフォを始め、主要キャストは全員シーズン2にも出演する予定です。ドラマの展開としては、シーズン2では「名誉」の男の事件が扱われることになりそうです。もう今から楽しみだ!

 

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