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映画『さよなら、私のロンリー』(原題:Kajillionaire)ネタバレあり感想

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 2020年の秋ごろにアメリカで公開されて、さほど話題になったわけではないですが少し気になっていた映画Kajillionaireが、いつの間にか日本でも配信されていました。日本では、劇場未公開ということになってしまいましたが、観られることに変わりはないので良しとしましょう。

 

 

 

映画『さよなら、私のロンリー』基本データ

・原題:Kajillionaire

・公開日:2020年9月25日(アメリカ)、日本劇場未公開

・監督:ミランダ・ジュライ

・主演:エヴァン・レイチェル・ウッド

・あらすじ:

 万引きや詐欺で生活をやりくりする貧しい一家をブラックユーモアとともに描く。

・予告編:

www.youtube.com

 

 邦題を聞いただけでは何の映画かさっぱりわからないのですが、元々のタイトルはKajillionaireです。言葉自体は、大金持ちといったような意味があります。でも、この映画は大金持ちではなく貧困家庭の話です。

 

 内容は『パラサイト 半地下の家族』や『万引き家族』と同じ系統にあります。夫婦と娘の3人家族は、ちょっとした盗みや詐欺、あるいは懸賞のわずかな景品で日々を暮らしています。住んでいる部屋は一応あるものの、毎日決まった時間になると壁から泡があふれ出してくるという、とんでもない住居です。

 

 随所にブラックユーモアがあるので、思わず笑ってしまうところもあるんですよね。最初の郵便局の盗みに入るときのオールド・ドリオの奇妙な動きだったり、工場の塀の前を通るときは姿が見られないようにイナバウアーをしながら歩いていたりするところとか。

 

 主演のエヴァン・レイチェル・ウッドの演技はドラマ『ウエストワールド』でしか観たことがなかったので、今回のコメディ寄りの動きは面白かったです。もちろんそれだけではありませんが。コミカルさと同時に、親から愛されないドリオを巧みに演じていました。

 

 ダリオの両親を演じるのは、リチャード・ジェンキンスデブラ・ウィンガー。この両親というのは、娘の名前を宝くじに当たったホームレスにあやかって付けるなど、最初から娘を愛する気はなかったのか。あるいは、子供扱いをせず自分たちと全く同じように娘に接することが愛情だと思っているのか。

 

 いずれにしろ、ドリオにとっては非常に有害な親であり、現代風に言えば親ガチャでハズレを引いてしまったことになります。でも、ドリオはその事実に自分ではなかなか気づけなかったりするので、結果的に両親に依存して生きていることになります。

 

 この状態からドリオを抜け出させることになるのがメラニー。最初は一家の詐欺計画に乗り気だったものの、あまりにもなりふり構わない卑俗な犯行を見て、気持ちは引いていきます。犯罪行為というのは、そういうものです。

 

 ドリオを両親から引き離したメラニーは、ドリオが親からしてもらえなかったことをしてあげます。最終的にキスに至る流れはよくわかりませんでしたが、メラニーはドリオにとって本当に親密な関係を築くことができた初めての人物ということですね。

 

 なお、メラニーを演じたジーナ・ロドリゲスは、ドラマ『ジェーン・ザ・ヴァージン』で5シーズンに渡って主演を務めていました。このドラマは、現在Netflixで配信中です。

 

 映画『さよなら、私のロンリー』Kajillionaireは、映像もおしゃれで、ユーモアも効いた面白い作品でした。ミニシアターで上映すれば、それなりに観客も入るんじゃないかとも思ったりしたのですが、今さら言っても仕方ないですね。もし、まだ観ていなくて『パラサイト』のような映画がお好きでならば、一見の価値のある作品だと思います。

 

 

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