Bedelia Du Maurier: There is only one way you can forgive Will Graham.
Hannibal Lecter: I have to eat him.
- Hannibal season 3
ウィル・グレアムとハンニバル・レクターの数奇な物語は、早くもファイナルシーズンに突入。イタリアに逃げたハンニバル、そして彼を追うウィル。2人の奇妙な関係が気になってきます。
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海外ドラマ『ハンニバル』シーズン３基本データ
・原題：Hannibal
・放送局：NBC
・放送期間：2015年
・話数：13
・クリエイター：ブライアン・フラー
・キャスト：マッツ・ミケルセン、ヒュー・ダンシ―、ローレンス・フィッシュバーン
・予告編：
ウィル＆ハンニバル
『ハンニバル』シーズン3は、前半がイタリアに逃げたハンニバルと彼を追いかけるウィルや養豚男の話、後半がレッド・ドラゴンの事件の話になります。
シーズン2の最後で、ハンニバルはジャック、アラーナ博士、ウィルに重傷を負わせ、アビゲイルを殺し、ベデリア博士とともにイタリアに逃亡しました。イタリアでは“フェル博士”と名前を変え、博物館で働いています。
ハンニバルに懸賞金を懸けたのがバージャー家の養豚男でした。アラーナ博士は、この男に協力しています。徹底的にハンニバルに対抗していく姿勢を取ったわけですね。たとえ恋人だったとしても、その男が殺人をしているのを目撃して、あげくに窓から突き落とされれば、そりゃ誰だってそうなるでしょう。
ジャックも、法律を進んで破っていくぐらいの執念でハンニバルを追いかけます。ウィルもハンニバルを追うのですが、彼はその目的がちょっと違うようです。2人とも名言しているのでどうしようもないのですが、ウィルは愛のためにハンニバルを追いかけています。
『ハンニバル』がBL的展開になることは、事前に知ってはいたんです。でも、それは捉え方の問題だろうと。あくまでも猟奇殺人事件の話であり、上手いように捉えればBLに見えるぐらいに思っていたんです。
でも、これはどう見たって、恋愛関係にあります。ウィルとハンニバルが、2人とも認めちゃってますから。最終話は、もの心中ものです。『ロミオとジュリエット』とか『曽根崎心中』とか、先例を挙げればキリがない。愛している2人が、現世では一緒になれないために心中するという話です。
個人的に勝手に想像していたエンディングは、ハンニバルがウィルを食べて終わるというものです。ハンニバルが食べ終わった後に「これで、君と私は常に一緒にいられる」と言って、再び自首しておしまい。感動的じゃありませんか？
徹底された美
『ハンニバル』の最たる特徴は、その芸術性にあります。殺人現場を芸術作品のように描き、見た目にも美しい料理が多数登場します。シーズン3の前半では街全体が芸術のようなフィレンツェが舞台になり、後半ではウィリアム・ブレイクの絵画「グレート・レッド・ドラゴン」がモチーフになっています。
ドラマの中の殺人芸術は、そのおぞましさに目を背けたくなる一方で、その芸術性に目が離せなくなるところもあります。結局は、頭のどこかで現実の出来事ではないということをちゃんと理解しているので、それらの”芸術”を直視することもできます。もし、現実だったら……、なんてことは考えたくありませんし、考える必要もないでしょう。
ドラマとしては、この芸術感覚は素晴らしいなと思います。殺人現場や料理が芸術的なだけでなく、映像も美しいですよね。ときどきウィルの妄想が入り込み、鹿が象徴的に登場したり、人が液体に沈み込んでいったりするのが、独創的で見ていて面白い。
美に関しては、キャストの美についても忘れてはいけません。「北欧の至宝」と表現されるセクシーさを持つマッツ・ミケルセンを筆頭に、美形の方々が揃っています。ウィルを演じたヒュー・ダンシーもカッコいいですよね。
あと、アラーナ博士！とても美しいではありませんか。演じるカロリン・ダヴァーナスのことや他の出演作についてはほとんど知りませんでしたが、気になってきました。
『ハンニバル』は、隅から隅まで美で埋め尽くされたドラマ、まさに眼福な作品です。
シーズン４は？
以上、海外ドラマ『ハンニバル』は完結です。そこそこ人気はあったにも関わらず、視聴率がなぜか上がらず、シーズン3で打ち切られてしまいました。それ以降、シーズン4の噂だけが常にあるのですが、基本的には続編が作られる可能性はないと思った方が良いと思います。
ドラマの出演者や制作陣が「続編はありますか？」と訊かれたら、リップサービスで「続編があるなら、ぜひやりたいね」と答えるものです。NBCが何も言っていない以上、『ハンニバル』に関しても続編の可能性は薄いでしょう。
2021年に入ってからCBSで『Clarice』というドラマの放送が始まりました。こちらは『羊たちの沈黙』のクラリス・スターリングを主人公にした後日譚です。『ハンニバル』とは内容面でも製作面でも関わりはありません。日本上陸については未定です。
