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海外ドラマ『FARGO/ファーゴ』名言集シーズン1~3

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 このブログで海外ドラマの感想記事を書くときには、『クリミナル・マインド』とか『The Wire/ザ・ワイヤー』風に冒頭に名言を引用しています。たまに全く名言がないドラマもあるのですが、『FARGO/ファーゴ』に関しては名言の宝庫です。ファーゴらしさのあるジョークだったり、人間の闇を指摘する言葉だったりが、たくさん出てくるのです。今回は、そんな海外ドラマ『FARGO/ファーゴ』シーズン1~3の名言を厳選して紹介!

 

 なお、各シーズンについてネタバレがありますので、未見の方はご注意ください。

 

↓各シーズンの紹介&感想はこちら

海外ドラマ『FARGO/ファーゴ』シーズン1~シニカルな笑いが効いた秀作~ - 海外ドラマパンチ

海外ドラマ『FARGO/ファーゴ』シーズン2~悲劇は加速する~ - 海外ドラマパンチ

海外ドラマ『FARGO/ファーゴ』シーズン3~「真実」の物語とは~ - 海外ドラマパンチ

 

 

 

 

『FARGO/ファーゴ』シーズン1 

Mister, we're not friends. I meran, maybe we will be someday. But I gotta say, if that were me in your position? I would have killed that man.

- Lorne Malvo season 1 episode 1

 病院でレスターとマルヴォが出会い、レスターがサム・ヘスに殴られた話を聞いたマルヴォの回答です。紳士然としたマルヴォの口からいきなりこんな発言が飛び出し、レスターは驚きます。これが、シーズン1の悲劇の始まりとなりました。

 

Your problem is you spent whole life thinking there are rules. There aren't.

- Lorne Malo season 1 episode 1

 マルヴォは、しれっととんでもないことを言いますね。でも、実際に法律は自然に出来上がったものではないので、元からルールがあったわけではないと言えるのかもしれません。裏から社会を見るならば、それもまた正しいのかも?

 

 
 
 
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↑第1話で車に乗っていたローン・マルヴォが、ガス・グリムリー巡査に止められたときに言った言葉。言葉だけで、人を震え上がらせるマルヴォは悪の天才。 

 

Molly Solverson: Hey, have you ever heard of a spider layin' eggs in a person's neck?

Greta Grimly: What's that now?

Molly: Friend of mine said it happend to a friend of hers.

Greta: Gross.

Molly: Yeah. Said they were He was sleepin', and all these baby spiders just ran right away. Not sure I want to live in a world where something like that can happen to a person.

- Molly Solverson season 1 episode 3

 モリーよ、なぜそんな話をグレタちゃんにするのだ。『FARGO/ファーゴ』の世界では、マトモに見える人でもたまに変な言動をするので、どきどきしてしまう。今回は、友達の首に蜘蛛が卵をうえつけて、そこから子供の蜘蛛がでてきたという話をしています。そんなこともあるんだなぁと思ったりします。

 

Lorne Malvo: Did you know the human eye can see more shades of green than any other color?

Gus Grimly: What?

- Lorne Malvo season 1 episode 4

 マルヴォの名言が多すぎて、シーズン1の名言集は、ほぼマルヴォ語録になってしまっていますね。これは、マルヴォが釈放されるときにガスに意味深に放った言葉です。この後に、マルヴォは「これが”なぜ”なのかを訊いているんだ」と言います。最終話でガスはマルヴォに対して「この答えがわかった」と言うのですが、答えを言う前にマルヴォを撃ってしまい、答えはわからずじまいです。

 

 個人的にはマルヴォの発言を受けてのガスの「What?」も含めて名言なんです。映画もそうだったけど、『FARGO/ファーゴ』は妙な間投詞が多くて、会話のテンポが悪いです。でも、それがまた独特な雰囲気があって好きなんですよね。

 

Well, I'm saying that the Romans raised by wolves, they see a guy turning water into wine, what do they do? They eat him. 'Cause there are no saints in the animal kingdom. Only breakfast and dinner.

- Lorne Malvo season 1 episode 5

 ローマは、狼によって育てられたロムルスとレムスによって建国されたという伝説があります。動物の世界には聖人などという考え方はないのだから、ローマの人々はキリストを食ってしまったとマルヴォは言っています。この世に元からルールがあるわけではないという発言とも共通する主張です。

 

 第5話には、富豪の人が世の中のためにすべてを寄付する話もありました。自分は、この話が好きなんですよ。残酷かもしれないけど、実際にそれだけで社会がよくなるわけではないよなぁとも思います。なんか不条理だけど、そういうものなのかもしれません。

 

『FARGO/ファーゴ』シーズン2

Lou Solverson: It's a diner robbery in Minnesota, Karl. Not a presidential assassination.

Karl Weathers: Oh, sure. That's how it starts―with something small, like a break-in at the Watergate Hotel. But just watch. This thing's only getting bigger.

- season 2 episode 1

 ウォーターゲート事件が最初はただの不法侵入事件だったのに最終的に大統領を辞任に追い詰めたように、『FARGO/ファーゴ』も最初は小さな事件であるにも関わらず、雪だるま式に大きくなってしまいます。誰も事態が大きくなることは望んでいないのに、なぜかそうなってしまうのは不思議なものです。

 

Peggy Blumquist: We got a plan, you know?

Constance Heck: The word "we" is a castle, hon, with a moat and a drawbridge. And you know what gets locked up in castles?

Peggy Blumquist: Dragons?

Constance Heck: Princesses. Don't be a prisoner of "we".

- season 2 episode 2

*hon: honeyの省略 moat: 堀 drawbridge: 跳ね橋

 ペギーと理髪店の彼女の友人との会話です。ペギーはウーマンリブの思想を持っていて、これもそんな会話の一つです。ペギーにしても、ギャングの新たなドンになったフロイドにしても、シーズン2には真の強い女性が多く登場します。

 

Hanzee: It's this quiet. I can't get used to, this frozen winter.

Sonny: Yeah, well... Can't argue with ya.

- season 2 episode 4

 これは、ハンジ―と自動車修理屋の少年が何気なく話しているだけの場面です。『FARGO/ファーゴ』は、ミネソタ州の雪景色の中で展開するのがお決まりです。静かな田舎で、このような悲劇が起こっていることが、哀愁でもあり、おかしみのあるところでもあるのです。

 

Noreen Vanderslice: Camus says knowing we're all gonna die makes life a joke.

Ed Blumquist: So what, you just - you just give up?

- season 2 episode 5

 精肉店で働くノリーンとエドの会話です。ノリーンはカミュ(Camus)にはまっていて、厭世的な死生観を持っています。でも、エドはそんな生き方(死に方?)は嫌なので、やっぱり満足するまで生きたいわけです。ただ、それができるかどうかはエド自身が決められることではないわけで、それはそれで不条理なものです。

 

 『FARGO/ファーゴ』のテーマの一つが「不条理」だと思うのですが、カミュも不条理の哲学を展開した人として有名です。シーズン2第3話のタイトル「シーシュポスの神話」なんかは、カミュのエッセイのタイトルです。『FARGO/ファーゴ』が、カミュの考え方から様々な面で影響を受けているのは間違いないでしょう。

 

Ed Blumquist: Maybe you heard of me - the Butcher of Luverne.

Mike Milligan: I have heard of you. And may I say, brother, I like your style.

- season 2 episode 8

 シーズン2では、エドが「ルヴァーンの精肉屋(the Butcher of Luverne)」として、なぜか最強の殺し屋みたいな扱いをされたりするんですよね。自分はその展開がたまらなく好き。マイク・ミリガンが「俺もお前のそのやり方好きだよ」と言っているのが、またツボ。

 

 
 
 
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Mike Milligan: Sovereignty is absolute power and authority.

Ricky G: Like a king?

Mike Milligan: Exactly. Which is who I am - your king.

Ricky G: Uh, it's America, brother. We don't do kings.

- season 2 episode 10

*sovereignty: 主権

 リッキー、今そんな細かいことはどうでも良いんだよ(笑) マイク・ミリガンが自分はキングだと言っているのだから、聞いて差し上げなさい。そして、この後のマイク・ミリガンの顛末を見て一緒に笑いましょう。

 

 

 

『FARGO/ファーゴ』シーズン3

Nikki Swango: Ray, there's a man in my bathroom.

Ray Stussy: Let's not jump to any conclusions.

Nikki Swango: Are you saying he's not a man or he's not in my bathroom?

- season 3 episode 1

 レイとニッキーが入っているバスルームに、いきなりモリース・ルフェイが入ってきた場面です。やたらと間の抜けた発言ですよね。もう少し焦れ(笑)

 

Do you know what a chicken is? A chicken is an egg's way of making another egg. You see, it's all a matter of perspective. The chicken sees it one way, the egg another. So let's start again: this is not your office, just as your wife would not be your wife if I came to her in the night with a platter of cold cuts.

- V.M.Varga season 3 episode 5

 怖っ。最初は「チキンが何か知っているか?」という変な質問だったのに、最後はなぜか脅迫になっています。「物は見方次第だ」というのはシーズン3のテーマで、真実がどうであるかは、どうであると”決めたか”であるといったようなメッセージが込められています。

 

The world is wrong... It looks like my world, but it's different.

- Sy Feltz season 3 episode 7

 V.M.ヴァーガに良いように利用されたサイ・フェルツの悲痛な叫びです。自分がいる世界のことはわかっているつもりだったのに、そうではないことがわかったときのショックとも言えるでしょう。

 

 
 
 
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The problem is not that there is evil in the world. The problem is that there is good. Because otherwise, who would care?

- V.M.Varga season 3 episode 9

 V.M.ヴァーガも、シーズン1のマルヴォみたいにひねくれた世界観を持っていますね。確かに、世の中に善がなくて悪だけがあるならば、誰もそれを気には掛けないでしょうけど……。

 

We see what we believe, not the other way around.

- V.M.Varga season 3 episode 10

 私たちは自分たちが信じているものを見るわけで、見るから信じるわけではないという台詞です。たとえ、どんな証拠を出されようと自分が信じていることに反するのであれば、それを受け入れることは難しいのかもしれません。

  

『FARGO/ファーゴ』名言まとめ

 以上、海外ドラマ『FARGO/ファーゴ』に登場する名言をまとめてきました。『FARGO/ファーゴ』は名言に限らず、数々の寓話も面白いんですよね。本筋と関係ないようで、ちょっとだけ関係あるおかしな話を、1話に1回ぐらいはしてくれます。シリーズ全ての脚本を担当しているノア・ホーリーには、本当に感嘆するばかりです。

 

 なお、アメリカでは今月から『FARGO/ファーゴ』シーズン4が放送予定です。こちらもノア・ホーリーが脚本を書き、ジェイソン・シュワルツマンやベン・ウィショーらが出演します。こちらも楽しみです。 

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