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エミー賞2022ノミネート一覧&徹底予想

 テレビ界のアカデミー賞と言われるエミー賞のノミネートが発表されました。2022年のエミー賞の対象になっているのは、ドラマ部門171作品(前年は133)、コメディ部門118作品(前年は68)、リミテッドシリーズ部門61作品(前年は37)。この中からノミネートされたのは、それぞれ数作品のみ。この記事では、各部門のノミネート作品を一覧で紹介するとともに、自分でも受賞作品を予想してみました。

関連記事:エミー賞2022受賞結果一覧&作品紹介 - 海外ドラマパンチ

 

 

 

2022年エミー賞の概要

 エミー賞は、毎年アメリカのテレビジョン・アカデミーが開催している授賞式です。エミー賞には、デイタイム・エミー賞などいくつかの種類がありますが、通常エミー賞と言ったらプライムタイム・エミー賞のことを言います。プライムタイム・エミー賞では、1年間で最も優れたテレビドラマを決める賞でもあり、ドラマを対象にした賞の中では最も権威があるとされています。

 

 エミー賞のカテゴリーは非常に細かく分かれており、しばしば賞が多すぎて把握しきれないと冗談でも本音でも言われます。もっぱら注目されるのは、ドラマ部門、コメディ部門、リミテッドシリーズ/アンソロジーシリーズ部門の3つ。リミテッドシリーズとは、1シーズンで完結するドラマのことです。作品賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、監督賞、脚本賞が主要7部門と言われています。

 

 この7部門以外は、厳密にはプライムタイム・クリエイティブアーツ・エミー賞という括りになっており、メインの授賞式の1週間前に受賞者が発表されます。基本的には、こちらもプライムタイム・エミー賞として扱われます。

 

 2022年のエミー賞は、現地時間9月12日に授賞式が行われる予定です。対象作品は、2021年6月1日~2022年5月31日までにアメリカで放送・配信された、アメリカの会社が製作した番組です。ドラマ部門およびコメディ部門の場合はこの期間内に6話以上、リミテッドシリーズ部門の場合は全話が放送・配信されている必要があります。

 

 なお、日本ではU-NEXTで9月13日8:00から授賞式および直前のレッドカーペットの模様が独占生中継される予定です。

 

 以下、エミー賞2022の主なカテゴリーでノミネートされた作品・俳優を一覧で書いていきます。作品タイトルの後ろには、現在、日本でその作品が配信されている動画配信サービスを書いてあります。配信状況は変わっている可能性があることをご了承ください。また、私が受賞本命だと予想している候補には◎、対抗馬になるだろうと予想している候補には○を付けています。

※追記:受賞が決まったタイトルは太字で書いています。

関連記事:エミー賞2022受賞結果一覧&作品紹介 - 海外ドラマパンチ

 

作品賞

ドラマ部門

『メディア王~華麗なる一族~』U-NEXT◎

『ユーフォリア/EUPHORIA』U-NEXT

『イエロージャケッツ』U-NEXT

『ベター・コール・ソウル』Netflix

『オザークへようこそ』Netflix

『ストレンジャー・シングス』Netflix

『イカゲーム』Netflix○

『セヴェランス』Apple TV+

 

コメディ部門

『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』Apple TV+◎

『アボット・エレメンタリー』Disney+○

『マーダーズ・イン・ビルディング』Disney+

『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』Disney+

『マーベラス・ミセス・メイゼル』Amazon

『バリー』U-NEXT

『ラリーのミッドライフ☆クライシス』U-NEXT(S11のみ)

『Hacks』未上陸

 

リミテッドシリーズ部門

『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』Disney+◎

『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』Disney+

『パム&トミー』Disney+

『令嬢アンナの真実』Netflix

『ホワイト・ロータス 諸事情だらけのリゾートホテル』U-NEXT○

 

テレビ映画部門

『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』Disney+

『Ray Donovan: The Movie』未上陸

*ドラマ『レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー』の映画版

『Zoey's Extraordinary Christmas』未上陸

*ドラマ『ゾーイの超イケてるプレイリスト』の映画版

『Reno 911!: The Hunt For QAnon』未上陸

『The Survivor』未上陸

 

アニメ部門

『アーケイン』Netflix◎

『リック・アンド・モーティ』Netflix○

『ザ・シンプソンズ』Disney+

『ホワット・イフ…?』Disney+

『ボブズ・バーガーズ』Disney+

 

短編アニメ部門

『ラブ、デス&ロボット』Netflix◎

『ザ・ボーイズ:ダイアボリカル』Amazon

『スター・ウォーズ:ビジョンズ』Disney+

『ビリーとリサのはじめての出会い』Disney+

『Robot Chicken』未上陸

 

ドキュメンタリー部門(シリーズ)

『100フィートの波/100 FOOT WAVE』U-NEXT

『アンディ・ウォーホル・ダイアリーズ』Netflix

『jeen-yuhs カニエ・ウエスト3部作』Netflix

『ザ・ビートルズ:Get Back』Disney+◎

『We Need To Talk About Cosby』未上陸

 

ドキュメンタリー部門(単発)

『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』Netflix

『国境なき厨房 トップシェフの救済活動』Disney+

『ルーシーとデジ~知られざる真実~』Amazon

『ジョージ・カーリン/伝説の社会派コメディアン』U-NEXT

『Controlling Britney Spears』未上陸

 

予想

 ドラマ部門は『メディア王~華麗なる一族~』シーズン3、コメディ部門は『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』シーズン2でほぼ決まりだと思います。両作品とも前シーズンで作品賞を受賞しており、今シーズンも絶好調です。コメディ部門で『アボット・エレメンタリー』がダークホースになる可能性はあります。リミテッドシリーズは粒ぞろいの良作が揃っていますが『ホワイト・ロータス』か『DOPESICK』の2択でしょう。

 

 

演技賞

ドラマ部門

主演男優賞

ジェレミー・ストロング『メディア王~華麗なる一族~』◎

ブライアン・コックス『メディア王~華麗なる一族~』

ボブ・オデンカーク『ベター・コール・ソウル』

ジェイソン・ベイトマン『オザークへようこそ』

アダム・スコット『セヴェランス』

イ・ジョンジェ『イカゲーム』○

主演女優賞

ゼンデイヤ『ユーフォリア/EUPHORIA』○

ローラ・リニー『オザークへようこそ』

メラニー・リンスキー『イエロージャケッツ』◎

ジョディ・カマー『キリング・イヴ』

サンドラ・オー『キリング・イヴ』

リース・ウィザースプーン『ザ・モーニングショー』

助演男優賞

キーラン・カルキン『メディア王~華麗なる一族~』◎

マシュー・マクファディン『メディア王~華麗なる一族~』○

ニコラス・ブラウン『メディア王~華麗なる一族~』

ジョン・タトゥーロ『セヴェランス』

クリストファー・ウォーケン『セヴェランス』

パク・ヘス『イカゲーム』

オ・ヨンス『イカゲーム』

ビリー・クラダップ『ザ・モーニングショー』

助演女優賞

ジュリア・ガーナー『オザークへようこそ』

パトリシア・アークエット『セヴェランス』

チョン・ホヨン『イカゲーム』

サラ・スヌーク『メディア王~華麗なる一族~』○

J・スミス・キャメロン『メディア王~華麗なる一族~』

クリスティーナ・リッチ『イエロージャケッツ』

レイ・シーホーン『ベター・コール・ソウル』

シドニー・スウィーニー『ユーフォリア/EUPHORIA』

ゲスト男優賞

エイドリアン・ブロディ『メディア王~華麗なる一族~』○

ジェームズ・クロムウェル『メディア王~華麗なる一族~』

アリアン・モーイエド『メディア王~華麗なる一族~』

アレクサンダー・スカルスガルド『メディア王~華麗なる一族~』◎

トム・ペルフリー『オザークへようこそ』

コールマン・ドミンゴ『ユーフォリア/EUPHORIA』

ゲスト女優賞

ホープ・デイヴィス『メディア王~華麗なる一族~』

サナ・レイサン『メディア王~華麗なる一族~』

ハリエット・ウォルター『メディア王~華麗なる一族~』

マーシャ・ゲイ・ハーデン『ザ・モーニングショー』

マーサ・ケリー『ユーフォリア/EUPHORIA』

イ・ユミ『イカゲーム』

 

コメディ部門

主演男優賞

ジェイソン・サダイキス『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』

ビル・ヘイダー『バリー』◎

ドナルド・グローバー『アトランタ』

スティーヴ・マーティン『マーダーズ・イン・ビルディング』

マーティン・ショート『マーダーズ・イン・ビルディング』

ニコラス・ホルト『THE GREAT~エカチェリーナの時々真実の物語~』

主演女優賞

ジーン・スマート『Hacks』

クインタ・ブランソン『アボット・エレメンタリー』○

レイチェル・ブロズナハン『マーベラス・ミセス・メイゼル』

エル・ファニング『THE GREAT~エカチェリーナの時々真実の物語~』

イッサ・レイ『インセキュア』

ケイリー・クオコ『フライト・アテンダント』

助演男優賞

ブレット・ゴールドステイン『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』

ニック・モハメッド『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』

トヒーブ・ジモー『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』

アンソニー・キャリガン『バリー』

ヘンリー・ウィンクラー『バリー』○

ボウエン・ヤン『サタデー・ナイト・ライブ』

トニー・シャルーブ『マーベラス・ミセス・メイゼル』

タイラー・ジェームズ・ウィリアムズ『アボット・エレメンタリー』

助演女優賞

ハンナ・ワディンガム『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』◎

ジュノー・テンプル『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』

サラ・ナイルズ『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』

ジャネル・ジェームズ『アボット・エレメンタリー』○

シェリル・リー・ラルフ『アボット・エレメンタリー』

ハンナ・エインビンデル『Hacks』

アレックス・ボーステイン『マーベラス・ミセス・メイゼル』

ケイト・マッキノン『サタデー・ナイト・ライブ』

ゲスト男優賞

ジェロッド・カーマイケル『サタデー・ナイト・ライブ』

ビル・ヘイダー『ラリーのミッドライフ★クライシス』

ジェームズ・ランス『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』

サム・リチャードソン『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』

ネイサン・レイン『マーダーズ・イン・ビルディング』

クリストファー・マクドナルド『Hacks』

ゲスト女優賞

ジェーン・アダムス『Hacks』

ハリエット・サンソン・ハリス『Hacks』

ローリー・メトカーフ『Hacks』

ケイトリン・オルソン『Hacks』

ハリエット・ウォルター『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』

ジェーン・リンチ『マーダーズ・イン・ビルディング』◎

 

リミテッドシリーズ部門

主演男優賞

マイケル・キートン『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』

アンドリュー・ガーフィールド『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』○

セバスチャン・スタン『パム&トミー』

コリン・ファース『The Staircase』

オスカー・アイザック『ある結婚の風景』

ヒメーシュ・パテル『ステーション・イレブン』

主演女優賞

マーガレット・クアリー『メイドの手帖』

アマンダ・サイフリッド『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』

リリー・ジェームズ『パム&トミー』

トニ・コレット『The Staircase』

ジュリア・ガーナー『令嬢アンナの真実』

サラ・ポールソン『アメリカン・クライム・ストーリー』○

助演男優賞

マレー・バートレット『ホワイト・ロータス 諸事情だらけのリゾートホテル』

スティ-ヴ・ザーン『ホワイト・ロータス 諸事情だらけのリゾートホテル』

ジェイク・レイシー『ホワイト・ロータス 諸事情だらけのリゾートホテル』

マイケル・スタールバーグ『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』

ウィル・ポールター『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』

ピーター・サースガード『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』

セス・ローゲン『パム&トミー』○

助演女優賞

ジェニファー・クーリッジ『ホワイト・ロータス 諸事情だらけのリゾートホテル』

コニー・ブリットン『ホワイト・ロータス 諸事情だらけのリゾートホテル』

アレクサンドラ・ダダリオ『ホワイト・ロータス 諸事情だらけのリゾートホテル』

シドニー・スウィーニー『ホワイト・ロータス 諸事情だらけのリゾートホテル』

ナターシャ・ロスウェル『ホワイト・ロータス 諸事情だらけのリゾートホテル』

ケイトリン・デヴァー『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』○

メア・ウィニンガム『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』

 

予想

 ドラマ部門は、作品賞と同じく俳優陣も『メディア王~華麗なる一族~』が優勢です。『オザークへようこそ』も可能性は高く、特に過去2回助演女優賞を受賞しているジュリア・ガーナーは今回も有力です。

 

 『ベター・コール・ソウル』の俳優陣も素晴らしいのですが、このドラマはこれまでエミー賞に通算39個ノミネートされているにも関わらず、1個も受賞したことがないというジンクスがあります。今回も厳しいかもしれません。主演女優賞は、昨年覇者のゼンデイヤ(『ユーフォリア』)か、新作ドラマ『イエロージャケッツ』のメラニー・リンスキーのどちらかになりそうです。

 

 コメディ部門は混戦状態です。作品賞を獲るであろう『テッド・ラッソ』組が優勢ですが、『Hacks』『バリー』『アボット・エレメンタリー』組も可能性が十分にあります。特に、主演男優賞のジェイソン・サダイキス、ビル・ヘイダー、ドナルド・グローバーは3人とも同部門の受賞歴があり、激戦です。

 

 リミテッドシリーズ部門では、『DOPESICK』と『ホワイト・ロータス』のキャストがほとんど受賞するのではないかと思います。『ドロップアウト』に主演したアマンダ・サイフリッドも受賞の可能性は高いでしょう。

 

 

監督賞

ドラマ部門

ジェイソン・ベイトマン『オザークへようこそ』

ベン・スティラー『セヴェランス』

ファン・ドンヒョク『イカゲーム』

マーク・マイロッド『メディア王~華麗なる一族~』

キャシー・ヤン『メディア王~華麗なる一族~』

ローリーン・スカファリア『メディア王~華麗なる一族~』

カリン・クサマ『イエロージャケッツ』

コメディ部門

ヒロ・ムライ『アトランタ』

ビル・ヘイダー『バリー』

ルシア・アニエロ『Hacks』

シェリーン・デイビス『マーダーズ・イン・ビルディング』

ジェイミー・バビット『マーダーズ・イン・ビルディング』

MJ・デラニー『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』

メアリー・ルー・ベッリ『The Ms. Pat Show』

リミテッドシリーズ部門

ダニー・ストロング『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』

ジョン・ウェルズ『メイドの手帖』

ヒロ・ムライ『ステーション・イレブン』

マイケル・ショウォルター『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』

フランチェスカ・グレゴリーニ『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』

マイク・ホワイト『ホワイト・ロータス 諸事情だらけのリゾートホテル』

 

脚本賞

ドラマ部門

『ベター・コール・ソウル』S6EP7

『オザークへようこそ』S4EP14

『セヴェランス』S1EP7

『イカゲーム』S1EP9

『メディア王~華麗なる一族~』S3EP9

『イエロージャケッツ』S1EP1

『イエロージャケッツ』S1EP2

コメディ部門

『アボット・エレメンタリー』S1EP1

『バリー』S3EP6

『バリー』S3EP8

『Hacks』S2EP8

『マーダーズ・イン・ビルディング』S1EP1

『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S2EP10

『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』S3EP4

『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』S3EP8

リミテッドシリーズ部門

『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』EP8

『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』EP1

『アメリカン・クライム・ストーリー』S3EP6

『メイドの手帖』EP10

『ステーション・イレブン』EP10

『ホワイト・ロータス 諸事情だらけのリゾートホテル』

 

スタント賞

『バリー』

『ホークアイ』

『ムーンナイト』

『イカゲーム』

『ストレンジャー・シングス』

『ブラックリスト』

 

注目ポイント

 まず、ドラマ部門では最多25ノミネートの『メディア王~華麗なる一族~』シーズン3がいくつの賞を獲得するかに注目です。作品賞はほぼ確実、ジェレミー・ストロングの主演男優賞、マーク・マイロッドの監督賞、ジェシー・アームストロングの脚本賞も有力です。サラ・スヌークは、ジュリア・ガーナーに敗れて一昨年の助演女優賞を逃していますが、今年はどうなるのでしょう。助演男優賞は、このドラマだけで3人もノミネートされています。マシュー・マクファディンとキーラン・カルキンが有力ですが、2人で票が割れて他の候補に行く可能性もあります。2020年は、同様の状況で『ザ・モーニングショー』のビリー・クラダップが受賞しています。

 

 コメディ部門は、どれが獲ってもおかしくないほど素晴らしい作品が集まっています。批評サイトRotten Tomatoesでは、『マーダーズ・イン・ビルディングS1』『バリーS3』『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイアS3』『Hacks S2』がいずれも100%、『アボット・エレメンタリーS1』『テッド・ラッソS2』が98%という高評価ぶりです。クオリティがインフレしています。

 

 とはいえ、アメリカのメディアでは、昨年と同じく『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』(20ノミネート)が最多受賞すると見られています。同じ作品が連続受賞しやすいというエミー賞の傾向を考えると、この予想は妥当な気がします。一方で、新作の『アボット・エレメンタリー』は非常に高い評価を受けており、このドラマでクリエイターと主演を務めたクインタ・ブランソンにも然るべき栄誉が与えられても良いのではないかと思います。

 

 高評価をされながら残念ながらノミネートを逃した作品は、ドラマ部門で『イエローストーン』『パチンコ』、コメディ部門で『Reservation Dogs』あたりでしょうか。これまでエミー賞で多数ノミネートされてきた『THIS IS US』と『ブラッキッシュ』がともにファイナルシーズンでありながら主要部門でノミネートされていないのは少し意外でしたが、新作で良い作品が多いので仕方ないかもしれません。

 

 演技部門では、『ベター・コール・ソウル』のマイケル・マンドとジャンカルロ・エスポジート、『マーダーズ・イン・ビルディング』のセレーナ・ゴメスらは素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたもののノミネートを逃しています。

 

 意外だったのは、Netflixドラマ『令嬢アンナの真実』のノミネート。世界的にヒットはしていましたが、他にもっと良いリミテッドシリーズはたくさんあったような気がします。『メイドの手帖』とか『真夜中のミサ』とか『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』とか。質に関わらずヒット作の方がより多くのエミー会員に見てもらえるので、結果的にノミネート入りを果たしたのでしょうか。

 

 他にノミネートされた側を見てみると、『ベター・コール・ソウル』から、レイ・シーホーンがシーズン6にして初ノミネートです。これは自分も嬉しい。前シーズンではノミネートされていなかった『THE GREAT』のエル・ファニングとニコラス・ホルトは、今年は揃って主演賞に候補入りです。ハラショー!

 

 今回、ノミネートされた作品の多くは日本でも視聴することができます。授賞式までの間に、ぜひ気になった作品はチェックしてみてください。

 

 2022年のエミー賞は9月12日に授賞式が行われ、その模様はU-NEXTで独占生配信される予定です。

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