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ロックだぜ!『ドクター・フー』シーズン9感想解説

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It’s funny. The day you lose someone isn’t the worst. At least you’ve got something to do. It’s all the days they stay dead.

- The Doctor in Doctor Who series 9

 

『ドクター・フー』シリーズ9基本データ

・放送局:BBC

・放送日:2015年9月19日~12月5日

・話数:12+クリスマス・スペシャル

・予告編:

www.youtube.com

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シリーズ9各話感想(ネタバレあり)

クリスマス・スペシャル「ラストクリスマス」

 ドクターたちは、映画『エイリアン』シリーズに登場するフェイスハガーのようなエイリアンに襲われ、階層構造の悪夢を見せられます。サンタ役は、映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『宇宙人ポール』などでサイモン・ペグとのコンビとしてもお馴染みのニック・フロスト。サイモン・ペグもs1ep7「宇宙ステーションの悪魔」に出演しています。

 

第1話「魔術師の弟子」第2話「魔女使いの友」

 ダーレクの創造主ダブロスがシリーズ4以来の登場。ドクター、クララ、ミッシーは、ダーレクたちの惑星スカロに連れていかれます。ミッシーがダーレク側に寝返ったりそうじゃなかったり、ダブロスがドクターを騙して再生エネルギーを奪ったり、ドクターはさらにその裏をかいていたりと、ほぼライアーゲーム状態です。ロックなドクターがツボ。初登場時のs7ep1「ダーレク収容所」に続き、またしてもダーレクの中に入ってしまったクララは可哀そうだったな。

 

第3話「湖の底」第4話「洪水の前」

 海底基地で幽霊が発生。ドクターは、過去に戻ってエイリアンのフィッシャーキングを倒します。第4話の最初と最後では、ベートーベンの第5番を例に、もし過去に戻って第5番を自分で発表したとしたら、そもそも誰が第5番を作ったことになるのか?という問いを発しています。卵が先か鶏が先かの例でも有名な、「因果のループ」と呼ばれるパラドックスの一種です。非常に多くのタイムトラベルものがこのパラドックスを孕んでいるのですが、未だに科学的な解決法は見つかっていません。

 

第5話「死んだ少女」第6話「生き続けた女」

 ドクターはバイキングの村を救ったものの、アシルダという少女を救うために、彼女を不死にしてしまいます。数百年後にドクターと再会した彼女は、孤独で冷酷な人間になっていました。ドクターは再生できるので、死ぬことは実質的にないのですが、コンパニオンはいつも寿命のある人間です。辛い別れを経験しなければならないと分かっていながら、ドクターがいつも人間とともに旅をするのは、寿命がある者は人生を豊かにしてくれるからだそう。

 

 副主人公のミーを演じるのは、『ゲーム・オブ・スローンズ』のアリア・スターク役で大ブレイクしたメイジー・ウィリアムズ。第5話でのメイジーは、ほとんどアリアのイメージそのままでした。

 

 注目したいのが、第5話でs4ep2「ポンペイ最後の日」に言及されたことです。今はドクターを演じているピーター・カパルディですが、このエピソードでは全く別のポンペイ人を演じていました。第5話では、12代目ドクターがそのポンペイ人の教訓を覚えておくために、同じ顔にしたと言います。やや強引な説明ですが、理由を与えようとしたこと自体は面白い試みです。

 

第7話「ザイゴンの侵略」第8話「ザイゴンの逆転」

 50周年スペシャル「ドクターの日」の続編です。姿を変えることの出来るザイゴンは、人間と共存するという協定を結んだはずでしたが、オズグッドの一人がミッシーに殺された(s8ep12)ことが原因で、再び人間を倒そうとします。今回は、クララもザイゴンに乗っ取られてしまいます。最終的に、ドクターは戦争の本質を説くことで、なんとか平和的に解決します。

 

 このエピソードは、クララを演じるジェナ・コールマンの演技が実に良い。クララの恰好をしたザイゴンとクララ自身という一人二役とか、凄く面白かったですね。シリーズ9あたりは、とかくピーター・カパルディの演技が注目されるのですが、ジェナ・コールマンにも改めて注目してみても良いかも。

 

第9話「もう眠らない」

 いつものオープニングが存在せず、よく知らない研究者の語りで展開するエピソード。目ヤニの怪物というのは、さすがになんじゃそれ!?と思ってしまいます。というか、この話は結局怪物たちが人間たちに見せるために作った映像であって、実際には起こっていない出来事ということになるんですかね。

 

第10話「カラスに立ち向かえ」

 Noooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!そんなぁ”ぁ”ぁ”~~~~~~~~~~!!!!!!!!クララァ”ァ”ァ”ァ”ァ”~~~~~~~~~~~~~~~~~~! (´;ω;`)

 

第11話「影に捕らわれて」

 何処かへトランスポートされたドクターは、たった一人で脱出法を探る。登場人物は、全編ほぼドクターのみ。クララを失ったドクターが、自らの恐怖に真正面から立ち向かっていく様は、悲しくも非常にパワフル。転送⇄死を繰り返して脱出を試みる執念深さには、鳥肌が立ちます。ピーター・カパルディの圧倒的な演技力があるからこそ実現出来たエピソードでしょう。

 

第12話「時空の果てで」

 ドクターを閉じこめたのは「ハイブリッド」の情報を得ようとしたタイムロードたちだった。彼らは、時間凍結されていたガリフレイ(50周年「ドクターの日」参照)を自ら解凍させ、時間の終わりに姿をひそめていたのだった。クララを取り戻すために、ドクターは死の直前のクララを”抽出”して、生き返らせようとする。しかし、これは時を崩壊させる行為であるため、クララかドクターは記憶を消さなければならなくなった。結果、ドクターはクララの記憶を完全に失うことになった。一方のクララも、死という既成事実から逃れることは出来ないため、ガリフレイに戻って自らの死に向かう。

 

 ダイナーでウェイトレスをしているクララと、ギターを持ったドクターの会話を聞いていると、クララが記憶を失ったのだと最初は勘違いしてしまいます。でも、事実は逆だったので、見事に騙されてしまいました。ハイブリッドの謎などは、まだ完全には解決されていないので、まだ先が気になる展開です。

 

クリスマス・スペシャル「リヴァー・ソングの夫」

 12代目になってからは初めてリヴァー・ソングが登場し、ここまでとはうって変わって、クリスマスらしく笑える楽しいエピソードになっています。リバーの時系列では、s4ep8「静寂の図書館」の一つ前の出来事になります。7年ほどかけて、これまでのリヴァー登場エピソードで言及されてきた様々な事柄を解決していくあたり、やはりスティーヴン・モファット上手いなと思います。最後のシーンが少し悲しい雰囲気になっていたところで、「この惑星の夜の長さは?」に対する答えにより、一転して嬉しい結末に様変わりするのは素敵だな。

 

 

 

まとめ

 『ドクター・フー』シリーズ9、とんでもなく面白かったです!これまでのところ、ベストシーズンだと思っています。そもそも自分は以前からマスターが好きなので、第1,2話でミッシーの敵か味方かわからない展開が好きでしょ。メイジー・ウィリアムズが見られたのも、ちょっと嬉しかった。ザイゴンが出てくる第7,8話は純粋に凄く面白かった。

 

 そして、第11,12話は怒涛の素晴らしさ。12代目ドクターは、全体的にドクターの内面を掘り下げていくエピソードが多いですよね。s8ep4「聞いて」とs9ep11「影の捕らわれて」は、ドクター自身の恐怖の感情を掘り下げる2作とも言えるでしょう。

 

 そのドクターの内面の深さに、SF的アイデアの面白さもプラスされ、まさに『ドクター・フー』でなければ出来ないシリーズになっています。12代目ドクター、最高すぎるぜ!

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