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不可能だ!『ドクター・フー』シーズン7感想解説

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It's smaller on the outside.

- Clara Oswald in Doctor Who series 7 

 

 11代目ドクターは、ついに最後の旅へ。新たなコンパニオンも参戦するシリーズ7、さらに『ドクター・フー』50周年記念エピソードも含めた、11代目最後の冒険を語ります。

 

※エピソード順について:Amazonプライムビデオで『ドクター・フー』をご覧の方は、「スノーメン」がシーズン7の最終話になっていますが、実際には第5話と第6話の間のエピソードです。50周年スペシャル「ドクターの日」は、シリーズ7最終話「ドクターの名前」の次のエピソードになります。

関連記事:『ドクター・フー』を見る順番は?スピンオフの『トーチウッド』『クラス』も含めて紹介 - 海外ドラマパンチ

 

 

 

『ドクター・フー』シリーズ7基本データ

・原題:Doctor Who

・放送局:BBC

・放送日:2012年9月1日~2013年5月18日、11月23日、12月25日

・話数:12話+クリスマス・スペシャル+50周年記念エピソード2話

・予告編:

www.youtube.com

 

シリーズ7各話感想(ネタバレあり)

第1話「ダーレク収容所」

 ポンド夫妻なのかウィリアムズ夫妻なのかわからないけど、エイミーとローリーは離婚の危機に。そんな最中、ドクターを含めた3人はダーレクに捕らわれる。スフレ・ガールことオズウィン・オズワルドという女性が登場するのですが、最後には彼女の正体にアッと驚かされます。スフレの伏線も面白く、シリーズ初回から素晴らしい幕開けです。

 

第2話「恐竜たちの船」

 恐竜を載せたサイルリアンの宇宙船に、ドクターはポンド夫妻とネフェルティティ、猛獣狩りのリデル、さらにローリーのお父さんと共に乗り込む。リデル役は、『SHERLOCK/シャーロック』でレストレード警部を演じたルパート・グレイブス。宇宙船に乗っていたソロモンを演じるのは、『ゲーム・オブ・スローンズ』のウォルダー・フレイ役のデイヴィッド・ブラッドリー。

 

第3話「情け無用の町」

 3人が訪れたのは西部開拓時代の「Mercy(慈悲)」という町。そこには、この町に隠れていたドクター・ジェックスを狙うサイボーグのガンマンがいた。シチュエーションが、どことなく映画『ウエストワールド』(1973年)に似ています。ドクターたちは、一人の悪人を生贄にするか、町の人々をリスクにして戦うか、という究極の選択を迫られます。

 

第4話「キューブのパワー」

 地球上のあらゆるところに黒いキューブが現れる。UNITはシリーズ4以来、久しぶりの登場です。序盤には、ちょこっとだけBBC御用達物理学者のブライアン・コックスが出てきます。どうでも良い情報ですが、彼は元ロックンローラーです。何の変哲もないキューブに、様々な使い道を見出してしまう人間にも、ある意味では感心してしまいます。

 

第5話「マンハッタン占領」

 ニューヨークにやってきた3人組は、またしても嘆きの天使に襲われる。エイミーとローリーはビルから飛び降りてタイムパラドックスを起こすことで、嘆きの天使を倒すのですが、その後の展開が衝撃。なんと、ローリーが生き残りの天使によって過去に送られ、エイミーもローリーの後を追います。これで、2人とは永遠のお別れです。突然すぎてツラい……。

 

 

 

クリスマス・スペシャル「スノーメン」

 スフレ・ガール再び!知能を持つ雪が地球を襲います。ジャガイモ頭のストラックスや、トカゲ型地底人のヴァストラ、その妻のジェニーがs6ep7「ドクターの戦争」に続いて再登場。悪役を演じるのはリチャード・E・グラント、グレートインテレジェンスの声はイアン・マッケランだそうです。それにしても、根っからの軍人頭のストラックスはなかなかのものですが、彼に対するドクターの態度も酷い(笑)

 

第6話「セントジョンの鐘」

 WiFiが人間たちを乗っ取ろうとしていた⁉ここから、クララが正式な新コンパニオンになってくるのですが、彼女は他のコンパニオンとは違って、謎が多いんですよね。既に2回登場して、2回とも死んでいます。そして、いつの時代でも同じ言葉(Run, you clever boy!)と言っています。さて、その心は?

 

第7話「時の女王」

 クララとドクターは宇宙へ。記憶を食べる怪物に立ち向かいます。少女が歌う歌が素晴らしかったですね。今回登場した記憶を食べる怪物ですが、現実にも情報熱力学という物理学の分野があります。詳しくもないし難しい話なので、具体的なことは何も言えませんが、情報を食べると聞いてちょっと連想しました。

 

第8話「冷戦」

 1980年代、米ソは冷戦時代にあった。ドクターたちは、潜水艦にいた火星人と戦います。奇しくも、『ゲーム・オブ・スローンズ』のダヴォスとエドミュア・タリ-が共演しています。『ゲーム・オブ・スローンズ』キャストだと、メイジー・ウィリアムズもいずれ出てくるらしい。

 

第9話「井戸の魔女」

 幽霊屋敷の話。典型的な幽霊話から始まったと思いきや、小宇宙が登場してSF的な展開になり、ラブストーリーも盛り込まれます。これほど発想を広げられるのがSFの魅力ですよね。私たちがいる宇宙と小宇宙では時間の進み方が違うという設定も面白い。素晴らしいエピソードです。

 

第10話「ターディスへの旅」

 クララたちは、無限の時空を持つターディスの中を冒険します。ドラえもんの四次元ポケットの中は、たぶんターディスと同じ機構なんでしょう。今回の教訓は、友達に自分がアンドロイドだと信じさせるような悪戯をしてはいけません、ということです。

 

第11話「深紅の恐怖」

 ヴァストラ&ジェニー&ストラックスの3人組が再々登場。赤い死体の謎に挑みます。この3人組に関しては、スピンオフを作りたいという話もあったそうですが、制作総指揮のモファットが忙しいとかで頓挫しています。「スウィートさん」という名前と、あの容姿のギャップが強烈。

 

第12話「銀色の悪夢」

 クララが面倒を見ている子供たちとともに、さびれた遊園地にやってきたドクターたちは、サイバーマンに襲われます。ドクターがサイバーマンに半分乗っ取られてしまうのが面白い。マット・スミスの口から「ファンタスティック」や「アロンジ」といった以前のドクターの決め台詞が出てきてしまいます。ちなみに、ドクターがクララに恋愛感情を抱くことがないであろうことも、10代目を観てきた人ならわかるはず。

 

第13話「ドクターの名前」

 ドクターは、トレンザロアにある自分の墓を訪れます。そして、不可能と言われ続けたクララの謎が明らかになります。クララは、「スノーメン」にも登場した悪役のグレート・インテリジェンスが、ドクターの歴史に遡って倒そうとしているのを阻止するために、自らドクターの時間軸に飛び込んだのでした。

 

50周年記念エピソード「ドクターの日」

 1963年に始まった『ドクター・フー』の50周年を記念した超豪華エピソードです。なんと、これまで通り11代目のマット・スミスが演じるドクターだけでなく、10代目を演じたデヴィッド・テナントと、シリーズ1,2のコンパニオンだったローズ・タイラーを演じたビリー・パイパーが出演しています。新たに登場する「ウォー・ドクター」として、映画『エイリアン』や『エレファント・マン』のジョン・ハートが出演します。

 

 ウォー・ドクターは、9代目の直前のドクターであり、今回のエピソードでは旧シリーズと新シリーズの間に起こった「タイム・ウォー」の真相が明らかになります。タイム・ウォーに関しては、これでも何度かドクターの口から出てきていたのですが、詳しく語られたことはありませんでした。タイム・ウォーは、タイムロードをダーレクの最終戦争であり、両者絶滅でもって終結したと思われていました。しかし、実際はドクター(たち)が、ガリフレイを時間凍結したのでした。11代目ドクターは、このガリフレイを探す旅に出ます。

 

 素晴らしいですね。これまで、さらりと冗談のように触れられてきた事柄を一気にまとめ上げる手腕には恐れ入ります。ドクターが、過去にダーレクを絶滅させただけでなく、タイムロードも絶滅させたことはシリーズ6で言及されています。エリザベス女王と結婚したことも、何度か語られていました。力技ではあるのですが、最高にファンタスティックなエピソードです。

 

 最後に、学芸員として白髪の老紳士が登場しましたが、彼も『ドクター・フー』にとっては重要な人物です。トム・ベイカーは旧シリーズで最も人気のある4代目ドクターを演じました。まさに、50年の歴史があるからこそ出来たエピソードであり、他の作品には到底真似することの出来ないであろう名作です。

 

クリスマス・スペシャル「ドクターの時」

 11代目ドクターの最後のエピソードです。ダーレク、サイバーマン、サイレンス、嘆きの天使といったお馴染みの敵たちも登場しながら、ドクターは最期の地であるトレンザロアに向かいます。

 

 タイムロードは12回しか再生できないというルールが旧シリーズ時代に作られていたため、本来ならば11代目は最後のドクターであるはずです。しかし、ドクターは時空の裂け目からタイムロードたちの力を借りて、再生します。かなり駆け足の展開でコメディタッチであり、その意味では11代目らしいファイナルなのかな。

 

 まとめ

 11代目ドクターの物語は、これにて完結です。歴代でも最も若い顔のドクターということで、軽妙なタッチでありながらも、時折見せる暗い表情はやはりドクターそのものだなと思います。エイミーとローリーは、何度も待ちぼうけをくらい、最後まで辛い経験も多かったのです。それでも、2人がこれからも一緒にいられるのは、せめてもの救いでしょう。

 

 さて、再生した12代目ドクターを演じるのは名優ピーター・カパルディ。12代目とクララの、これからの冒険も楽しみにしていきましょう。

 

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