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『ドクター・フー』シーズン12ネタバレ感想:その名はドクター

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The name's Doctor. The Doctor.

- Doctor Who series 12

 

 前シーズンに引き続く、13代目ジョディ・ウィテカーがドクターを演じるシーズン12。懐かしのキャラクターも登場していく中、物語は予想もしない方向に進んでいきます。

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『ドクター・フー』シリーズ12基本データ

・放送局:BBC One

・放送期間:2020年1月1日~3月1日

・製作総指揮:クリス・チブナル『ブロードチャーチ』

・主演:ジョディ・ウィテカー

・予告編:

www.youtube.com

 

『ドクター・フー』シリーズ12全話感想(ネタバレ)

第1&2話「スパイフォール」

 タイトルは007シリーズ23作目『スカイフォール』を意識しているように、随所に007オマージュが仕込まれた二部作。飛行場と飛行機の中での戦いは、007ではよく見る光景です。ドクターの宿敵であるマスターも登場し、またまた地球をかき乱していきます。マスターはとにかくドクターの邪魔を出来ればよく、そんな彼に全人類を記憶デバイスにしようとする悪党が協力しているという、とんでもない敵に立ち向かわなければなりません。ストーリーは説明不足な部分も多いながら、マスターのキャラクターである程度カバーされているのかな。

 

第3話「捨てられた惑星」

 二酸化炭素を吸収して酸素を排出するモンスターと戦う話。ごめんなさい、これはさすがに擁護できません。モンスター描写の不足、雑なメイクアップ&ヘアスタイリング、唐突過ぎるエンディング。酷すぎます。

 

第4話「ニコラ・テスラと恐怖の夜」

 不遇の天才発明家ニコラ・テスラの話。最近、テスラの映画が多いような気がします。それとともに、エジソンが悪者扱いされることが多いような。スティーブ・ジョブズvsビル・ゲイツを描くときのビル・ゲイツみたいな。このエピソードでは特にエジソンは悪人扱い。エジソンが良い人だったとも思いませんが、たぶんテスラも善人ではなかったと思います。人間性で言うなら、どっちもどっちだったんじゃないかな。

 

第5話「ジュドゥーンの襲来」

 シリーズ3第1話「スミス&ジョーンズ」で登場したサイ型警察のジュドゥーンが登場し、さらにバイセクシュアルのハンサム宇宙人キャプテン・ジャック・ハークネスも出てきます。終盤には、ある女性の正体がドクターだと判明。過去のキャラが見られるは『ドクター・フー』の強みなのですが……、ストーリーにあまり生かされていません。ジャックはただ伝言を伝えるだけで、新たなドクターも特に何もしていません。惜しい!

 

第6話「宇宙からの病原体」

 海に大量に存在するプラスチックごみ問題を啓発する話。シリーズ11以降、教育的なエピソードがたまにあります。これは、ただごみ問題を啓発する話です。それ以上のことはありません。

 

第7話「悪魔の呼び声」

 昔々、人類だか何だか知らないが、神という名のエイリアンにもてあそばれていたことに気付いた種族が、神の1人を閉じこめたそうな。困ったもう1人は、ドクターを誘い出して、神を脱出させましたとさ。だけど、たぶんそんな話はどうでも良くて、大事なのはコンパニオンたちの恐怖が明らかになったこと。

 

 グレアムは癌の心配をしていて、ライアンは友達の心配かな?をしています。興味深いのは、ヤズの話です。3年前には自殺を考えていたほど思い詰めていたようです。一気にヤズのキャラクターに深みが出てきて良いですね。ヤズのことは、もっと知りたくなります。

 

第8話「フランケンシュタインが生まれた夜」

 堂々巡りしてしまう屋敷の話。孤高のサイバーマン登場。←めちゃめちゃ良かった。フランケンシュタインの生みの親であるメアリー・シェリーも出ていましたが、むしろ夫の方に焦点が当たっていたのはなぜ? 最後には、メアリーがサイバーマンから着想を得てフランケンシュタインの物語を創造する、という展開があるものだと思ったんだけどなぁ。途中で、ドクターがライアンと話し合うというより命令をしていたのも、モヤモヤします。

 

第9話「サイバーマンの再興」

 サイバーマンがたくさん出てきます。サイドストーリーとして、ブランドン刑事の生涯が描かれています。この人が孤高のサイバーマンになってしまったんですね。次回はこのエピソードが伏線として効いてきたりしそうです。

 

第10話「時を超えた子供たち」

 お~お~お~!!凄い展開になってきたぞ。ドクターは、子供の頃はマスターと一緒にアカデミーで過ごし、その後初代から13代目まで再生を繰り返しながら旅をしてきたものと思われていました。しかし、実際にはさらにその前がありました。ドクターこそが、最初のタイムロードだったのです!第5話や前話が伏線になっています。

 

 フーヴィアン(ドクター・フーのファン)からは、この話は60年に渡る『ドクター・フー』の歴史をぶち壊すエピソードだとして酷評されているようです。これまでのドクターが自分の過去について考えていたことが全て間違いということになってしまいましたから、そういった反応もあるでしょう。

 

 それでも、あえて言いたい。これは、素晴らしいアイデアです。SFアドベンチャーとしては改善の余地が大いにありますが、視聴者を驚かせる脚本には賞賛を贈りたい。脚本を書いているクリス・チブナルは、以前BBCの『ブロードチャーチ』というドラマの脚本も書いているのですが、こちらはミステリーとして非常によく出来ています。なので、チブナルに脚本を書かせるならばミステリー仕立ての方が絶対に良い。

 

 これまでのエピソードは、チブナルが『ドクター・フー』らしいSF活劇を目指していたようですが、正直言ってあまり上手くありませんでした。このシーズンでは、チブナルが得意とするミステリーの筋立てを導入し、視聴者に驚きをもたらしています。チブナルならば、この方向性は大正解です。シリーズ13では、さらにシーズンを通してさらに大きなミステリーが展開されることを期待しています。

 

まとめ

 第5話が惜しいとか書きましたが、これは訂正しなければいけません。最終話への布石として必要であり十分に面白いエピソードでした。第9話の警官の話をすっぽりドクターの出自に関する伏線に使っているなど、改めて考えると見所のあるシーズンだったと思います。

 

 とは言え、コンパニオンが3人というのは多いし、SFアドベンチャーの部分に関しては粗が多すぎます。もう、ヤズとドクターの2人でがっつりミステリーをやっちゃえば良いんじゃないですか?『ブロードチャーチ』のガリフレイ版ですよ。それなら、めちゃくちゃ期待してしまうな。

 

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