Oh, mate. I'm The Doctor. Ring any bells?
- The Doctor in Doctor Who series 11
シリーズ11になった『ドクター・フー』は、大きな転換点を迎えます。史上初の女性ドクターもそうですが、製作総指揮が変わり、音楽担当も変わり、すべてが新しくなっています。果たして、新たな『ドクター・フー』は何が変わったのか?
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『ドクター・フー』シリーズ11基本データ
・原題:Doctor Who
・放送局:BBC1
・放送期間:2018年10月7日~2019年1月1日
・話数:11
・製作総指揮:クリス・チブナル『ブロードチャーチ』
・キャスト:ジョディ・ウィテカー『ブロードチャーチ』、ブラッドリー・ウォルシュ『ロー&オーダーUK』、トシン・コール、マンディップ・ギル
・予告編:
『ドクター・フー』シリーズ11全話感想(ネタバレ)
第1話「新生ドクター、地球に落ちる」
ついに、13代目ドクターの登場です。地球に突如現れたスライムみたいな物体を見つけたライアン、同級生のヤズ、義祖父のグレアム、祖母のグレースとともに、攻撃的エイリアンに挑みます。エイリアンは死体の歯を抜き、ドクターは”ティム・ショー”に爆弾を押し付け、最後にはグレースが死んでしまうという、なかなかハードな幕開け。
ドクターが再生した直後のエピソードは、キャラクターが不安定なドクターが見られる貴重なエピなんですよね。13代目も、最初は言動に12代目の面影を残しながらも、後半では新たなドクターになるにあたっての力強いメッセージとともに、独自のキャラクターを徐々に見せていきます。でも、ターディスは?
第2話「サバイバル・ラリー」
ドクター、グレアム、ライアン、ヤズは、宇宙レース大会が行われている危険な惑星に来てしまう。序盤は、4人が宇宙空間に放り出され、とある宇宙船に拾われるところから始まるのですが、凄くビジュアルが進化していることがわかります。B級SF感の強かったシリーズ1の頃から比べると、ハリウッド映画に匹敵すると言っても良いぐらいです。素晴らしい時代になりました。
中盤で、アセチレンが空気より軽くて、発火性があることを利用していたけれど、あれはさすがに危ないぞ!とか思ったり。最後には、ようやくターディスが登場。内装が大きく変わっています。新オープニングとも合わせて、怪しげな独特の雰囲気があります。
第3話「世界が変わる日」
ローザ・パークスの話。ローザ・パークスは、白人にバスの席を譲らなかったことで逮捕されました。このことがきっかけで人種差別撤廃への動きが活発になった歴史があります。これまでの『ドクター・フー』でも、人種差別問題にさらっと触れることはありましたが、このくらいきっちり扱ってくれるのも良いですね。未来から邪魔しに来た悪人は、ちょこまか邪魔しかしていませんでしたが、それはとりあえず不問に付しておきましょう。ローザの物語を『ドクター・フー』でやるということが意義のあることですから。
第4話「巨大グモの襲撃」
巨大グモわさわさ。アラクノフォビア(クモ恐怖症)を増やそうとしているとしか思えないエピソードです!アメリア・イアハートは女性として初めて大西洋横断無着陸飛行を成し遂げた人物なのですが、今後も過去の偉大な女性たちに言及していくスタイルなのかな。
第5話「暗闇の中の希望」
救急車みたいな宇宙船で、見た目は可愛らしいが無機物なら何でも食べてしまう怪物プティンが大暴れ。限られた時間の中で、ドクターたちは頑張ります。船の動力として、小型の加速器が出てきましたが、将来的にはあの大きさになるのもあり得そうです。今のものはめちゃくちゃ大きくて、CERNのLHCという加速器は山手線円周ぐらいの大きさがあります。
第6話「パンジャブの悪魔」
ヤズのおばあちゃんの結婚式に行く話。タイムトラベルで、自分の祖先に会いに行くのは、非常に危険とされているのですが、どうしてもやってしまうんですね。ここで、ヤズ達はおばあちゃんの結婚相手が死ぬことを知るのですが、変更できない過去なので、何もすることが出来ません。本当に何も出来ないのです。ツラいなぁ。
第7話「謎の差出人」
宇宙のAmazonは、ブラック企業。すべてがシステム化されたこの会社では、少しでも仕事の能率が下がることは許されません。ここで、社員が消える事件が起きれば、それは会社の責任だと思ってしまうのですが、実は全てがある青年の企みでした。死の梱包材で大規模テロを起こし、ロボットの信用を貶めたかったようです。二度と安心してプチプチ出来なくなってしまった!
第8話「魔女狩りの村」
魔女裁判の話。魔女であろうとなかろうと、裁判にかけられたら最終的に死ぬというあれです。『ドクター・フー』なので、悪魔の正体はやはりエイリアンであるわけですが。アラン・カミングが出てます。
第9話「鏡の向こう側」
鏡の世界に入ってしまったドクターたち。そこには、亡くなったはずのグレアムの妻のグレースが生きていました。しかし、それはエイリアンによる罠なので、脱出しなければいけません。ドクターが最後に対面したのが、まさかのカエルだったのは驚き。急に『銀河ヒッチハイクガイド』的なノリを感じます。
第10話「創造主と復讐」
ティム・ショー復活。ドクターたちは色々やって、地球が破壊されるのを防ぎます。さっき観たばかりなのに、内容を忘れてしまいました。
第11話「終わらない悪夢と新たな旅」
新年スペシャル。9世紀に地球に埋められていたダーレクが復活して、人間に寄生します。このダーレクに寄生される女性を演じているのが、シャーロット・リッチーという人です。綺麗な方ですよね。以前に、グレアムが『コール・ザ・ミッドワイフ』を観ていると言っていましたが、彼女は以前このドラマにレギュラー出演していました。グレアムが気づいちゃうじゃん。
まとめ
『ドクター・フー』の長い歴史の中で初めての女性ドクターとなった13代目。コンパニオンの人種や年齢も多様で、新しい時代に入ったんだなと感じます。ドクターが放つ力強いメッセージも清々しく、子供も含めた家族向けファンタジーとしては、十分面白いのでしょう。
でも、物足りない。というのも、ドクターとコンパニオンたちの関係性の描かれ方がどうしても不十分に感じてしまうのです。4人の関係性は、ドクターがひたすら「友達だ」「家族だ」と呼びかけることでしか保証されていません。それでは、さすがに弱すぎます。今回は、コンパニオンが3人もいるので、そのような事態になってしまったのかもしれません。
この4人組の旅は少なくともあと1シーズンは続くので、より強い絆を見せてくれるのか期待したいです。
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